【 小貝川の野焼き 1月23日】
小貝川は栃木県烏山市の小貝ケ池から関東平野を南流し、茨城県の取手市と利根町の境界で利根川に合流する、全長112キロメートルの河川。利根川の支流では鬼怒川に次いで2番目の長さです。野焼きの場所は常総市の水海道駅から徒歩15分程の小貝川右岸の河川敷です。
主催者挨拶 |
小貝川の野焼きは、地元の水海道自然友の会を中心に茨城県自然博物館などの協力で、昭和61年から行われています。この日は青水の会員、会友9名を含む総勢約60名ほどが午前9時に河川敷に集合。主催者挨拶に続いて作業内容や注意点の確認がありました。
その後、参加者は熊手やレーキ、刈払い機を使って防火帯を整備に汗を流しました。そしていよいよ火入れです。
野焼きは天候に左右されます。この日は風がほとんどない穏やかな天気で、火は中々広がりません。途中で消えてしまうこともあります。それでも背の高いヨシが密集して生えている場所では大きな火が上がり、熱風が押し寄せます。消火用のジェットシューターを背負った学生たちも気を引き締めます。
燃え残ったところ部分は枯れ草を集めて焼くなどしながら、順番に三ヵ所での野焼きを進めていきました。
【菅生沼の野焼き 1月24日】
菅生沼はヨシやオギが生い茂る232ヘクタールの湿地で、約五百種の植物が生育していますが、ここでもタチスミレなど十八種の絶滅危惧種が確認されているとのことです。
これらの絶滅危惧種を救うには、草刈りや火入れなどの人為撹乱が必要であり、そうした稀少種を将来にわたり維持してゆくことを目的として、茨城県自然博物館を中心に地域住民や関係者によって野焼きが行われています。菅生沼の野焼きには青水会員2名が参加しました。
【理窓公園の湿地創出 2月14日・21日】
利根川と江戸川を結ぶ利根運河は、明治時代に開削された日本初の西洋式運河です。都市部に残された希少な生物の生息場となっていますが、現在、周辺自治体や有識者、市民団体等でつくる利根運河協議会により、自然や歴史と調和した美しい運河空間を目指す「利根運河エコパーク構想」の実現に向け、様々な取り組みが進められています。
昨年から始まった千葉県野田市・理窓公園での湿地造成は、この遠大な「利根運河エコパーク構想」の一環として、理窓公園のある東京理科大学や東邦大学等により、取り進められています。
昨年造成された二つの池は、理科大生、東邦大生によってそれぞれ「つるまつ池」「うおまつ池」と命名されていました。つるまつ池の「つる」は、コウノトリのことです。今回はうおまつ池の隣に二十坪程の水田型湿地を造成します。
まず14日は、対象区域の草刈りと用水路の掘削、浚渫作業です。青水からは5名が参加しました。
この日は前日からの悪天候を考慮し、集合時間が9時から10時に変更。まず教室で作業の目的と内容の説明、確認が行われ、11時くらいから現場に移動し作業を開始しました。この日は全国で春一番が観測され、昼前には太陽も復活し気温も上昇。草刈りの後は泥掻きの作業となりましたが、長々靴や胴長をつけた学生たちが、汗まみれ泥まみれで作業しました。
用水路に溜まった泥をショベルで掻き出そうとしても、牛蒡のような根っこが蔓延っているのが邪魔で、上手く掘れません。ショベルの先で根っこを切断してやっと掻き出すと、泥が体や顔に跳ねてきます。
21日は、いよいよ本格的な水田型湿地の造成です。青水からは4名が参加しました。
スコップで湿地にする場所の土を掘り返し、畔を築いてゆくとともに、湿地までの用排水路を切り開いてゆきました。ここも太く丈夫な根っこが張っており、スコップを駆使しながらの泥と根っことの格闘のようでした。
また、作業区域に面して散策路がありますが、その下に四五メートル程のコンクリートの土管が埋めれ、水路とつながっています。その土管の中に土砂が溜まっているため、水の流れがスムーズでないようです。そこで両側から竹の棒でゴシゴシと土砂を扱きだしてゆきました。
最後に土のうで水路の水位を上げ、湿地型水田に水を引き入れて、作業は終了となりました。
理窓公園水田型湿地の情報は下記のブログを御覧下さい。
http://toneunga.blog.so-net.ne.jp/ 「理窓公園の観察日記」
利根運河エコパーク・利根運河協議会にいては、下記のサイトをご覧下さい。
http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/edogawa00183.html
近い将来に、理窓公園の湿地にコウノトリが舞い降りる姿を見ることができるかもしれません。利根川流域全体にこのような活動が広がってゆけば、本当に素晴らしいですね。
(稲 記)
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