2022年11月27日日曜日

活動報告 茅出し -嫁入り先はつくば市の奈良・平安時代の遺跡-

 上ノ原茅場には102930日のイベント、そして茅刈合宿、地元茅刈衆が刈ったボッチ649ボッチ(3,245束)が約3週間のダイエットして別嬪さんになって嫁ぐ日を待っていた。

 111920日と「茅出し」が22名の参加者で行われた。

今年の茅出しはいつもと段取りが違う。一つは嫁入りのための輿車(トラック)がその日に来るので、別れを惜しむ間もないあわただしさが予想された。それと山之口終いのあと、十二様の前でこれまでやったことのない「直会」を行うことにしている。

 嫁入り日の段取りを考えると前の夜はよく眠れなかった。2日目の天気予報が思わしくなく、娘を嫁にやる父親ではないがナーバスになってしまう。

 初日は晴れ間もあり、晴れの日にふさわしい日和となった。

今年の茅ボッチ達は、茨城県つくば市の平沢官衛遺跡(ひらさわかんがいせき)の土倉の屋根葺き替えに使われることになっており、現地調査と積み込み確認のためつくば市教育局の石橋さんが上ノ原を来訪。早速、始まりの式、初参加者の和歌山で出会って今は筑波大学大学院生のSTさんを紹介、石橋さんが嫁ぎ先のお家柄を披露、作業段取り説明、雲越萬枝さんによるボッチ縛りの指導のあと早速、茅出しにとりかかる。

嫁入り先のお家柄などを披露

ボッチ縛り指導

30分もするとトラック3台が到着。積み込み手伝いとカウント係を割り振り、すでに茅出しが終わっている集落近くのボっチを先に積み込み、その間に大忙しで茅出しを続ける。林道端にある程度貯まったのを見て次のトラックに積み込む。コンテナ車への積み込みは慣れていないせいか思ったほどの数量が積み込めない。150ボッチと見積もったが100ボッチで満杯。2台目3台目には130ボッチが積み込み、この日の搬送量は360ボッチ

別嬪さんボッチ

積み込み

トラック

明日は2台なので残りボッチ数から嫁げない娘が出ることなる。奮闘の甲斐があって3時半には3台のトラックを見送ることが出来たので、明日の山之口終いの準備を行うことにした。まず、十二様の神前の刈り払い、そして四方茅柱を作って立てる。四方柱をいつもは小径木を使うが今年は茅を束ねて作ってみたらいい雰囲気になった。

 この日の宿は関ヶ原、夕食後、稲幹事から「直会」について解説。早め就寝となった。

2日目、朝のうちはないが昼頃には雨となることが間違いないような曇天。

 9時前にトラック到着、参加者を積み込み組と記帳台とシカ柵撤収組に分けて作業開始。昨日の経験から積み込みも手際よく、積み込み量も130159ボッチが積み込めて全員が無事嫁ぐことが出来た。目出度い。

 

積み込みを待つボッチ


積み込み風景

積み込み終了

シカ柵撤収

2
台のトラックを見送り、もうひと仕事、山之口終いと直会の準備に取り掛る。直会はバーベキュー。雨の中のBBQはちょっとみじめなので食材をお願いしたホテルサンバードのBBQ会場を借りることにした。

 山之口終いは北山塾長の嫁入り先や茅場保全作業の様子を織り込んだ祝詞が厳かに奏上され柏手を打ち一年の作業の無事と収穫への感謝を捧げた。

海・山・里の幸のお供え物


山之口終い塾長祝詞奏上


収穫の歓び

会場を移してBBQ、皆で手分けして準備をして、肉・野菜・きのこなどを焼く、羽釜で炊いた新米ご飯、お供えの果物もお裾分けされ神前での直会が出来なかったものの神様に感謝しながら味わい、一年の締めくくりにふさわしい茅出しとなった。


BBQでの語らい

 今年の茅刈数 地元茅刈衆       2,185束(437ボッチ)

        イベント・ボランティア  670束(134ボッチ)

        茅刈合宿(5人)     390 78ボッチ)

                 合計          3,245束(649ボッチ)

写真は清水さんと松澤さんに提供いただきました。

 報告 草野 洋

 

 

 

 

2022年11月15日火曜日

活動報告「茅刈」 -ボランティアの底力を発揮・カモシカも加勢-

 今年の茅刈は1029,30日に参加者は33名に現地スタッフや役場など総勢38名が上ノ原茅場で2日間の茅刈を行いました。今年の参加者は若人が多く、茅刈を経験しているリピータも多く、目標の刈束数3000がクリアできることを期待させる顔ぶれが揃いました。その結果を先に発表すると、670束(134ボッチ)を刈り上げました。このほか、30日に延泊して31日まで刈った「合宿組」5人が暫定値400束(80ボッチ)、合計1070束、これに地元の茅刈衆の出来高を入れると目標の3000ni届くことになります。数量は茅出しの際の数量検知で確定します。

今年の参加者


 今年の茅束の嫁入り先はつくば市の「平沢官衛遺跡(ひらさわかんがいせき)」の土壁双倉の茅葺を修復に使われます。。平沢官衛(ひらさわかんが)遺跡:平沢官衙遺跡 - Wikipedia ボランティアの底力のおかげで歴史的遺跡の屋根が蘇ります。

 秋晴れに恵まれ、周囲の山々の鮮やかな紅葉で疲れも吹っ飛ぶような風景の中の初日、始まりの式で「未来に残したい草原100選」認定証の披露のあと、雲越萬枝師匠による茅刈講習。去年とはちょっと違った所作の突っ込みに「毎年やっていてもおいらも研究をしているだよ」との師匠の言葉が身に染みました。師匠の人柄があふれる指導でみんなの腕が上がっていることは確かです。

         

今年も素晴らしい紅葉

草原100選認定書披露

         
萬枝師匠

 今年の茅の出来具合を見ると、3年ぶりに野焼をやった広場の上あたりは良い茅になりましたが、6年ぐらいやっていないブロックは雑草が多く、茅の生育が芳しくなく、この差は野焼の効果でしょう。
 この日、あるアクシデントがありました。Uさんが刈っていると、突然カモシカの子供が突進してきて「すね」に激突、Uさんもカモシカも転倒。カモシカはそのまま走り去りました。その一部始終を目撃したMさん。近くで心配そうに見ていたカモシカの母親(?)をすかさずスマホの写真におさめたプロ写真家のNさん。幸いにUさんの怪我は「すね」の擦過傷だけ。その夜の交流会で話題になり盛り上りました。上ノ原では一組の「つがい」のカモシカをたびたび確認していて、われわれはこの夫婦を「武尊君」と「朝日ちゃん」と勝手に呼んでいます。さて今回の遊び好きなイノシシ突進型子供カモシカはこの夫婦の子供だと思いますので名前を「谷川号」と呼びたいと思います。

朝日ちゃん❓

           
すねの傷

 この夜の車座講座は藤岡和子さんの昨年の茅の嫁入り先である千葉県鴨川市釜沼「小さな地球」の「古民家ゆうぎつか」の茅葺屋根を復活させるプロジェクトの体験記、豊富な写真をパワーポイントで投影しながらどのような茅を生産したらいいか茅葺体験をすることによってわかると熱弁をふるっていました。

彼女によると此処の茅葺の施工職人が上ノ原の茅を「べっぴんさん」とほめてくれたそうでそれを聞いて大変うれしくなりました。

和ちゃんの熱弁

         
古民家ゆうぎつか

 1日目の刈り数が予想よりも多かったので2日目は10時までは茅刈、その後希望者は「ゆるぶの森」の散策としました。

参加者のうち4人が茅刈検定に挑戦したので、検定を実施。4人とももう1ポイントか2ポイントで茅刈士補という腕前でした。次回は「茅刈士補」間違いなし、4人とも若いのでひょっとしたら初の「茅刈士」が誕生するかも。

検定中


 ボッチのままで3週間ほど乾燥させて111020日の「茅出し」で平沢官衛遺跡に嫁入りさせます。

         

ボッチ

 今年も2日間の刈り数に応じて「ボッチ券」が配布され張販売店の周りは地元産野菜などを購入する参加者で賑わいました。

         
移動販売


  茅刈スナップ
        
 
            


写真は、清水さん、中塚さん、笹岡さんにご提供いただきました。有難うございました。
おかげさまで楽しいブログを作成することができました。
                              報告 草野洋

麗澤中学校奥利根水源の森林フィールドワーク ~上ノ原茅場入会の森~

  1026日清々しい秋晴れの空に紅葉輝く日、麗澤中学校1年生の『自分(ゆめ)プロジェクト』奥利根水源の森林フィールドワークに、森林塾青水メンバー数人がインストラクターとして関わってきました。

 自分(ゆめ)プロジェクトとは、麗澤中学・高等学校6年間を通じて麗澤教育が大切にしている『感謝の心』『思いやりの心』『自立の心』を育てるプロジェクトです。キーワードは自分そして夢。将来に向かって生きる中で困難にぶつかったとき、しっかりとした目標・夢・志が再びチャレンジする自分の支えとなります。プロジェクトでは、様々な体験や実践を通じて、自分のことを真剣に考え、関心・適性・能力を探り、自己理解を深めていきます。その第一歩が、奥利根水源の森林フィールドワークです。5月に行われた学校内での五感樹木観察会も、秋に行う水源の森でのフィールドワークに向けた意識付けのため実施しています。

 ところが、成長過程にある子どもたちにとって大切な『自分(ゆめ)プロジェクト』の体験分野フィールドワークが、新型コロナウイルス感染防止対策のため、2年間の中止を余儀なくされました。開催に向けた感染対策を練り、今年ようやく満を持して再開です。

 今年の1年生は、小学5年生(10歳)からコロナ社会で生活しています。この2年間で環境は大きく変わりました。オンライン授業やリモートワーク、黙食や個人食などの社会情勢がもたらすリアリティの損失。それは、子どもたちを取り巻く教育・遊び・生活に至る日常全てに影響を与えてきました。そんな状況の中、コロナ前とまったく同じプログラムを行うのは、自分(ゆめ)プロジェクトが目指す教育に添えないと思いました。「五感で感じましょう」「自由に表現しましょう」という自己理解を深める投げかけに、今の環境がストップをかけてしまうと考えたからです。そういった現状と、5月に行った五感樹木観察会での子どもたちの様子を踏まえ、秋のフィールドワークのテーマを『リアリティ~直に触れ感じる~』としました。リアリティを深く体感するには、『癒し』がポイントになると考え、癒し教育の第一人者徳島大学などで教鞭をとるTOEC代表伊勢達郎氏が書かれた本を参考に、解放と自由意志(楽しい遊び)を重点にしたプログラムを構成しました。 

*** 癒しとは、気づきであり、自分がありのままで生きるためのきっかけである。

 直感的に脳がシフトする中にある、自然を含めた全体性の中に生きることの気づきである。***

                          =本より抜粋= 

 癒しプログラムは、遊びと学びを分けない、心身全体に働きかける遊学であることが前提です。そのためには、全プログラムを、ひとつの流れに組み立てることが鍵となります。そこで、コロナ前から行っていたプログラム、茅葺き屋根古民家見学・茅刈り体験・自然観察の3つに絞り、各々タイトル付け、全てが繋がりひとつの流れと感じるようにしました。また、ひとつひとつのプログラムの時間を長くし、ゆったりとした時間の中で全身で体験できる時間を取りました。 

 

自然と暮らし~雲越家住宅古民家見学~60

自然と仕事~茅刈り体験~80分

自然を感じる~観察・遊び・ヒーリング~130

 ここで、今回のフィールドワークの特徴となった『自然を感じる』プログラムを紹介します。 

 <導入=人=>  

自分を感じる(呼吸を感じる)

相手を感じる(背中合わせになり相手の呼吸を感じる) 

相手との関わりを感じる(押す・もたれる) 

シェアリング

<ゆるぶの森・草原散策>

自分の暮らす街と上ノ原の比較

自分の暮らしと自然に寄り添う暮らしの比較(薪炭林・茅場利用)

暮らしの水はどこからくる?水源の泉

シェアリング

<自然と自分>

導入で行った人とのワークを自然物を相手に行う

好きな自然物を選ぶ

五感を働かせて相手(自然物)の呼吸を感じる

自然物と押す・もたれる

シェアリング(相手が人の場合、自然物の場合の比較など)

<視覚を封じた目隠しトレイル> 

 樹木間を一本のロープでつなぎ、手探りでロープの端までたどる

  インストラクターは、導入をプログラムの始めに行うことを必須とし、他のワークをどのタイミングに組み込むかは、各自インストラクターに委ねました。インストラクターも、子どもたちとのリアリティな関わりの中で、伝えたいことや、気づいて欲しいことが湧き上がってくるよう、時間の余白を作り、マニュアルではない構成に努めました。そういった一瞬一瞬の集合が互いに関わることで、生きた体験となりました。

 フィールドワーク当日のそういった体験の数々、子どもたちの様子について、ここで多くは語りません。子どもたちひとりひとりが感じることで、その時がありのままの自分の学びであり、気づきであり、癒しになっていたからです。是非、このブログをお読み下さっているみなさまも、掲載している写真から想像を膨らませ、子どもたちが体感した秋の上ノ原へ行ってみて下さい。上ノ原の風を今、感じませんか。

  それでも出し惜しんでいると思われるかもしれないので、ほんの少しだけお伝えします。散策途中ある地点に着きました。

「はい。ここで荷物を降ろして遊びましょう」

そう子どもたちに呼びかけた時の解放した表情や声は、それはそれは希望に満ちたものでした。

「友だちは押したら直ぐ返してくれるから楽だったけど、樹は自分が頑張ってやらないと(意識を向けないと)返してくれない」

そう感想を伝えてくれた子。学校ではおとなしい子が、蔓をのぼり自分の背丈まで上がった姿に驚いている子。 

 友情を確かめ合ったり、知らなかった友だちの姿に気づけたり、水源の水が美味しかったり、風が吹き木々は揺れ木の葉が舞ったり、ネズミの巣穴前にドングリが同じ向きで並んでいたり。そういった小さな気づきや小さな関わりが、自分(ゆめ)プロジェクトの一歩ではないでしょうか。

 マイナスなことばかり浮かんでくるコロナ社会ですが、このフィールドワークにとっては、より深く里山文化上ノ原を体験するプログラムに練り直し、実践する良い機会となったと感じています。また来年、どんな子どもたちに出会えるのか今から楽しみです。


 当日の子供たちの生き生きした様子の一部を見てください。

茅刈指導の様子

                              
岩の上で瞑想する女の子

水源の一つ柞の泉で


お互いの背中で押し合って立ち上がる


           
草原の向こうに谷川を望み歓声

ブドウつるにぶら下がる

木登り

目隠しトレイル

背中を合わせて冥想、友達を感じ
落ち葉の音、風などそして自分を感じる

なんでも遊びにしてしまう





        報告 幹事 藤岡和子

 

 

 

 

 

2022年11月1日火曜日

入会の森「上ノ原茅場」未来に残したい草原の里100選に選ばれる.-認定書授与式-

 令和4年10月18日、東京農業大学横井講堂において未来に残したい草原の里100選の認定書授与式に当塾から北山塾長、草野事務局長、藤岡幹事、柳沼幹事が出席しました。
 これは「全国草原の里市町村連絡協議会」が選考委員会を設けて団体等が管理する全国の草原を対象に選定したもので2021年度は第1期として34の地域が選ばれましたもので、我々のフィールドである上ノ原も選ばれ、全国の名だたる草原の一つとしての栄誉を授かりました。
 当日は認定書授与後1分間の認定に当たってのスピーチがあり、北山塾長が飲水思源手拭を利用したひときわ目立つユニークなスピーチをしました。
当日は、記念講演、記念フォーラムもあり6つの認定団体(草原)の事例発表が聞け参考になる各地の活動状況を聞くことが出来てとても有意義でした。
 草原の里100選は第2期募集がすでに始まっており100選を目指します。




 
 報告 草野

2022年10月10日月曜日

活動報告「茅穂採種とミズナラ林整備」

 今年も10月になって、これから秋本番、上ノ原茅場は紅葉と草紅葉になり収穫の時期を迎えます。その前に、ススキの穂(種)を採取する作業を活動として今年初めて実施しました。

 ことの発端は、さかのぼること3~4年前、ヘリコプターの会社に勤めていた時、災害地を一緒に回った緑化技術者の友人から航空緑化の資材として上ノ原のススキの種の採取の話があり、その友人が種苗会社の技術者を連れて上ノ原を訪れ、友人は一緒茅刈もしました。その後音沙汰がなかったのですが今年の8月中旬にメールで種採取の打診がありました。その訳は、かなり以前から生物多様性・生態系保全に影響する輸入種制限・国内種の使用遵守をかなり強く叫ばれていたですが国内種の確保がむつかしいことやコストの関係で輸入種に頼った施工が行われていました(輸入種と言って日本の種を中国などで栽培したものであり、海外で栽培することで現地のものと交雑して遺伝子の攪乱がすでに起こっていることも問題とされている)。それがコロナの影響で中国や東アジアなどとの往来がむつかしくなり、加えてアメリカの干ばつの影響で緑化植物の種子輸入が困難となったことで「日本でも種子を採る」という気運が高まったようです。このように施工地の近場で採取された種を使い生態系や生育に影響を及ぼさないようにすることを「郷土種緑化(植栽)」といいます。

「航空緑化」は、急峻、大規模・広範囲、道路がないなど機械や人力で緑化が困難な山腹崩壊地や山火事跡地をヘリコプターを使い緑化する方法で、バケットという大きなバケツのようなものに、ススキ、ヤシャブシ、ウツギなどの種子、肥料、接着剤、着色剤と植生基材(どろどろの液状のもの)を混合したものを散布して植生回復により土砂流出防止を図る工法で「国土強靭化」に貢献する災害復旧工事です。ススキは、貧栄養のやせ地でもいち早く発芽・生育し、土砂の移動を抑え、樹木の種子の生育基盤を作る大切な役目を果たします。

このような山腹崩壊地が航空緑化の対象地

ヘリに緑化資材を積み込む地上基地
左奥が緑化する崩壊地

ヘリにぶら下げたバケット

ススキは、風媒花で8月~9月にかけてその個体の2mぐらいの範囲で受粉し、その後結実しますが受粉率は約3割とされ、同じイネ科のイネは自家受粉するので受粉率は90%になるのに比べて自家受粉しないススキはかなり低いようです。結実した種は熟すると綿毛で風に乗って新天地に運ばれます。受粉・結実していないものは綿毛のままススキの穂に(枯れ尾花)状態で残ります。なので、枯れ尾花の種は「しいな」ということになります。

10月初めの上ノ原のススキ




熟したススキ

この風景がいい
9月初旬の活動の際に花が咲き穂が赤くなっているのを確認していますので10月の初旬なら熟しているだろうと今回の活動で採種を試みました。

ススキの種の付き具合

ススキの綿毛と種

試みという意味は、本格的には来年からになりますので、今年は採取時期・方法を検討するとともに1日どのくらい採種可能かの「行程調査」を行い、データをもとに1kg当たりの売り渡し価格(買い上げ価格)を設定(交渉)することにしました。1日目に、全員で茅穂を採取することにして、百均で買ったハサミで茅穂を刈り、腰に下げた土嚢袋に入れていきます。1時間もすると袋が重くなりました。同時に参加者の中から若・壮・老(男女)の代表を選人して1時間の採取量を測定しました。その結果、生総重量で5.34kg、平均1.07kgとなりました。

代表5人の収穫

茅刈でススキ全体を収穫の対象として見ていましたが、茅穂に注目するとまた違った風景が見えます。青空をバックに穂を見上げるようにチョキチョキ。その音もいい響きです。背の高いススキの時はすこし苦労しますがその代わりいい穂が取れます。穂の採取は道路から離れていて茅刈をしないところ、屋根茅に不向きな低いススキが生えているところを選びます。こうして11名が採った茅穂は約15kg、これは生重量ですので乾燥させると半分ぐらいになるでしょう。これを古民家に運び1昼夜乾燥させ、次の日に段ボールに詰めて種苗会社送りました。

古民家で乾燥


種苗会社からの連絡によると少し湿り気はあったが、種の付き具合も問題ないとのこと。採取時期、方法はこれで何とかなりそうです。上ノ原のススキの種が関東周辺の「郷土種」として崩壊地の復旧に貢献する目途がつきました。同時に今まで無価値だった茅穂が「茅場の恵み」となり、集落の現金収入ひいては茅場の保全に繋がりまそうです。4年前の種まきが芽を出しました。この後の生育に乞うご期待。

 2日目は、「ゆるぶの森」のミズナラ林整備を行いました。

北山塾長が「抜き切り」をする際に思った方向に安全に伐倒するために必要な、ロープ作業を指導しましたがなかなかうまくいきませんでした。その後、安全性確保、材の利用、将来の生育を考慮した選木の方法の指導、実際に手ノコを使い伐採する方法などを指導してもらいました。

手ノコ伐採
10月の好天に恵まれた新しい試みの作業もうまくいき、いよいよ10月末は茅刈です。

報告 草野 今田和子さんの写真を一部拝借しました。