2014年12月20日土曜日

第10回全国草原サミット・シンポジウムin阿蘇報告

1122日〜24日にかけて阿蘇で第10回草原サミット&シンポジウムが開催されました。

 1日目はエクスカーションで、約60名が草千里の見学、展望台前の杉林を伐採し草原にもどしたおかげで眺望が良くなり、雄大な阿蘇の自然の中でも、裏千里の草原がある風景は絶景でした。その後、急傾斜の草原で輪地切りの作業現場を見学、15年以上活動している経験豊かなボランティアが作業をしていました。阿蘇の輪地切野長さは350キロ、なんで続けているのかと言う質問に達成感があるからと答えていました。夜峰山から見る景色もすばらしかったです。

 最後に外輪山に移動してススキで作った小屋、草泊まりを紹介していただきました。阿蘇は外輪山の上に草原が広がっているので、草刈りの時期に下の集落から10キロ通うのは大変で、一家でこの草泊まりに1週間くらい寝泊まりしたそうです。竹で骨組みを作り、茅を編んでできている草泊りは、ちゃんとつくれば2年くらい持つそうで、最近は子供たちと草泊り体験などをおこなっています。

2日目はシンポジウムで、基調講演・事例報告・分科会などがありました。最初に宮崎大学の西脇亜也先生による基調講演で「草原が持つ公益的機能と経済的価値について」話を聞きました。大変わかりやすく話をしていただき、茅の利用については、季刊地域の記事も使って紹介していました。
 事例報告では、阿蘇中央高校の学生が「草原プロジェクト阿蘇の草原文化を未来へ」について、農業環境技術研究所の楠本氏が「茶草場草地における茶生産と生物多様性」、秋吉台草原ふれあいプロジェクト松井氏が「秋吉台の草原を次世代へー観光と保全の両立を目指してー」の事例を紹介してくれました。茶畑でススキをマルチに使うと、データー解析されていないがなぜかおいしいお茶ができるそうです。

午後は5つの分科会に分かれてディスカッションでした。私は、第2分科会「草原を地域の宝として輝かせる」に参加し、阿蘇で野草に牛糞を混ぜて堆肥化し、その堆肥を使ってブランド化した野菜栽培の紹介、野草を刈って飼料にする取組みや、神戸の茅葺き職人が茅葺きの家を市民に親しめるように音楽会などのイベントと絡めた事例や、住宅地の横の茅場などの取組みを紹介してくれました。
 続いての全体討論会では、各分科会からの報告、第1分科会は草原の公益的機能と経済的価値について」、阿蘇の草原が全国の二酸化炭素の16%を根や土壌に固定できるとか、草原の経済価値として熊本県民より阿蘇住民の方が高く、全国の草原でも経済価値評価し、農畜産業に還元していきたい。
第3分科会は、幅広い市民運動としての草原保全活動と地元との連携」ボランティアがどうして継続的に活動しているのかというと、団体の熱意、参加する事による達成感、充実感、人と自然との交流など、ボランティアも高齢化により後継者づくりが必要みたいです。阿蘇は千年委員会という募金活動の支援団体があり、第一次は熊本、第二次は福岡の経済界にお願いしています。全校で草原100を選んでその草原再生を支える応援団が必要です。

第4分科会は、「火入れの安全性確保について
幹事の増井さんが全国の火入れの状況について説明し、火入れ自治体アンケートを紹介、事故はないが危険性を感じたが30%、安全体制が必要50%、阿蘇の事故後、半年ボランティアの活動を休止し、安全対策会議を10回くらい行ない、ボランティア安全宣言を掲げた。・危険性について全員が認識する・危険性が高いので研修会、防火帯、装備品の準備・地元とボランティアが協力して、先人の貴重な財産を守る。損害賠償保険や難燃性の作業服を紹介されたようです。
第5分科会は「2回全国子ども草原サミット」ふるさとの草原は宝の山、ぼくたち草原まもるモンを開催し、阿蘇が2校、大分、山口、広島から小学生がそれぞれの活動を報告し、阿蘇宣言を発表しました。北広島の意思を引き継ぎ、ふるさとに草原を持つ子供達が・美しい景色や大切な着物をまもるたね自分たちのできること・草原の良さを多くの人たちに伝える・地域に草原を持つことにより誇りを持つ
これからの担い手である子どもたちから、大変積極的な意見も飛び出し、会場の参加者からは大きな拍手がわき上がりました。
そして最後に全国草原シンポジウム阿蘇宣言が読み上げられました。阿蘇宣言には、「草原の有する公益的機能の経済的価値」を明らかにし、「残したい日本の草原100」の選定に着手、草原を「国民の共有財産」として位置づけ、などが盛り込まれていました。
夜の交流会では、各地からの参加者と懇親が計られ、草原の話題を中心に多いに盛り上がりました。
最終日は草原サミットの開催です。14の市町村の首長が一堂に会し、最初に前回草原サミットの概要をみなかみ町長が報告し、次に高橋さんが前日のシンポジウムの報告と問題提起、その後各自治体の取り組みや課題などを紹介したあと議論をされました。
10回全国草原サミット「阿蘇宣言」では、草原の維持管理を安全強化に行い草原を再生に取り組む、次世代へ繋ぐため草原学習を通じた教育振興、草原の維持保全のために地域資源を活かした地域活性化に取り組む、残したい日本の風景「草原100選」の制定、自治体との連携強化のため全国組織の推進と充実化、の5つの提言が宣言されました。

テーマである「守りつなごう草原の恵み!おとなも子どもも!」が実現し、多様な恵みある草原の価値が高まり、次世代へ引き次がれることを願ってやみません。
 今回は、阿蘇くじゅう国立公園指定80周年記念も兼ねているからか、環境省の職員が10名くらい参加していました。やはり阿蘇は日本の阿蘇ですね。
サミットが終わった翌日25日に阿蘇中岳が噴火しました。サミットに刺激を受けたのか?
                                        浅川潔


2014年12月1日月曜日

定例活動報告⑥ 茅刈&茅刈検定 刈って、縛って、抱いて 立てた、茅ボッチ80騎が上ノ原に・・・

森林塾青水の本年度第6回の定例活動、一般参加歓迎プログラム「茅刈」を1025日、26日に実施しました。
 当日は、一面青空の秋日和、上ノ原周辺の紅葉は、紅、黄色、橙、緋 緑が織りなす錦秋が真っ盛り、地元の人に言わせても今年は今までにない美しさとのこと。私もこれまで何年も見てきましたがこんなに素晴らしい紅葉は初めてでした。
天気、紅葉に恵まれた幸せな参加者は、会員・一般参加が40名、のらえもんグループ20名、東洋大学生12名、役場・地元協力者10名の総勢82名となりました。
 今回も、無料バスが運行され、初参加者が10名を数えました。また、前回までの初参加者のリピーターが10名程参加していただきました。
 
 
 
錦秋の上ノ原ミズナラ林
 
幸せな気分


  初日は、北山塾頭のMCで、はじまり、塾長、地元区長さんの歓迎のあいさつの後、「飲」 「水」 「思」 「源」に班分けされた参加者は、地元古老の林親男さん、林三郎さん、阿部惣一郎さん、町田工業の神保さん、冨沢さんを師匠に、それぞれの持ち場で鎌の研ぎ方から刈り方、伝統的な束の結わえ方、ボッチの立て方の講習を受けた後、茅刈りを開始。しばらくするとススキ草原のあちこちからザック、ザックと鎌音が聞こえてきました。

鎌の研ぎ方指導

鎌音がザック、ザックと聞こえるようです



草原のススキは眺めているだけでも心を打つ風景としてよいものですが、これを刈って、抱えて、縛って、抱きついて、立たせてボッチを作っていきます。そしてその硬さ、強さ、しなやかさ、重さ、においを体感します。こうして作った茅ボッチを世に出せば神社や重要な伝統的建物の屋根萱として役に立つのです。この日は、初霜もあったようですが刈り始めると汗をかくほどになる絶好の茅刈り日和となりました。

イタヤカエデの紅葉


本日のお宿は料理に定評がある「とんち」飲水思源の班分けは、昼・夜のお互いのコミュニケーションを深めようと部屋割りと同じにしたためか、初参加の方から始まった交流会も大盛況でした。

2日目、希望者は茅刈り検定をうけ、それ以外の方は昨日に続き茅刈りです。
 検定のポイントなどを説明して希望者を募ると昨夜の勧誘が功を奏して19名の方が申し出ました。 
受検者はそれぞれの班の師匠から検定されます。アシスタントが鎌の音、腰つき、縛り方、出来上がったボッチの姿などを師匠に尋ねて採点していきます。この検定は、安全性、技術性、芸術性が求められる(採点基準は別添)もので世界に唯一と自負しています。
師匠は優しくても見る目は厳しい

抱いて

立てる 「飲水思源」

武尊を眺める茅ボッチ2騎


初日には気楽に取り組んでいたものの検定となると皆さん真剣そのもの、ある受験者は、「いや~ ついついはまって、時間や太さが気になって、においなど味わう暇がありませんでした。もっと楽しまないといけませんね、競争社会で生きている性ですかね。自分の普段の生活を見直すきっかけにもなりますね」との感想をもらしていましたがこれも茅刈りの効用ですね。

 悪戦苦闘した1時間、結果は、17ポイント中、最高点が15ポイント、茅刈士補に三好さん、西村さん、南野さんの3名、茅刈士心得が12名となり、それぞれ称号を与えられました。これで2010年、の3名、2011年の2名と合わせて8名の茅刈士補が誕生しました。

 やはり、難しいのは1時間に2ボッチを造ること、伝統的な草縛り、ごみ(雑草)の混ざらない美しい姿の茅ボッチを造ること、ボッチの立て方が難しかったようです。ある師匠がおっしゃったコツの一つ、「束を結ぶとき、茅束の腰にあたるところより上でしばるとうまく立てることができる」とのことです。

みなさんの成績は認定書として1か月後ぐらいにお手元にお届けします。

 こうして、2日間にわたって皆さんが上ノ原に立てた茅ボッチは80ボッチ(400束)となりました。これらは11月の活動日に道路まで引き出し、ストックしておいて屋根萱に使います。どこかで第2の人生を送る茅ボッチにお目にかかれるかもしれません。

 燃えるような素晴らしい紅葉の中で行われた茅刈・検定は盛況裏に終了しました。皆さんご苦労様でした。

 
 
諏訪神社の屋根萱も上ノ原の茅ボッチで葺き替られた


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この2日間の茅刈風景に感化され「上ノ原茅ボッチ小唄」をつくりましたので次のブログに掲載します。まだよく練れていませんがどなたか曲をつけていただけませんか。

                                               文責「草野」             

 

このブログは10月中に掲載したのですが、いつの間に消えていましたので再現したものです。

 


 
 

2014年11月29日土曜日

茅ボッチ運びだして雪ヒラリ

11月15・16日の定例活動は、10月に刈り取った「茅ボッチ」の運び出し作業を、15名の会員、会友が参加して実施しました。初日は雪が降る中での作業となりましたが、それだけに参加者にとって忘れ難い経験となったようです。

二日目はすべての作業を終えた後、一年間の感謝の気持ちを込めて「山の口終い」を行い、今年のフィールドでの活動を終了しました。会員から寄せられた感想をご覧ください。
(2014.11.29 稲貴夫記)

           茅ボッチ運びだして雪ヒラリ

街中とはえらい違い。粉雪がふってきた。3週間前の茅刈りのときには抜けるような青空、
あったかい上ノ原だったのに。車が停まった原っぱの入り口で、萬枝さんが焚火を焚きつけている姿が見えた。まだ、赤い炎がみえず白い煙が少し。雪のせいでいつも柔らかな稜線をみせている
須原尾根もはっきりせず、もちろん上州武尊山の頂も。

焚火に近寄る。太い枝の下から炎がチロチロしている。濡れた枝、さむい中での火おこしは時間がかかるようだ。でも、ふだん見る焚火とは感じがちがう。薪は井桁に組まれるのがふつうなのに、萬枝さんは薪を平行においている。太さ15~20cm、長さ1m程度の細い丸太を上に積み、もえやすい小枝などが下にあってそこから炎が出ているようだ。どうやら、風は一方向に流れやすいとの、生活の知恵とみた。あり合わせのうちわ様のもので煽ぐと、すぐに大きな炎が丸太のあいだから吹き出してきた。

萬枝さんから、ボッチを運び出すための縄かけ方の指導を受ける。萬枝さんはムダ口を叩かない。腰縄にぶら下げた縄の1本をとり、その縄を坂の方向と垂直におく。「おいた縄が、ボッチの下端から50cmくらいの高さになるよう、ボッチを横たえるんだ」と。左膝でボッチを押さえ、左手で手前の縄を持ち右手でボッチの向かい側の縄を持つ。捻じる。たしか、2回程度だったと思う。よじった縄のそれぞれを固くまいた縄の下を通して、結ぶ。「結び方は一重で充分」と。雪がふり続いている。
草原のあちこちに散らばって立っているボッチに縄かけをし、眼見当で1ボッチ30kgくらいありそうな茅束を2ボッチ、あるいは1ボッチを肩にして、運搬車がとおるところまで引きずりおろす。起伏があるので下り坂一方ではないところもある。ボッチを下してまた、ハアハア息をつきながら散在するボッチを求めて坂を上る。傍目には、ソルジェニーツイン(ロシアの作家)の「イワン・デ二―ソヴィッチの1日」に出てくる囚人のように見えるだろう。仲間内で‘収容所列島だな’と笑う。

ボランティアの作った茅ボッチと、地元古老たちの作った茅ボッチは、重さも結束の固さも、ボッチ内の空間の大きさもまるで違う。それは、ボッチを肩に載せて実感する。工場生産の商品群の中で生活している我が身にとって、身体を使った仕事や手で物づくりをするのは、まさに千載一隅の機会(千載一隅のような4字熟語も若い世代には縁遠い時代かも)。いま、あらためて肉体労働のありがたさを知る。あけっぴろげな上ノ原の空間で、細胞活性化をしみじみと感じる。立って食べている弁当の中に、雪片がヒラリと舞いこむ。まだ、雪はふり積もる。
(川端英雄記)

茅出し後のオプショナルツアー 沼田から片品へ

11月の雪の中での茅出し終了後、16日、上ノ原の雪景色に別れを惜しみ、オプショナルツアーに出発しました。

途中、上毛高原でもう一人の参加者O島さん、2日間案内をいただくK井さん、と合流し、F岡夫妻も途中までどうこうということで一行8名は、日本ロマンチック街道(国道120号線)を片品方面へ向かいました。
 

最初の訪問場所は、たくさんの種類が並べられたゆば処町田屋です。ここで枝豆豆腐やワサビ豆腐食の試食にあずかりそのおいしさに帰路にも立ち寄りお土産に買うことにしました。

次に訪れたのは、利根沼田の銘酒「左大臣」の酒蔵「大利根酒造」です。ここは今日のメインです。大事な会合を私たちのために早めに切り上げて駆けつけ説明して下さった阿部社長の軽妙な語りに日本酒とその醸造技術の素晴らしさがわかりました。酒蔵の主人の日本酒の飲み方は「純米酒を館で、和み水を飲みながら味わい、量は2合まで」とのこと、うーん!参考になりました。




そして、今夜飲む酒とお土産の酒を購入した一行は宿に向かいました。
この日の宿は、片品村花咲のロッジ大品です。夕食前に花咲温泉「花咲の湯」で疲れた身体を癒し、冷えた身体を温めました。この温泉には、大学生が大勢が合宿で訪れていて活気に満ちあふれていました。
 ロッジ大品の親父さんは話し好きで片品の歴史や文化に詳しく大いに勉強になりました。
また。料理もおいしく、秋の夜長を楽しみました。
 
 翌日17日は、鎌田地区にある「尾瀬豆腐店」を訪れました。ここの豆腐は口コミなどで評判がよく、遠方からも買いに来るとのこと。東京の有名デパートがその評判を聞きつけオファーしたのに断って地元優先を貫く気骨のある社長が経営しています。ちょうど社長がお店に出てこられてお話をうかがうことができました。この地方の産物や自然を大事にしたい、その一つとして味噌桶にこの村の林産物を有効に使いたいとのお話に思わず頷きました。

ここの豆腐は大白大豆を使って作ったもので豆の味が残るコクのある懐かしい味わいのする豆腐でした。

 
 
  さて、本日のメインイベントは、そば打ち体験です。花咲地区にある蕎麦打ち道場「ゆたき」にむかいました。ここで9月に新会員になられた沼田のK原さんと合流しました。
  ご主人の丁寧な指導でそば打ちが始まりました。皆さん経験はあるようですがなかなか思い通りにはいきません。混ぜ、コネ、伸ばし、切りと悪戦苦闘しながらもなんとかそれなりの蕎麦になりました。それを肴に「左大臣」を飲む。どちらもおいしい!!





その後、観光名所、旧利根村の東洋のナイヤガラ「吹割の滝」で雄大な滝と紅葉を見て、お約束通りゆば処町田屋でお土産を買い、途中、花みつばち館のはちみつを購入し、
最後は沼田市上久屋地区の元蚕屋敷のリンゴ農家を訪ねておいしいフジをごちそうになりました。

 
 
 

今回の、オプションツアーは、利根沼田地区と名士を知りつくし、郷土をこよなく愛されているK産業社長K井さんにアレンジしていただき、普段、行かない武尊山麓のもうひとつの面でである片品や沼田の風景・文化にふれ、元気な地元企業とその経営者にお会いできて本当に有意義で、
ますます奥利根地域にかかわりを深めたくなるような旅でした。
本当に有難うございました。

文責 草野

 




2014年11月3日月曜日

茅刈検定結果 新たに3名の茅刈士補誕生

2014年度の茅刈検定の結果です。
認定書は近日中に発送しますがご自分の獲得ポイントは認定証番号と照合ください。個人情報の関係で氏名は伏せております。
2010年度からこれまでの茅刈士補は7名となりました。
今回から茅刈士補、茅刈士心得のほかに茅刈士徒弟の称号を設けました。
   
目指せ茅刈士!!




文責 草野

2014年10月30日木曜日

上ノ原茅ボッチ節


 この2日間の茅刈風景に感化され「上ノ原茅ボッチ節」をつくりました。
どなたか曲をつけていただけませんか。
 
 
   ♪ 上ノ原 茅ボッチ節 ♪


 
1 武尊 朝日 谷川 望み

(かも)す 一滴 利根 

命の 水だ   飲水思源

わたしゃ 上ノ原 茅ボッチ

あ~ ソヨソヨ  ゆれましょう

 

2 雪に抱かれて 寝て 六月(むつき)

ころは 口明け 平穏(ぶじ)祈る

雪間の 野焼き  ()は赤く

わたしゃ 焼かれて 目を覚ます

あ~ パチパチ 燃えましょう

 

3 (ひかり)を浴びて 茂る  夏草()

ころは 獅子舞 村祭り 

(なく)は 邯鄲(かんたん) 舞うは蝶

わたしゃ にぎやか 大好きよ

あ~ スクスク  伸びましょう 

 

4 さやけき風 揺れる  尾花()

ころは 錦秋 草紅葉 

今朝は 初霜 茅刈り日和 

わたしゃ 刈られて 世にでます

あ~ ヤネヤネ 待っててね

 

5 細くて 強くて 真直ぐと

褒めて もらえば うれしくて

縛られ 抱かれ 野に立てば

わたしゃ 上ノ原 茅ボッチ

あ~ ザクザク 刈りましょう

 

平成26年10月 草野 洋作
 
 

 

2014年10月21日火曜日

2014年度第2回東京楽習会「みなかみ町藤原の生き物たち」開催報告

本年度第2回目の東京楽習会は、多葉田五男会員を講師に10月11日の土曜日、渋谷区神宮前の地球環境パートナーシッププラザ・セミナースペースで開催し、会員15名が参加しました。  
多葉田講師は日本野鳥の会や市原トンボ池の会などのメンバーとして、長年にわたり野鳥や昆虫、それらを支える植物たちの調査を続けてこられました。藤原には青水のプログラムの他にも単独で足を運び、鳥や虫、草原の植物を撮影し、記録してきました。その成果の一部は青水のウェブサイトでも紹介されています。今回の楽習会では、野鳥をはじめ、蝶類やトンボを中心に、藤原、そして上ノ原の生き物について、映像や野鳥の鳴き声を通して紹介いただきました。以下はその概略です。

○野鳥編
 みなかみ町藤原の生き物リストの中で、多葉田さんが整理したリストは89種、写真は45点準備いただきました。実際に鳴き声を流していただき、ホトトギス「特許許可局」、アカショウビン「キョロキョロ―ン」、イカル「お菊二十四(オキクニジューシ)」などの鳴き声の聞きなしと比べながら解説いただきました。
○蝶編
 藤原の蝶のリストは80種、その中から45点の写真を紹介いただきました。藤原には群馬県下における蝶の63パーセントが生息しているとのこと。まさに藤原そして上ノ原は蝶の宝庫です。
○トンボ編
 藤原のトンボは19種、そして22点の写真を準備いただきました。藤原では最近、トンボを見かける機会が少なくなったということですが、アキアカネなど赤トンボの生態は、まだまだ謎に包まれているのだそうです。多葉田さんより、日本自然保護協会が行っている「自然しらべ2014 赤とんぼさがし!」を紹介いただきました。10月31日が締切ですが、詳細は下記のウェブサイトをご覧ください。
http://www.nacsj.or.jp/project/ss2014/

カンタン(虫かごの天井にはりついています)

○その他
 九月の上ノ原のプログラムで捕獲し、友人手製の虫篭で飼育しているカンタンやスズムシを持参いただきました。カンタンは「邯鄲」と書くそうです。中国の地名から来ているとのこです。講義の終了時間に合わせて、スズムシが美しい音色を聞かせてくれました。

多葉田講師持参のカンタン 虫篭の天井にへばりついています
 質疑応答の時間には会員各位より様々な質問や感想が寄せられました。清水顧問からは、上ノ原、そして藤原地区に生息、生育する野鳥や昆虫、植物の全体像や相互関係の理解がさらに深まるようなフィールドでの活動についての積極的な提案がありました。最後に草野塾長より挨拶と今後の活動予定についての報告があり、第二回楽習会は終了しました。
多葉田会員の調査報告は、森林塾青水のウェブサイト内に「フィールドの生き物たち」としてまとめられています。これからフィールドに出かける際などには、是非事前楽習も兼ねてご覧ください。
http://www.commonf.net/?page_id=391

                                      (文責 稲)