2023年7月5日水曜日

活動報告 森林整備でリトリート

 6月17日、18日、梅雨の晴れ間をぬって「森林整備でリトリート」を実施した。

「リトリート」を本格的に取り入れた塾のプログラムは2021年10月からである。コモンズ村ふじわら: 10月 2021 (commonf.blogspot.com) キノコの駒打ちを取り込んだ体験プログラムを実施している。
 この時はリトリート体験が初めてであったがとても新鮮でその後、塾の茅場整備にどのように組み込むかを試行錯誤してきて、今は定例プログラムとして定着している。

リトリートのメッカ この時季の上ノ原

 リトリートを組み込むにあたって、常連の参加者の中には「汗を流して楽しむ」という従来の活動内容と変わってしまったと捉え違和感を持つ方も出ている中でいかに茅場整備と融和させるか企画の段階で幹事会で検討した。

〇考え方を整理するとリトリートは
①目的・条件にあえば、どこでも、誰でも、なんでも、取り組める。
②リトリートプログラムは進化する。
③社会的貢献が大きく、今後広めることが求められ、将来性もある(今がやるとき)
④要は、リトリートプログラムを通じて自分を見つめなおし、取り戻す機会を持つことであり そのためのコ―チングメニュー(導入アドバイス)は大事な要素である。

〇塾の活動に組み込む要点
①メニューはハード系(森林整備など)ソフト系(散策など)を取り入れ結果的に茅場の整備につながるものが望ましい。
②活動の一環でありリトリートが主体とはならない
③参加者が活動に参加する目的を満足して次の活動に繋がること

 そこで今回は従来の塾スタッフが伐採などを行いそれをちょっと体験するだけでなく実質的な森林整備になる「皆伐ー天然更新」跡地の「除伐」を組み込んで「森林整備リトリート」とした。このメニューは日頃青水の茅場・森林整備を経験した参加者や塾のスタッフがいるからこそできるハード系であり、本来のリトリートとは違った形になるがコーチスタッフのお二人にご快諾いただいて実施した。

 

広場でコ―チング1日目

木陰に座ってコ―チング2日目


コ―チングスタッフ

 今回取り入れた除伐は、会員でもある増井ドクターが二次林を皆伐したらその後の植生がどのように遷移するかの研究のために2014年に設定したいわゆる「増井試験地」が9年間を経て順調に更新・生育し、藪状態となっているところを、事前に増井さんの承諾を得てミズナラ、クリ、イヌエンジュ、ミズキ、イタヤカエデなどのカエデ類、クロモジなどの有用な広葉樹を残し、ヤマウルシ、タニウツギなどの不要な広葉樹と根曲がりや被圧された形質不良な樹木を伐り除く作業で道具は手ノコ。専門的には天然更新を人の手を入れて良い山にする「除伐Ⅱ類」、私も現役時代に数か所か経験した程度で通常の人工林除伐ではないので、目的樹種を選別して残さなければならないのでかなりむつかしい作業である。

 今回の活動には山仕事は初めての初参加の団塊の世代の女性2人、看護師の女性2人(2日目のみ)含む20名が参加してほぼ初めてであろう天然更新跡地除伐に挑戦した。

除伐前

選木中

除伐中


除伐後

除伐後

 今回の活動では、十二様の前にオオヤマザクラを植樹しようと上ノ原で山取苗を探したが余り良い苗はなく、ようやく見つけた根萌芽を根ごと掘り出し植えたが果たしてつくかどうか、次回活動の際にもう少し広範囲に探してみようと思う。
オオヤマザクラ植栽
 
リトリートを取り入れた作業の様子と感想を尾島さんがフェースブックに投稿されたので承諾を得て一部修正して次に掲載します。
《森林整備でリトリート》
リトリートを森林整備の始まりと終わりに取り入れる
リトリートは日常から離れ自然の中で自分を見つめる 取り戻す......
リトリートをリードする人の指示の下、その時の感覚を言語化し参加者と共有する
言語化する事によって、その感覚がはっきりし記憶にも刻まれ易くなる
本来のリトリートはそれを一日中、または二日に渡って行う
今回の森林整備の場所は皆伐後の変化を観察している斜面の半分、既に高さ3~4mになっているもの その間を埋める様々な木々、そこをかき分けもぐり込んでのボサ刈り。
残すのは主にモミジ、ミズナラ、コナラ等、モミジは特に多く、種をびっしり付けて元気
なので、多少間引く、タニウツギはピンクのきれいな花が咲くが、丈夫で茅場に入り込むと面倒だから切る。ヤマウルシも多く、赤い葉柄が目立つが、カブレが怖く触らず。
図鑑で見た事のある葉を見つける、5枚複葉で、対生、アオダモと知る
作業中は目の前の判断のみ“切るか切らないか”、“どう切るか”『無心』に身体を動かす
前後にリトリートを取り入れたせいか『無心』がより際立ったように思う
普段は感覚を言語化する事はないから?

追記(草野)
除伐した林地にはたくさんのオオバクロモジが生育していました。これは小さい物でも残して日当たりを良くしましたので、ここは下層木がクロモジの林になる可能性が大きいと見ました。この作業を続けてクロモジ採取地(クロモジ畑)にしてアロマオイルなどの製品を作りましょう。

ヤマグワの実


                              報告 草野





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