2014年5月12日月曜日

3年ぶりの野焼きを実施    ―2014年度の野焼き顛末記―

青水の2014年度オープニングプログラムである野焼きを実施しました。
 茅場を良好な状態に維持するために大切な行為である野焼きは、一昨年、昨年と2年続きで休止せざるを得ませんでした。自然条件に左右される作業ですので思い通りにはなりませんが、今年こそはやらなければとの想いで取り組んだ今年の野焼きが若干の問題は生じたものの無事終わって安堵しています。以下野焼きの顛末です。
 

 まず、防火帯方式での野焼きの日程設定に悩みました。昨年は連休明けの5月11日に設定してたところ、異常乾燥で断念したため、今年は4月第4週をターゲットに予備日を5月第1週に設定しました。しかし、4月第4週は、機械で除雪をしていたかつての日程と同じですので融雪が進まないことが予想されました。これに対して5月第1週は自然融雪で周囲には残雪が期待できるので乾燥が激しくなければ可能性が高いと思われましたが、連休ですので人が集まるのかが課題となります。また、4月第4週では、野焼きが中止になった場合、山野草の季節には時期が早く、代替プログラムに苦労することが明らかでした。
 「お天気次第」という宙ぶらりんな状態が動いたのは3月8日の地元古老衆との協議の場でした。事務局案の5月第1週はやはり危険との地元の意見を尊重して実施日は4月第4週と決定しました。しかし、雪解けの状態は依然として不透明でしたが参加者募集の都合を考慮して日程を決めなければなりませんでした。
 しかし、その後も降雪や低温状態があって雪解けは例年より遅く、上ノ原を調査した4月3日には、1m50cmの積雪があり、古老の、実施日には50cmの残雪があるとの推測を聞き、地元幹事の北山さんや吉野さんと対応策を話し合った結果、機械による除雪を決断し、地元協力者の支援を仰ぐことにしました。除雪は吉野純一さんが仕事の合間を見てボランティア価格で実施していただくことになりました。
 今回の野焼きには、出来る限り一般市民の方に参加していただこうと無料バスの運行を検討したところ共催団体のNPO法人奥利根水源地域ネットワークのご協力により実現し、一般参加と「のらえもん」グループを合わせて約50名が東京からの無料バスを利用して現地入りしました。
 また、今回はみなかみ町、観光協会、商工会、森林文化協会から後援を頂きました。
 スタッフ3名が前日から現地入りし、除雪状況を確認したところ、大まかに4か所に区分できる比較的広範囲で焼ける状態を確認しました。ただ、予想通り、周囲は残雪が多く、ミズナラ林に入ることもできず山野草も見当たらないので翌日散策をどうするかを、 林親男さんと相談した結果、雨呼山と藤原集落内の散策することにしました。
 当日は晴天で、絶好の野焼き日和。バスで到着した参加者、地元古老、みなかみ町役場、利根沼田森林管理署の方々を含めて総勢82名が上ノ原に参集しました。
  北山塾長の仕切りで、始まりの式、山の口開き神事を行った後、参加者は4班に分かれ持ち場を確認しながら除伐を行いました。野焼き講習会で野焼きのやり方を学んだあと、4か所で火の手が上がったのは14:40分頃。雪で倒伏したススキは少し湿り気を含んで燃え方は比較的おとなしく、安心して見ていられる状態でした。それでも、ときどき大きく立ちあがる炎にたじろぐ場面や、パチパチと激しくはじけるススキ、立ちこめる煙、白い雪間に黒々した焼け跡が広がっていく様子は圧巻でした。今回は消火・延焼防止、残火処理にジェトシューターが活躍しました。



  

 野焼き面積は北山さんがGPSで計測したところ2ha弱でした。
 とにかく無事終了、2年分の想いをこめて広範囲に良い野焼きができました。鎮火を確認したのが16時30分。野焼き終了を見図って、民宿やまびこのゑみ子さんほか地元のご婦人衆からのおやきなどの美味しい郷土料理の差し入れがありました。

その夜、恒例の交流会での参加者の感想を聞いて、やはりやってよかったと感じた野焼きでした。
 翌日は好天の中、雨呼山、諏訪神社、一畝田集落の散策により藤原集落の風景・自然・文化に触れるプログラムで心地よく疲れ、上ノ原で焼きおにぎりの昼食で全日程を終了しました。
 今回の野焼きもみなかみ町をはじめ多くの方にご協力いただきました。
 地元の方々、商工課、観光協会、森林管理署そして遠くから駆け付けていただいた、西廣先生、津田先生、小幡さんに本当にありがとうございました。
 最後に、今年の野焼きの反省点です。
それは、野焼きにおいて地元の水道施設のパイプ等に損害を与えたことです。幸いに北山さんに対応頂いたところ寛大な御心でとりあえずご理解いただいております。次回から事前の見回りして除外個所を徹底しなければなりません。
 また、実施日の問題はこれからも悩みの種で、機械による除雪を続けるには経費を含め限界があります。参加者の募集と係わる防火帯方式による野焼きを安全にやる期日を今後も模索することになります。
                                                     文責 草野

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