何のために茅場の野焼きをするのか、その効果は、をまとめました。
当日も説明しますがあらかじめ読んでおいてください。 文責:草野
茅場野焼きの目的と効果
茅場野焼きの目的
1.成長促進
①火入れ後の灰が土壌にミネラル分を補給
②熱による蒸発で土を柔らかくする
③腐りにくいススキの立枯れや枯れ葉の堆積物を除去し富栄養化を防止
④地表に陽光が射し込みやすくなり、春の芽吹きを促進する
2.駆除
①ダニやアブラムシの発生を防ぐ
②クズなどのつる性植物の繁茂を防ぐ
3.防火
草が残っていると、火の不始末による山火事が起こる
茅場野焼きの効果
1.低木類の侵入を抑え、茅場が森林化するのを防ぐ
*放っておくとタニウツギ、シラカバ、コマユミ、ミズナラなどが侵入して森になってしまう。
2.地表にたまった落葉・落枝が取り除かれ、地表の光環境・温度環境が変化する。
*地表を覆った腐植や刈り残しを焼き払うことで、地表面の光・温度環境が大きく変化し、
こうした環境を好む種類の植物の芽吹きが促される。
3.肥料分が増える(疑問もある)
*有機物が燃えて、蓄えられていた窒素分が無機状態になり、水に溶けて植物に吸収されやすくなる。カリウムも有機物から解放されて植物にとって使いやすくなる。(焼土効果)
*一方では流亡、空中放出で失われる窒素分も少なくない。
*野焼きは貧栄養化を促し、貧栄養に耐えられるススキの生育をしやすくする。
ただし、極貧状態にしない、場所の選定と回数が肝要
4.動物の種類が変化する
*野焼きにより温度、光、住みか、餌などの条件が撹乱され、ススキ草原に適応する動物が棲みやすくなる。
5.芽が地中にある植物が生き残る
*地上部の温度上昇は大きいが、地面下はそれほど高くならないのでススキなど芽が地中にある多年草や埋土種子は大きな影響を受けないのに対して、春先に葉を広げた越年草や地上部に芽を持つ樹木は影響を受けやすい。
○ススキの生育を促進する→良質な屋根萱材の供給、家畜の飼料、緑肥の採取
○スススキ草原の環境を維持する→生物多様性の保全
0 件のコメント:
コメントを投稿