薄根川との合流点付近を流れる利根川(前橋市)
まず、川の名称について、利根川の語源についての定説はないものの、アイヌ語で巨大な谷を意味する「トンナイ」、あるいは「とがった峰」から来ているなどの諸説の紹介を皮切りに、一般的な川の命名法の類型についても解説いただきました。具体的には、動植物型、数字型(例:四万十川)、鉱山型(例:銀山川)、人体型(例:耳川・手取川)、対照型などがあり、珍しい例として、人名型(かつて伊予川と呼ばれていたが、河川改修の功労者の人名に改称された愛媛県の重信川)、珍名型(アイヌ語で魚の棲まない川を意味するヤンケナイが語源の夕張川支流のヤリキレナイ川)など、川の命名には様々な方式があるとのことです。
埼玉県旧妻沼町での四つ手網漁
また、映画「フーテンの寅さん」第一話の冒頭で、寅さんが都心からではなく、江戸川を矢切りの渡しで超え柴又に帰ってくるシーンに触れ、名場面を演出する、川の持つ特別な意味についてもお話いただきました。
矢切の渡し
最後に、力士の四股名から、「○○川」が消えていったのは、海や山以上に河川をめぐる自然環境が荒廃してきたことの証であるとの問題提起をされ、故郷の誇りとしての川の復権に向けて、自然の回復や船運の復活などを通した人間と川の関係回復について提言をいただき、講演を終えました。写真は、当日の資料として提供いただいた30点の写真の一部です。 (幹事 稲)
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