2019年10月5日土曜日

下流圏会員学習会 上野村森林セラピー体験


下流圏会員学習会の2回目は神流川源流の村、上野村において9月22日より2日間の日程で開催し、会員8名が参加しました。上ノ原で計画しているヘルスツーリズムの参考にするため、森林セラピーを体験するとともに、上野村の歴史と文化を訪ねることが目的です。

初日朝、高崎駅に集合した参加者はレンタカーに乗り込み、予定通り10時前に集合場所の森の体験館に到着。原則日曜日に開催される森林セラピー体験のこの日の参加者は、青水の他に東京からきた二人組の計10名。受付を済ませ、森林セラピストの中村さんから説明を受けた後、マイクロバスでセラピー基地の中之沢源流域へと向かいました。

バスは県道から外れると、作業道を整備した細い道を進みます。山側も谷側も急峻な険しい山道です。

最初のスポットは、遊歩道を沢まで降り下ったオボロカヤの滝の周辺。オボロカヤはアイヌ語で水溜まりという意味。この滝の近くに木製デッキが設えてあり、そこで15分ほど滝の音を聞きながら交代でシートに横たわったり、滝壺で飛沫を浴びながら過ごしました。

         オボロカヤの滝へと続く遊歩道を進む

オボロカヤの滝

 
                 寝観

 デッキの反対側にシオジの大木があり、草野塾長が渓流を渡りシオジの根元まで行きました。隣に人がいると予想以上に大きいことがわかります。
 
 
               シオジの木

 次は「森のレストラン」で地元の食材を使った特製弁当の食事。もちろん電気はなく、壁がガラスブロックを嵌めた鉄骨で、小屋組みが木材の十坪程の建物。食事の後は岡田さんが抹茶を点てて全員に振る舞いました。
 
 
                特製弁当


               森のレストラン

 昼食後は、沢筋のルートを上流へと歩きました。苔むした岩肌に広葉樹が根を張り、奥入瀬渓谷のような雰囲気があります。標高も千二、三百メートルあるためか、少し靄がかかってきました。
 
         苔むした森の中を渓流にそって上ってゆく

 
                苔

 
                 森
 
 中村さんは森林セラピーの効用は、医学的な研究からも裏付けられていると強調されました。森林セラピー協会の役員には登山家の今井通子さんはじめ医師の方々が多数おり、森林と身体の健康との関係を医学遼法的な側面から明らかにする研究が進んでいるとのことです。また、今年の五月に森林セラピーの世界大会が上野村で開催された際には、海外からの参加者は、「日本の森はどこからでも水が湧き出ている」と驚いたそうです。

上ノ原のヘルスツーリズムの原点は、やはり「飲水思源」であると感じました。帰りに、「しおじの湯」に立ち寄り温泉で汗を流して、森林セラピーの全行程を終えました。

宿泊先の民宿「不二野家」には5時頃到着。不二野屋の主人の黒澤さんは猟師でもあり、夕食には熊と猪の肉がでました。鉄板にバターをひき、塩コショウをたっぷり降って良く焼くのがコツとのことで、臭みもなく美味しくいただきました。

 

 
                                              夕食には猪と熊の肉が

 日航機の墜落時、黒澤さんは消防団員で、事故同時の話や神流川発電所などについての話も伺うことが出来、思わぬ「車座講座」となりました。
 2日目は朝食を食べた後、近くの諏訪神社にお参り。板葺きの舞殿があり、藤原の諏訪神社と同じくお祭りには獅子舞が奉納されるようです。

 
              諏訪神社舞殿

8時過ぎに宿を出て上野ダムに向かいました。上野ダムは隣の長野県にある南相木ダムとの落差を利用した揚水式発電のためのダムです。群馬県側の地下に東京電力神流川発電所がつくられています。

 
              上野ダム

続いて黒澤家住宅へ。屋根は勾配の緩い板葺き石置き屋根で、百坪はある大きな民家です。上野村で茅葺きの民家は見かけないのは、急峻な地形のため茅場ができなかったからかもしれません。二階は上野村の民俗資料が展示されていました。

              黒澤家住宅

 続いて、日航機事故の犠牲者をまつる慰霊の園へと向かいました。

慰霊碑にお参りした後、展示室で事故の模様を伝えるパネルなどを見学し、映像も鑑賞しました。事故の教訓として、自衛隊、警察、マスコミなどが情報を共有することの大切さを訴える、黒澤村長はじめ当時事故処理に関わった上野村関係者の言葉が印象的でした。この慰霊の園は、身元を特定できない遺体を弔うため黒澤村長の呼びかけで村民が土地を提供したものです。

  
                             慰霊の園

 次は神流川支流の沢筋にかかる吊り橋、スカイブリッジを見学。全長は225メートルで、橋上から眼下90メートルの谷底から天空へと広がる緑の山々の姿を堪能しました

  

        スカイブリッジからの眺めとシャボン玉
 
             スカイブリッジ

最後に道の駅向かいの蕎麦屋で昼食を食べて帰路につきましたが、森林セラピー以外にもいろいろ学ぶことの多い楽習会となりました。(作成 稲)

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