2010年11月1日月曜日

ヒトは果たして善玉キーストーン種たり得るか

―たかが10年、されど10年。10周年記念フオーラム顛末記―


●当塾10周年記念フオーラムを23日~24日とみなかみ町で開催、無事かつ盛況裡に終了した。2日間にわたり延べ150人をこえる参加者が、奥里山・藤原という暮らしの現 場で生物多様性について考えながら交流、茅刈り技術や山村文化伝承の場を持った。 新たに顔を出してくれた地元のご婦人方や町役場の皆さん、東京から馳せ参じた学生 諸君や家族連れ、そしてお猿さんたちも加わって正に「人と生き物たちが入り会う上ノ原」の賑わいだった。(写真下:茅刈り講習会の様子)



●茅刈講習会・検定会を実施した24日、念願の諏訪神社の茅葺屋根替え工事の今年度分が終了した。今回みんなで刈り取った茅350束(うち、50束は地元ボランテイアの働き)は全量、来年度の屋根替え用に地元に寄贈させてもらった。(写真下:傷みのひどかった表側がきれいになりました)

●翌25日の朝、上ノ原のフイールドには茅ボッチが静かに林立していた。

地元衆と役場関係者そして我々流域市民が入り会って賑やかだった前日までとは打って変わって、聞こえるのは十郎太沢のせせらぎと邯鄲の鳴き音ばかり。山の神・十二神さまも熊さんや蛇大将(地元ではマムシグサのこと)にも静かな日常が戻ったことだろう。(写真下:林立する茅ボッチ)

●同日、お世話になった地元衆とみなかみ町役場関係者へのお礼参りをした。異口同音に「遠路はるばる、しかも若者たちが大勢来てくれて嬉しかった」と感謝のお言葉をいただいた。少子高齢化の極みの限界集落、子供や若者たちの姿に接し歓声を耳にするのが何よりの喜びであったに違いない。

●生態系の多様なつながりの中で要石の役割果たしている種をキーストーン種というらしい。かつて、里山はヒトが適切に利用することによって保たれてきた生態系であった。果たして、現代のヒトは破壊的、侵略的な種としての汚名を晴らすことが出来るのか。たかが10年されど10年といって、かつての入会の叡知を次世代につなぐ「流域コモンズ」形成を宣言した森林塾青水。10年後、ヒトは生き物の世界で外来種と同様の嫌われ者・悪玉になり下がっているのか、それとも善玉キーストーン種として尊敬される誇り高き種たり得るのか。それは、大げさにいえば我々の実践力にかかっている。そんなことを考えさせられた10周年フオーラムであった。(清水)

2010年10月27日水曜日

草原再生フォーラム終了


23日24日にみなかみ町藤原でおこなわれた草原再生フォーラムは無事終了いたしました。
参加者の皆様ありがとうございます。楽しんでいただけましたか。
スタッフ及び行政、地元の関係者の皆様お疲れ様でした。
詳しいお知らせはまた代表の清水が投稿すると思いますので、そちらをご覧ください。
新聞などに掲載された内容がWEBで見れますので、お知らせします。

20101025 上毛新聞
 http://www.raijin.com/news/a/2010/10/25/news03.htm
20101025 朝日新聞群馬版
http://mytown.asahi.com/areanews/gunma/TKY201010250372.html
 
事務局 あさかわ

2010年10月13日水曜日

第三回東京楽習会開催


第三回東京楽習会が、9月26日(日)午前10時より、中央区の「女性センターブーケ21」の研修室で、会員会友他9名が参加して開催されました。この日の講師は、本会の幹事であり、日本大学大学院博士前期課程で生物環境科学を専攻する永野貴裕さんがつとめました。永野さんは現在、関東地方や富士、伊豆方面の草地や草原、茅場の実態調査に取り組んでいますが、楽習会では、「関東地方の野焼きの現状と課題」と題し、これまでの研究成果の一端を披露していただきました。
富士の朝霧高原や伊豆の大室山、稲取、箱根の仙石原、千葉の東金など、立地や行政、観光や住民、市民団体との関わりも様々な中で、現在も定期的に行われている野焼きの現状と課題について、実際のフィールド調査を踏まえた報告を下さいました。参加者からはススキや葦、湿地や乾燥地など、植物や立地の違いによる管理や火入れのあり方など、個々の事例について様々な意見や質問が寄せられ、充実した楽習会となりました。
最後に浅川事務局長より、青水の活動が日本自然保護協会より本年度の沼田眞賞に決定した旨、通知を受けたことの報告がありました。同賞は、自然保護と自然保護教育に関する研究または実践で優れた実績をあげた個人や団体を顕彰し奨励する賞であり、1月に授賞式と記念講演会が開催されるとのことです。(幹事 稲)

2010年9月22日水曜日

UENOHARA grassland

   第4回「コモンズ村ふじわら」は9月18,19日の両日、秋晴れの下で行われた。
18日ミズナラ林の伐採個所を踏査している時上ノ原の獣人カモシカと遭遇。
彼は私たちと一定の距離を保ちこちらを時々見つめながらゆうゆうとタニウツギの葉を食べていた。こちらも動かず絶好の被写体と写真撮影。そのうちやはり居心地わるいのか遠巻きに斜面を移動藪の中に消えた。その間7分ほど。このカモシカ君、「ほたか」と名付けておこう。
 
そしてもう一つの遭遇、19日の作業が終わる11時半ごろのこと、そろそろ幸新に移動して昼食と仕度仕掛けた時、一台の赤い車が広場に入ってきた。
出てきたのは男性の外国人。作業着姿の我々に興味をしましたのか流暢な日本語で「ここで何しているのですか」と話しかけてきた。日本語が話せるのならば問題ない。上ノ原のススキ草原の経緯、野焼きや茅刈り、屋根材として利用していることなどを話す。 
彼はM.Tという名前でドイツ人とのこと。M.Tさんは上ノ原の景色が気に入って何度も来ているとのこと。
そこに作業から帰ってきた塾長が会話に入り、青水の活動を説明して、会員勧誘のパンフを渡し、10月のコモンズ村ふじわらへの参加を促す。これらの説明になると流暢に日本語を操るM.Tさんでも理解は難しいらしく、英会話を駆使したりSさんの通訳を介しての会話となった。そして塾長曰く「ここの草原はただの自然の景色ではない、人と暮らしが関わった風景である」。この上ノ原草原の神髄が通じたことを願うとともに
青水の外国人会員第1号を実現させたいものです。M.Tさん連絡待っています。
一緒に上ノ原の風景を堪能しましょう。
   尾花振り すきすきススキ 迎えけり -GFO-

2010年9月20日月曜日

第二回東京楽習会開催



本年度第二回目の東京楽習会は、7月24日(土)午前十時過ぎより渋谷区神宮前の環境パートナーシップオフィスエポ会議室で、会員他12名参加のもとに開催されました。第二回目のテーマは「流域市民が支える利根川水源地の草原」。海老沢秀夫幹事・学監(森林文化協会グリーンパワー編集長)、浅川潔幹事(コミュニティデザイン代表)の二名を講師に、本塾が地球環境基金の助成を受けて昨年度実施した「多面的価値のある草原を持続的に保全する仕組みの構築」に関することを中心に学習しました。
調査報告書「多面的価値のある草原を持続的に保全する仕組みの構築(上ノ原ススキ草原再生・活用プロジェクト)概要版」をテキストに、まず海老沢幹事が上ノ原の社会地域調査と自然環境調査のあらましについてお話し下さいました。ススキ草原の歴史的変遷に関することや、生物多様性と外来種の問題に関することなどを話題として取り上げ、上ノ原ススキ草原の現状についての理解が深まる機会となりました。
つづいて浅川幹事が、ススキ草原の持続的な利用と管理の在り方を中心に、他の地域での様々な活動事例を交えつつお話され、上ノ原「入会の森」ススキ草原の再生と活用を起点として流域全体の「コモンズ」形成へとつなげてゆく構想についても提言がありました。
「草原再生セミナー」など結成十周年事業を間近に控え、森林塾青水の活動と将来への課題について相互に学びあう機会となりました。
(幹事 稲貴夫)