2016年7月16日土曜日

7月活動報告 ー写真の奥深さを学んだ1日ー

2016年の7月の活動では「上ノ原の賑わい撮影会」を初めて企画・実施しました。
米山さんの報告に車座講座の分を追記しての実施報告です。      草野


7月9日(土)の日中には、藤原在住のプロカメラマン、夏目さんの指導を受ける「上ノ原の賑わい撮影会」を開きました。あいにく雨のそぼ降る中でしたので生き物たちの賑わいは期待に及びませんでしたが、上ノ原のススキ草原からミズナラ林を巡るコースを歩きながら約3時間にわたって、3人の参加者へ写真撮影の基本を教えていただくことができました。夜には、引き続き夏目さんによる写真撮影講座が約2時間にわたって開かれ、撮影会に参加できなかった人たちも加わって、写真の奥深さを学びました。充実した指導の内容に参加者からは、「カメラの機能を全然使っていなかった」「もっと考えて写真を撮ろうと思った」など、今後の写真撮影に向けての意欲に満ちた声があふれていました。

 

指導された内容のポイントを、いくつか以下に記しておきますので、ご参考に。

①撮影に当たっては、写真の構図をよく考えることが大切です。

・狙った被写体を中心に置いた「日の丸写真」はできるだけ避けましょう。被写体の位置を上下左右にずらすことで、印象の違う写真になります。ピントを中央で合わせるカメラが多いですが、狙った被写体にピントを合わせた半押し状態でカメラを動かせば、ピントの合った被写体を中央からずらすことができます。

 

・狙った被写体だけを撮るのではなく、その手前や奥のものも写し込むことで、写真に立体感を生み出すことができます。1枚の写真の中に、何層かにわたる被写体が写った構図も考えてみましょう。

 

②撮影の際は常に露出補正を意識しましょう。

・白や黄色の花など、白っぽい被写体はそのまま写すと色が飛びがちになります。カメラには露出補正機能が付いています。これをマイナス側に補正してから写すと効果的です。

・逆に黒いもの、影になった部分などを映す際にはプラス側に補正すると良いでしょう。

③条件を変えながら、たくさん撮影し、できるだけその場で確認しましょう。

・撮影した画像を液晶画面で確認することは、多くの人がやっています。構図や露出は写真のイメージを大きく変えます。どういう状態が適切かは、撮影した画像を見ないと、なかなか判断できません。条件を変えながら、たくさん写してその場で見て、自分なりのノウハウを身に付けていきましょう。フィルム写真の時代はお金もかかるし、現像しないと画像を見ることができませんでした。でもデジカメ写真なら、それができます。

・その際には、再生画面で狙った被写体を拡大して見て、きちんとピントが合っているかどうかも確認しましょう。色や明暗の調整は、後から画像処理ソフトですることもできますが、ピントの調整は後からではできません。確認してピントが合っていなければ、その場で撮り直せばいいのです。

④望遠をうまく使ってスナップ写真を撮ろう。

・人物と背景を合わせたスナップ写真を撮るような場合、背景の大きさに合わせると人物が小さくなってしまいがちです。そんな時は望遠レンズ(光学ズームでも可)を使えば、人物に対して背景が迫ったような形の写真を撮ることができます。圧縮効果と呼ばれるものです。

⑤光をうまく使いましょう。

・写真は、光が正面から当たっている順光で撮るのがよく、逆光で撮ってはいけないと思っていませんか。夏目さんはむしろ、逆光で撮ることを心がけているそうです。

・順光は被写体がどちらかと言えば平板になりがちです。それに対して、逆光では輪郭がくっきりするといった効果が得られたり、少し光を通す木の葉などは透過光による美しい効果が得られます。

・森の中の明るい場所をスポット的に利用して構図を考えることで、魅力的な写真を撮ることもできます。

 

⑥カメラの絞りとシャッター速度、そして感度も意識してみましょう。

・カメラをオート設定にしておくと、カメラがこれらを決めて、適正露出と判断した状態で撮影されます。しかし露出以外にも、絞りは被写界深度に、シャッター速度は被写体の動きの有無に、感度は画質の粗さに関連してきます。よりハイレベルな撮影を目指すなら、カメラを絞り優先やシャッター速度優先などの設定で使うことにより、適正露出の中でも、さまざまな撮影の工夫ができます。

 

写真説明

1)「上ノ原の水守地蔵」。地蔵だけを中央に置いて撮影するより、地蔵を少し上にずらし、ぼけてはいても植物の葉を手前に入れたことで、奥行きを感じさせる写真になりました。
 

2)「雨の山道」。手前に濡れた落ち葉、中ほどに傘をさした人物、奥に霧にけぶる木々という、3層構造を意識して撮影しました。
 
 

3と4)「トリアシショウマの花」。3は露出を自動設定のまま撮影。4はマイナス側に露出補正して撮影。4の方が白い花はくっきりと見えます。
 


 
 

5)「ヒメシジミの雨宿り」。逆光気味に撮ることで、透過光により美しく写し出された葉の裏に潜む蝶の姿が浮かび上がりました。
 

6)「森のステージ」。下を覆う草と、上からかぶさる木とがつくった緑のトンネルの向こうに、光が当たって少し明るくなった場所を見つけました。そこに立った人物を撮ってみると、印象的な写真になりました。


                                             以上、米山記

 その日の夕食後、ロッジ「たかね」の食堂のテレビモニターを使って昼間に撮った写真を題材に夏目さんの評価・改善すべきポイントなどを解説する車座講座を実施しました。カメラ・写真の基本も交えてサンプルを使ったわかりやすい解説は目から鱗でした。最後の写真はそれを踏まえて
ヤマアジサイを草野が撮ってみました。写真は奥が深いですね。

テレビモニターを使って解説
 
印象的な写真にするのは・・・
 
影が映ってしまいましたね!!

                                 
                                              草野追記
 

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