2015年2月20日金曜日

流域連携や流域コモンズは実践で・・・


森林塾青水は、利根川つながりでの流域連携「流域コモンズ」を目指して活動しています。

もちろん、メインの活動は、利根川水源域のみなかみ町藤原上ノ原の茅場とミズナラ林ですが、その活動趣旨を水源域から発信して同じ上中下流が連携して環境保全活動を継続した大きな力にしていくという趣旨の旗を活動方針の中で掲げています。

このことは、2013年の「全国草原サミットinみなかみ」の中でも水源地帯や草原の恵みを享受するには上下流連携が重要であるとするサミット宣言が採択されました。(http://commonf.net/9th.sogen/99_blank002.html)。

しかし、その理念は分かっていても実践となると正直言って難しく、これまで、これといった形に残る実績はありませんでした。

ところが、昨年ごろから利根川下流域の団体とのつながりの足がかりができ、今年もそのチャンネルが増えています。

そのひとつが青水の会員等に案内して小貝川、菅生沼の野焼きに参加していることです。今年は、1月24,25日両日とも10名が参加しました。主催者の西廣先生や小幡さんは上ノ原の野焼きを応援いただいています。
(詳細は当ブログ http://commonf.blogspot.jp/2015/02/blog-post.html)。

2015/1/25菅生沼の野焼

小貝川、菅生沼に加え今年は、東京理科大の理窓公園での湿地再生にも2日間述べ10名が参加しています。

この活動は、40年間放置されてきた湿田を再生してナマズやウナギなどの魚類や水生昆虫などの生息地を作ろうとするもので、将来はコウノトリの放鳥も視野に入れ、利根川運河との魚道の設置も計画されています。

1日目は、刈払い、2日目は、掘り起しを行いました。私たちにとって初めての経験でかなりな重労働でしたが、その明確な目的達成のために作業をする学生さんとの共同作業を楽しく行いました。
 
 
2015/2/8 刈り払

2015/2/8参加者の皆さん

2015/2/15 水を張った完成した湿田

このような活動の際にはできるだけ、「飲水思源」のマーク付きの青水メットをかぶって参加して塾をPRするようにしています。
飲水思源マーク付きの青水メット

 このほか、東洋大学の学生のフィールド受入れもあって、流域連携が形になりつつあります。

このように、流域連携や流域コモンズというスローガン的なものは、あまり、大上段に構えずに、一つ一つの実践として形にしていきたいと考えています。
 
 
                                文責 草野
 

2015年2月5日木曜日

小貝川と菅生沼の野焼き

小貝川の野焼き

  本年度第三回東京楽習会は、昨年に引き続き、1月24日に開催された「小貝川の野焼き」に参加しました。
  地元茨城県水海道市の「水海道自然友の会」が主催し、青水でもおなじみの茨城県自然博物館の小幡先生、岐阜大学の津田先生、東邦大学の西廣先生をはじめ研究者やボランティア団体等の支援、協力により、タチスミレやヒメアマナ等の草原固有の植物を保全することを目的に毎年開催されています。今年の参加者は約七十名で、森林塾青水のメンバー十名も加わり、レーキや熊手を使って防火帯の整備に汗を流しました。
  今回も昨年と同じ場所三ヶ所に火を入れました。野焼きの二日前の雨が降り、燃え具合が気になるところでした。丈の高い茅が生い茂る一カ所目は、風の具合で燃え残りも出ましたが、比較的良く焼けました。二カ所目、三カ所目は火のまわりが悪いため、燃え残りの草を刈り集めて火を入れ、草地の保全が図られました。


菅生沼の野焼き
  翌25日、茨城県自然博物館が稀少植物の生育環境を守るために、博物館の立地する菅生沼で実施している自然観察会「野焼きがタチスミレを救う」にも、青水の有志が約140名の地元関係者やボランティアとともに参加しました。

 野焼きの意義や実施方法、同時に行う火入れ地の温度測定実験について、前日の小貝川でもお世話になった小幡さん、津田さんよりレクチャーを受けるとともに、全員で防火帯の整備や周辺の清掃を行いました。そしていよいよ火入れです。現場は十文字状の防火帯で四カ所に区切られ、順番に火を入れてゆきました。

  この日も風の穏やかな晴天で絶好の野焼き日和でした。雨の影響も余り感じられず、火は順調に燃え広がってゆきました。途中で風が変化したためか燃え残しが出ましたが、そこは手慣れたもので、残った草を刈り払った後に再び火を入れ、目的を達成しました。野焼きはお天気任せの部分が大きいですが、前日は雨と湿り気、この日は風との関係を実感しました。






尚、自然博物館では5月17日に、野焼きした場所でタチスミレなどの生育状況を観察する行事を開催するとのことです。案内は博物館のウェブサイトに掲載されますのでご覧下さい。                                                              
(茨城県自然博物館http://www.nat.pref.ibaraki.jp/index.html)  
 (稲 記)