2015年4月7日火曜日

第14回定期総会が開催されました


第14回「定期総会」開催報告

承認された新年度活動計画

 新幹事に西村会員

皆さまのお力添えによって発足14年を迎えることができた当塾は、去る4月4日に 、東京都渋谷区の環境パートナーシッププラザ・セミナースペースにおいて、第14回定期総会を開催いたしました。昨年の総会で新執行体制が誕生して1年が経過し、この間、草野塾長を中心に「継続は宝」との思いで、みなかみ町での活動の充実を図りつつ、運営基盤の強化を図ってきました。今回、幹事団の大枠は変わりませんでしたが、新幹事に若手の西村大志会員に就任いただき、さらなる活動の充実を図ることとしました。皆様方には森林塾青水の活動に、引き続きお力添えを賜りますようお願い申上げます。新年度の顧問及び幹事・オブザーバーは次の通りです。

 

 塾長

草野洋:全般統轄

塾頭

北山郁人*:全般統括補佐、みなかみ事務所長(地元・みなかみ町役場ならびに支援企業との連携窓口、古民家再生・活用、フットパス整備・活用、麗澤フィールドワーク など)

 幹事

浅川潔:事務局長(企画・予算統括、「総会」「幹事会」、草原サミット ほか)

稲貴夫:情報宣伝・啓発(「茅風」編集長、東京楽習会、総会/セミナー)

岡田伊佐子: 婦人部代表(自然ふれあい学習、東京楽習会、総会/セミナー)

高野史郎:学監(麗澤中「樹木観察会」「奥利根FW」、自然ふれあい学習)

古高利男:コラボ/自然観察会「のらえもん」、フィールド利用・交流促進、流域コモンズ

増井太樹:事業統括(流域コモンズ・連携促進、生き物調べ、モニタリング1000)

西村大志:事業統括補佐(流域コモンズ・連携促進、生き物調べ、モニタリング1000)

松澤英喜:事務局長補佐(発信活動促進、会員管理、HP・ブログメンテ、「茅風」編集、「総会」「幹事会」、助成事業 ほか)

吉野一幸*:地元代表(地元の活動参画推進、NPO奥利根ネットワーク、まちおこし委員会、古民家活用・交流促進、古道フットパスの活用、地域貢献プログラム)

米山正寛:コラボ/森林文化協会、発信活動拡充、流域コモンズ

 
監事

林部良治:会 計(年会費、経理統括)

 顧問

原剛、安楽勝彦、笹岡達男、滑志田隆、清水英毅

 

オブザーバー / 相談役

木榑晴彦*:行政/みなかみ町役場窓口(観光課自然観光グループ)

林親男*:地元/「上ノ原運営協議会」窓口(藤原案内人クラブ)

川端英雄:発足時会員代表

*印はみなか町在住の役員です。

 

◆2015年度の主な活動計画・日程

総会では2014年度の事業報告並びに事業収支が承認されるともに、2015年度の事業計画並びに予算案が可決されました主な事業計画及び行事開催日は次の通りです。参加のご案内は、行事開催日の約一カ月前を目途にお送りいたしますので、ご予定を調節のうえ、ご参加をお願いたします。

 
活動日程はホームページに掲載しています。下記をクリックしてください。


◆会則(事務局住所)の改定

事務局(東京事務所)の住所変更に伴い、会則が改定されました。

新しい住所は、次の通りです。

千葉県浦安市高洲5-2-1-1011 コミュニティデザイン気付

                                                 報告 米山
 
                   掲載・文責 草野
                  
 
 

2015年4月6日月曜日

総会セミナー報告「ゆめは茅野を~琵琶湖の西の里山報告」


ゆめは茅野を~琵琶湖の西の里山報告」

           講師:海老沢秀夫氏(NPO法人麻生里山センター理事)

 

 講師は当塾の元幹事で、今は滋賀県琵琶湖西岸の高島市朽木地区で暮らしておられる。東京を離れてから2年間、地区の内外における活動の展開について、興味深い報告を受けた。

 

 

 朽木地区は、2005年に周辺の5町1村が合併して高島市となるまでは、朽木村という一つの自治体だった。車で琵琶湖まで約30分かかる山間の地であるが、若狭湾に面した福井県小浜市まで約45分、京都市街までは1時間半ほどの距離にある。かつては、若狭から京都まで荷を運んだ鯖街道の要衝として栄え、歴史上は海と山の文化が融合し合う地でもあった場所だ。

ここには、かつて講師が勤務していた朝日新聞社の森林環境基地「朝日の森」が設置されていた。基地の閉鎖に伴って市へ移管された森は現在、「森林公園・くつきの森」として市民に親しまれている。定年退職により東京での勤務を終えて朽木に帰った講師は、森の管理運営を市から委託された麻生里山センターの理事として、再びこの面積約150haの森を活動拠点とするようになった。

 朽木地区の植物相の特徴は、暖温帯と冷温帯の境界付近に位置するという立地から、日本海側と太平洋側の要素が入り混じった種の多様性の高さにある。ウラジロガシ、ヤブツバキ、モミなど暖かい地域の木と、ブナやシナノキ、ナナカマドなど寒い地域の木が一緒に生えている景観は、他の地域ではなかなか見られない。

かつては、こうした野山が薪炭林(カナギ山)、アカマツ林(マツ山)、スギ林(天然山)、肥料用採草地(ホトラ山)、ススキ草原(カヤバシ)といった用途ごとに場所を分けて利用されていた。くつきの森も、古い航空写真などを見ると、多くが草原として利用されていたようだ。やがて、草原や周辺農地にはスギが植林されるようになり、今では十分な手入れの行き届かないまま放置されたスギ人工林が目立つようになっている。くつきの森では、こうした人工林をもう一度コナラやクヌギの雑木林に、あるいは草原に戻すことを目標に、森の再生、利用にも取り組んでいるという。

ただ、全国的に問題となっているシカによる植物の食害は、こうした取り組みの阻害要因として無視できない状態にある。人工林の伐採跡地には、明るい環境を求める多くの植物が入ってくるが、食害を受けた結果として、シカが好まないアセビやワラビ、ススキなどの植物ばかりが残っている。本来豊かな植物相が成立する土地に、単調な植物相が現れてしまうのは、生態系被害と呼んでも間違いではないだろう。樹木も、明るい環境を好む陽樹の中でシカが食べない種類が優占的に繁茂しており、特に中国原産の外来種であるニワウルシが目立つようになっている。

こんな中で、講師の言葉を借りれば、地区の人々はみな今や「シカ戦争」に「徴兵」されている状態にある。被害対策として農地にフェンスを張るようになったが、資材は行政から提供されても設置や日常の管理は全て集落ごとにやらねばならない。講師が住む戸数10戸の小さな集落では、80歳代の古老を先頭に協力し合って作業を進めている。また、集落の各戸には組頭や井係、会計などの仕事が回ってくるほか、用水路の掃除や水道水源の管理なども協力して実施している。そんな中で、集落内の耕作放棄地を野焼きしたり、刈り取った茅を雪囲いや箒に利用したりと、新しい動きを演出することに、ちょっとした楽しみを感じているのが、講師の日常であるようだ。

 

このほか、2年前に東京から朽木まで中山道を歩いて戻った講師がこだわっているのが、各地に残された古い道をたどる活動である。NPOで働く仲間と結成した「朽木フットパス研究会」は、琵琶湖一周をはじめ、村内の古道や日本海側と太平洋側とを隔てる分水嶺の道の踏破などに挑戦を続けている。その延長線上の活動として、村内にある「信長の隠れ岩」など伝説の地を訪ねる散歩マップの整備にも乗り出したそうだ。さらには四国八十八カ所、熊野古道の巡礼も手掛け始めており、今後は韓国・済州島オルレ(「家に帰る細い道」の意味)のようなコースをめぐる海外遠征も目指すのだという。

「森林塾青水と藤原でやったことをなぞっているだけ」と謙遜して語った講師ではあったが、幅広く地域に貢献する活動を2年のうちに積み重ねてきた実践報告に、多くの参加者が驚きを覚えながら聞き入った。(まとめ・米山正寛)
 
                                             文責 草野

 

2015年3月19日木曜日

3月プログラム「豪雪の藤原の冬を楽しむ 雪原トレッキング・ボタづくり体験」

本年度最後の行事は、草野塾長以下会員、会友七名が参加。


一日目は古民家の雪ほりの前に倉庫の雪ほりをしました。雪原トレッキングで使うスノーシューやかんじきなどを格納してある倉庫が、雪に埋まっているためですが、30分ほどでシャッター前と道路側を除雪し、用具を取り出しました。一汗かいたので、昼飯も美味しくいただけました。

← 堀った雪を運搬
 

昼食後は、古民家の雪ほりです。
玄関のある正面は雪が軒先まであり、一部は屋根まで繋がっています。軒下には雪囲いがありますが、ガラス戸に雪が迫っています。正面玄関側をスコップで掘りながら、ほり出した雪を道路側まで運びたすという作業を続けました。
古民家と離れの間に溜まった雪は、二、三メートル飛ばさなくてはなりませんが、鰹の一本釣りのようにスコップを振り上げて、雪を放り投げる離れ業も登場しました。約2時間の作業で正面の雪を除けて中の様子を確認し、雪ほり作業を終えました。
一、二、の 三で雪を飛ばす


その日は夕食後、宿で草野塾長による車座講座です。
同日程で藤原を訪れていたのらえもんの子供たちも参加して、プロジェクターによる画像や、トチなどの冬芽の実物を見ながら冬芽観察のポイントを学びました。











↑ 大幽への案内板                          
 大幽までの最後の急坂↑
    
二日目はいよいよ雪原トレッキング。途中、樹木の冬芽を観察しながら雪原を歩きました。大幽洞窟までの最後の50メートルは急な登りですが、最後の力を振り絞り、出発から約二時間の行程で到着です。たくさんの氷筍が、神秘的な姿で我々を待っていてくれました。


 

 

青水のメンバーは全員が雪原トレッキングに参加。郷土料理の「ボタ」は、のらえもんの皆さんに作っていただいたものを美味しく頂戴しました。味噌と胡桃のバランスが何とも言えませんでした。

←洞窟内の神秘的な氷筍








← 雪に覆われた上ノ原
藤原には三月に入っても2メートルを超える雪があります。それが少しずつ融けて、下流に住む人々の暮らしを支えています。冬の藤原も、雪原トレッキングも初めての経験で、期待と不安が織り交ざった二日間でしたが、様々な発見がありました。メンバー及び藤原の皆さまに感謝いたします。
(稲 記)

2015年2月20日金曜日

流域連携や流域コモンズは実践で・・・


森林塾青水は、利根川つながりでの流域連携「流域コモンズ」を目指して活動しています。

もちろん、メインの活動は、利根川水源域のみなかみ町藤原上ノ原の茅場とミズナラ林ですが、その活動趣旨を水源域から発信して同じ上中下流が連携して環境保全活動を継続した大きな力にしていくという趣旨の旗を活動方針の中で掲げています。

このことは、2013年の「全国草原サミットinみなかみ」の中でも水源地帯や草原の恵みを享受するには上下流連携が重要であるとするサミット宣言が採択されました。(http://commonf.net/9th.sogen/99_blank002.html)。

しかし、その理念は分かっていても実践となると正直言って難しく、これまで、これといった形に残る実績はありませんでした。

ところが、昨年ごろから利根川下流域の団体とのつながりの足がかりができ、今年もそのチャンネルが増えています。

そのひとつが青水の会員等に案内して小貝川、菅生沼の野焼きに参加していることです。今年は、1月24,25日両日とも10名が参加しました。主催者の西廣先生や小幡さんは上ノ原の野焼きを応援いただいています。
(詳細は当ブログ http://commonf.blogspot.jp/2015/02/blog-post.html)。

2015/1/25菅生沼の野焼

小貝川、菅生沼に加え今年は、東京理科大の理窓公園での湿地再生にも2日間述べ10名が参加しています。

この活動は、40年間放置されてきた湿田を再生してナマズやウナギなどの魚類や水生昆虫などの生息地を作ろうとするもので、将来はコウノトリの放鳥も視野に入れ、利根川運河との魚道の設置も計画されています。

1日目は、刈払い、2日目は、掘り起しを行いました。私たちにとって初めての経験でかなりな重労働でしたが、その明確な目的達成のために作業をする学生さんとの共同作業を楽しく行いました。
 
 
2015/2/8 刈り払

2015/2/8参加者の皆さん

2015/2/15 水を張った完成した湿田

このような活動の際にはできるだけ、「飲水思源」のマーク付きの青水メットをかぶって参加して塾をPRするようにしています。
飲水思源マーク付きの青水メット

 このほか、東洋大学の学生のフィールド受入れもあって、流域連携が形になりつつあります。

このように、流域連携や流域コモンズというスローガン的なものは、あまり、大上段に構えずに、一つ一つの実践として形にしていきたいと考えています。
 
 
                                文責 草野
 

2015年2月5日木曜日

小貝川と菅生沼の野焼き

小貝川の野焼き

  本年度第三回東京楽習会は、昨年に引き続き、1月24日に開催された「小貝川の野焼き」に参加しました。
  地元茨城県水海道市の「水海道自然友の会」が主催し、青水でもおなじみの茨城県自然博物館の小幡先生、岐阜大学の津田先生、東邦大学の西廣先生をはじめ研究者やボランティア団体等の支援、協力により、タチスミレやヒメアマナ等の草原固有の植物を保全することを目的に毎年開催されています。今年の参加者は約七十名で、森林塾青水のメンバー十名も加わり、レーキや熊手を使って防火帯の整備に汗を流しました。
  今回も昨年と同じ場所三ヶ所に火を入れました。野焼きの二日前の雨が降り、燃え具合が気になるところでした。丈の高い茅が生い茂る一カ所目は、風の具合で燃え残りも出ましたが、比較的良く焼けました。二カ所目、三カ所目は火のまわりが悪いため、燃え残りの草を刈り集めて火を入れ、草地の保全が図られました。


菅生沼の野焼き
  翌25日、茨城県自然博物館が稀少植物の生育環境を守るために、博物館の立地する菅生沼で実施している自然観察会「野焼きがタチスミレを救う」にも、青水の有志が約140名の地元関係者やボランティアとともに参加しました。

 野焼きの意義や実施方法、同時に行う火入れ地の温度測定実験について、前日の小貝川でもお世話になった小幡さん、津田さんよりレクチャーを受けるとともに、全員で防火帯の整備や周辺の清掃を行いました。そしていよいよ火入れです。現場は十文字状の防火帯で四カ所に区切られ、順番に火を入れてゆきました。

  この日も風の穏やかな晴天で絶好の野焼き日和でした。雨の影響も余り感じられず、火は順調に燃え広がってゆきました。途中で風が変化したためか燃え残しが出ましたが、そこは手慣れたもので、残った草を刈り払った後に再び火を入れ、目的を達成しました。野焼きはお天気任せの部分が大きいですが、前日は雨と湿り気、この日は風との関係を実感しました。






尚、自然博物館では5月17日に、野焼きした場所でタチスミレなどの生育状況を観察する行事を開催するとのことです。案内は博物館のウェブサイトに掲載されますのでご覧下さい。                                                              
(茨城県自然博物館http://www.nat.pref.ibaraki.jp/index.html)  
 (稲 記)