2025年6月22日日曜日

雪原トレッキング 雪とうどんを踏みしめて

 3月、2024年度最後のプログラム「雪原トレッキングと自然体験」を行いました。大雪のニュースで藤原の様子が度々報じられたことが良い宣伝になったのか、雪原イベントとしては過去最多の25名が集まりました。

上ノ原手前の駐車場まで上がると、両脇はカーブミラーがすっぽり埋まるほどの雪の壁。これは歩き甲斐がありそう…!各々スノーシューやかんじきを装備し始めます。北山塾長の愛娘、藤原育ちのルナ師匠によるかんじき履き方講座も催され、皆足元の不安無く大幽洞を目指します。

藤原の古老お手製のかんじき
履き方を教えてくれたのは藤原育ちの女子高生

沈まない足を手に入れたら、真っ新な雪を踏みたい衝動は抑えられません。さっそく思い思いの大きな足跡が雪原に鏤められます。序盤は平坦だから、まだ大丈夫。シジュウカラの声に耳を傾けたり、ドライフラワーになったツルアジサイにときめいたり、セッケイカワゲラの型破りな生き方に驚いたりしながら歩けば、ウォーミングアップ完了です。

いよいよ登りが始まると、素直に前倣えで進みます。最後に待ち構える急登は、2班に分かれてアタック。前半チームは深い雪に埋まりながら全身で前へ前へと道を切り開き、後半チームはスノーシューの刃が立たない程に踏み固められた道に食らい付いてよじ登ります。それぞれ筋肉痛の部位が違ってたことでしょう。

向こう側が透けて見えそうなブナの落ち葉
幹に張り付く雪。風向きを想像してみる。
谷川連峰もぼんやりお目見え…?
急登を前に現れたラスボス、リーゼント!
すごい斜度…
ゲレンデのような斜面との激闘!

ついに辿り着いた洞窟の中には、ヒョロヒョロもやしっ子の氷筍が大勢並んでいました。塾長曰く、気温が低いと水滴が凍るのが早いため、細長い形になるとのこと。毎年異なる姿で迎えてくれる氷筍たちは、その冬の天候を敏感に受け取って表現してたんですね。
帰路は恒例の尻滑りでスタートし、勢いそのままあっという間の下山でした。無事に予定通りのトレッキングを終え、日帰り参加の5名を見送って民宿並木山荘へ戻りました。

今年は華奢な氷筍たち


夕食を戴いた後、希望者は「藤原雪まつり」を見学すべく藤原スキー場へ。入り口の雪灯りとステージを囲うスウェーデントーチの温かい光が、凍える指先や目や背筋に染みました。真っ暗なゲレンデを背景に、今年も「GOROPIKA」のファイヤーショーで盛り上がり、大きな打ち上げ花火が真冬の澄んだ空を彩りました。 

スウェーデントーチのステージサークル


二日目は、初めての「藤原盆でうどん作り」。民宿関ヶ原からお借りした栃ノ木の「藤原盆」は、囲炉裏の煤で真っ黒になっていた表面を削り直したそうで、木目が煌めいてとても素敵です。藤原盆のカタチの特徴は、底の一部が斜めにカットしてあること。これにより盆を手前に傾けながら、力を込めて生地を捏ねることができます。

伝統民具「藤原盆」

次に登場した古民具は、なんともレトロで可愛らしい「手回し製麺機」。かつて藤原集落では家族でうどん作りをする習慣があり、一家に一台は必ず製麺機を持っていたそうです。まずはラッパのような挿入口から生地を入れてハンドルを回し、平らに延ばしていきます。折りたたんで延ばしてを何度か繰り返したらギアチェンジ。今度はギザギザのローラー部分にペラペラの生地を挟み込んで再びハンドルを回すと、細めのうどんがにょろ~っと出てきました!た、楽しい!

民宿の女将さんによる製麺指導
薄く均一に延ばされた生地たち
贅沢な手作りうどんランチの完成!

大量生産された「藤原うどん」は、程よい弾力とつるつる食感でお店にも劣らない味わい。生地を捏ねたり踏んだり伸ばしたりの具合によって微妙に歯応えが違うのも面白く、皆席を立ってあちこちのザルに手を伸ばし、食べ比べを楽しみました。次回は上ノ原の山菜と一緒に戴くのも、ありですね~。

(報告:河辺)

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