2017年4月15日土曜日

生態学会の集会で北山塾頭が発表しました。


   日本生態学会第64回全国大会(2017314日)で「草原再生における現状と課題‐研究者と市民の視点から‐」という自由集会が開催され、東日本各地の草原再生の事例の一つとして、北山塾頭から森林塾青水の事例が紹介されました。

この自由集会は、東日本で草原の再生・維持管理などを市民レベルで実践している団体に集まっていただき,それぞれが抱える問題点や課題のほか,うまく進んでいる状況などについても情報提供していただく場として企画されたもので、全10箇所の事例紹介がありました。

(詳しくは、岐阜大学津田研究室HP http://www.green.gifu-u.ac.jp/~tsuda/2017jiyushukai.htmlを参照ください)

全国各地の事例で問題点として多かったのはやはり後継者の問題でした。たとえば、菅生沼(茨城県)の事例では「行政や地域住民主体で活動できるシステムではないので,博物館が主導できなくなったとき保全活動の危機となる」との意見が出され、安比高原(岩手県)では「人口減、高齢化のため、地元からの参加が減少しつつある。都市住民の協力が必要」との指摘がありました。また、地域住民との意識の差の問題もあり、軽井沢(長野県)では「行政,会員,地域住民に,半自然草原の意味,草刈りの意義や成果などの情報が伝わっていない」との意見が出されました。

 このようにみると、全国の保全団体が持つ悩みは、結構似通っているものも多いのだなという印象を持ちました。そういう意味では、他団体と交流することで悩みや解決策の共有ができる可能性があるのではないかと感じました。

 北山さんの発表は、他の事例の発表とは異なり、「草原を守る」ことを主目的として考えるのではなく「草原を活用する」ということが主目的であるという発表内容でした。草原の生き物を守るには、その草原自体をどうやって活用するかを考えないといけませんし、森林塾青水や北山さんがこれまでずっと取り組んできたことはまさに、「草原を活かす」ことであったんだと改めて思い知らされる場となりました。
 

 

   私自身、もっと草原を活かすことを考えて、提案していきたいと思います。きっと、皆さんの頭の中にも、「草原でこんなことしたら楽しいんじゃないかな」というものがあると思います。そういった知恵をみんなで出しつつ、新しい草原の価値を上ノ原からつくっていけたらいいなと改めて感じた自由集会でした。
                                                                                             報告 増井

 

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