2017年11月25日土曜日

茅出し2017 ・・雪の中、嫁ぎゆくボッチ・・

 今年最後の塾の活動はボッチを運び出す作業「茅出し」である。
上ノ原茅場には、10月に雨の中でボランティアが刈った茅ボッチ約80ボッチとその後、藤原の茅刈衆である雲越萬枝さんと渡辺勇三さんが刈ったボッチ364ボッチの総数444ボッチ(2220束)立っているはずである。参加人数は19人、一人当たり20+αとなる計算、今年は茅刈衆が少なくなったことや天候に恵まれず昨年の3865束の6割程度、過去最大であった2015年の5060束の4割程度である。
 今回も天気は芳しくなく両日とも雨または雪の予報である。好天気の前日に倉庫の片づけをした3人が上ノ原に行くと萬枝さんが自ら茅出しをしていた。刈った茅の6割ぐらいはすでに出され、残りは初日で終わること確実である。天気を心配した茅刈衆の配慮に感謝である。
 低い雲がたれる中、集まった参加者に、明日は雨が確実なので今日一日でそれも2時間ぐらいで終わり残りの時間で茅刈ができるように頑張ってほしいとお願いして作業にかかってもらった。
 茅出しは重労働であるがなぜか人気のある作業である。熟年者にはかなりきついが皆さん喜々としてやってくれる。
ボっチを倒し縛る

共同作業で縛る

熟年のチカラ

若者の力


予定通り2時間もかからず茅出しは終わった。
 残りの時間を使って茅刈をやってもらうことにして10人ほどが刈ったので10ボッチは増えているはずである。最終的な束数は明日、町田工業のトラックに積んだときにわかる。この日も町田工業からトラックが来て1回分を中之条に運んだ。
 早めに作業を終了して、今夕の宿の関ヶ原へ。冷えた体をお風呂で温め、天然マイタケを添えた夕食に一同満足。
 今夜の車座講座は、地元の写真愛好家の中村智子さん。たくさんの鳥や動物の写真を見ながらの車座講座については別途ブログで。
 夜半になると雪が舞い、朝方は吹雪模様で道路も冠雪、3cm程度であるが集落は雪に包まれいよいよ冬がの雰囲気、宿の芳江さんに根雪になるかと聞くとまだまだとのこと。早朝、車を出し上ノ原に行ってみると雪景色の草原に変わっていた。それでも車の通行には支障がなく、少し青空も見えてきたので町田社長と連絡を取り、作業段取りを整える。まずは県道の側溝整備である。これは群馬県との一年間の約束事であり今回が最終回の3回目である。

雪の中県道のボランティ活動
次に上ノ原でのボッチの積み込み作業の手伝い、そして山之口終いとすることにした。
雪だるま登場

 雪景色の中の積み込み作業、下から持ち上げる人、上で受け取る人、人海戦術の積み込み作業も終わり町田社長の祭司で十二様の前で山之口終い神事を挙行。
 今年の作業が無事に終わったこと、自然の恵みで沢山の茅の収穫できたこと、四季折々の素晴らしい景色を創り見せていただいたことに感謝して柏手を打った。
積み込み

積込み


十二様


安全と収穫に感謝


 刈り取った茅束は暫定値であるが490ボッチ(2450束)、これに昨年のストック茅75ボッチ(375束)の合計565ボッチ(2825束)が中之条の町田工業に嫁いで、所沢にある国の重要文化財の修復用の一部に使われる予定とのこと、いずれ嫁ぎ先を訪れてみようと思った。
 このうち茅刈衆が刈った茅を除いた191ボッチ(955束)の代金約5.5万円が来年の地域通貨ボッチ券の原資となる。
 トラックが出発するとき、自然の恵みと野焼きなどボランティアの手塩にかけたススキ娘(スス生娘)に「お役に立てよ」と願い、演歌の「娘よ」を鼻水をすすりながら歌って送った。

嫁ぎゆく茅ボッチ

雪の中の作業も楽しかった

 雪の中の昼食はつらいので宿で取らせてもらうことになっており、おいしいカレーが待っていておかわりをする人もいて鍋はたちまち空になってしまった(宿の事情が許せばこの方式もいい)。
 この後今回のつらい仕事に参加してくれたお礼として配布した200ボッチと今回の刈ったボッチ数に応じて配布したボッチ券を手に農産物直売所に・・・。
直売場の賑わい

 直売所では4,5人のご婦人方がお茶、栗おこわ、花マメ、山菜料理を用意して待っていてくれた。朝採れ野菜や名産花マメ、手芸品を買い求める参加者でお祭り騒ぎとなった。もちろんボッチ券以上の買い物である。たくさんのサービス品もあってまるで爆買いツアー。このような集落の人々との交流や農産物の販売促進がボッチ券導入のねらいの一つであったがこれは今年の大収穫である。

                            
                            草野記
                            写真提供 清水
   
 

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