2026年6月14日日曜日

『茅風 Breeze from the field of thatch-grass 森林塾青水の20年 』

 

 森林塾青水が、利根川源流域の群馬県みなかみ町藤原の皆様と共に、上ノ原の野焼きを復活して20年。その活動の歩みをまとめた本が刊行しました。

 記念本作成への経緯 副塾長:藤岡 和子

2024年。10年前6人いた藤原の茅刈り職人は、受け継ぎ世代の渡辺勇三さんおひとりになりました。

藤原の茅刈りは、藤原だけの唯一無二の技。とも縛りの技を失いたくない。私には、水たまりのアメンボほどの波紋しか起こせないかもしれないけれど、これからも上ノ原入会地を繋いでいくためには、今が動く時だと強く思うようになっていました。そして、まずは多くの人に知ってもらうことと考え、作成したのが本書『茅風 森林塾青水の20年』です。

多くの方々が関わってきた上ノ原。万葉の世から続く上ノ原茅場を、万葉集のようにそこはかとなく綴ったこの本を読むと、自然環境を守ることは、専門家でなくとも誰でもが日々の暮らしの中で関わっていけることなのだと、感じていただけると思います。

  構成は、青水の会報「茅風」が掲載した写真と文章を中心に20年を辿っています。上ノ原に集う人々が流した感動の汗とともに一緒に体感しましょう。

この機会に是非お求めください。

 B5版カラー160

定価2500

 ○氏名・部数・送り先を明記の上、下記の何れかの方法で、森林塾青水事務局まで、お申込み下さい。

 メール:jimukyoku@commonf.net

 FAX:0445438898(青水事務局長 稲方)

 郵送:〒379-1721群馬県利根郡みなかみ町藤原3862-1 北山方

 ○記念本に請求書・支払い方法の案内を同封の上、お送りいたします。

 尚、送料は実費のご負担をいただきます。








  文書 副塾長 藤岡和子
  写真  草野

2026年5月3日日曜日

2026年5月3日 野焼き

 上ノ原の野焼き

=つなぐ・ひろがる・草原と人の縁=

飲水思源

コップ一杯の水を飲んだらその源を思うべし

茅場と森の再生と活用に取り組みつづけて

今年で22年目。入会仕事ことはじめ『野焼き』

5/2~5/4で実施しました。

【いよいよ野焼き当日】



火入れ予定の4日が雨と分かり、急遽3日に前倒しできたのは、火入れの申請を3.4日提出していたからです。しかし、実施するには、消防団員を集めなくてはなりません。消防団がいなければ、天候が良くても中止です。ゴールデンウィークの真っ只中、藤原消防団は、皆さん民宿などの家業持ち。そんな稼ぎ時に、なんと4名も集ってくれました。感謝しかありません。まさに、地元、都市部ボランティア、行政が協力して行う、流域一丸となったコモンズ野焼きです。



正午過ぎ。70名を越える参加者が揃いました。開会式です。まず、塾長北山の開会宣言。続きまして、みなかみ町代表、みなかみ町町長阿部賢一氏の挨拶を承りました。地元代表は、消防服が様になっている消防団石垣さん。一家で移住し、地元に溶け込んだ青年です。



【山の口開け神事】

入会仕事ことはじめ

22年前、地元古老たちから、何があっても忘れるな。忘れたら山の恩恵はない!と伝承された大切な神事です。山の十二様へ一年の上ノ原での活動が無事に行われることを祈願します。皆、十二様の足跡石の前に並び会釈の姿勢を保ち、塾長の祝詞の奏上。塾長に習い二拝二拍手一拝。そして、直会を行いました。



【火入れ】

火入れ前に、今年の指揮者、公益社団法人阿蘇グリーンストック専務理事:増井太樹さんから、火入れについての説明と段取り、注意事項のレクチャーを受けました。そして、野焼きエリアを全員で歩き、全体像を把握。共有しました。



さあ!火入れです。

昨今の山火事ニュースや、2026年3月6日の消防法改正施行を受け、着火隊、ジェットシューター隊(水を背負い火を消す機材)、レイキ隊、見守り隊、消防団役割を分担し、個人での仕事を明確化。さらに各部隊にリーダーを配置し、徹底した安全対策を取ります。

「山火事と野焼きの違い分かりますか?山火事は、予期せぬ事象。野焼きは、火をコントロールするんです。」と、増井太樹さん。



第1エリア着火

指揮者は

地形を見て、風を読む

炎を読み、人を動かす 

野焼きはオーケストラ



点火され中心に燃え進む炎

上昇気流を生み

もくもく立ち昇る煙


集う人々も

全身でタクトする指揮者を見て

おのれの命を守り

火の向こうにある

これから芽吹く自然を読む



炎が過ぎればそこは炭

黒く広がる末黒野

秋の茅刈りに思いは馳せる

16時30分。予定地5エリアすべて、末黒野になりました。



2026年5月2日土曜日

2026年5月2日 野焼き準備

上ノ原の野焼き
 =つなぐ・ひろがる・草原と人の縁= 
飲水思源 コップ一杯の水を飲んだらその源を思うべし 
水源の一滴を求めて辿り着いた 利根川上流上ノ原入会地 茅場 
この美しくおいしい水が永遠に続くように今できることは上ノ原の自然を守ること 
茅場と森の再生と活用に取り組みつづけて 今年で22年目 
入会仕事ことはじめ野焼き 5/2~5/4で実施しました
【防火帯整備は念入りに】 
 青水運営陣、4日の野焼き本番に向けて段取りしていました。
ところが、1日の天気予報で藤原の4日の天気は丸一日雨。
急遽火入れは、3日に変更です。 
5/2 事前準備に集うは、幹事と有志の21名。


  上ノ原の野焼きといえば、末黒野(焼け跡)に残る蕗の薹なのですが、今年は、もう葉が芽吹き始めています。 
元来、豪雪地帯藤原の野焼きは、雪間の野焼き。とても安全でした。
温暖化の影響でしょう。
近年、雪間の野焼きなんて、夢のまた夢になりつつあります。


 安全な野焼きの成功の鍵は、まず、防火帯をしっかり作ること。
刈り払い、レイキを掛けて、草原に可燃物を除去した帯を作っていきます。 
「どこを刈るんですか?」 初めて上ノ原に立つ大学生。 
雪国の草原上ノ原。
冬、雪の重みで倒れた枯れ草は、春、雪が融けても地面にへばりついています。
この気候的性質を知らなければ 「草なんて無いじゃん」 となるのです。 
どう草を起こして根元から刈るか 凸凹な斜面と草の生え際を見極めて 草を起こし 下っては上りを繰り返しながら 根元から刈る。
 防火帯作りは、そこに生きた植物の その場所で生きた証を風景から切り離し 新しい風景を生み出すための大切な仕事。



 今年の指揮者、阿蘇グリーンストック増井太樹さんが到着しました。
火入れエリアをくまなくチェックして、今日やっておくべきこと、明日の午前中でも間に合うことを判断します。 
「この防火帯を綺麗に掻き込んだら、今日は終わりにしましょう」
 夕方5時までみっちり作業して、明日の午後本番を迎えます。



2026年3月8日日曜日

2026年3月7日~8日 

 2025年度最後の活動プログラム『冬の藤原』が2026年3/7-3/8に行われました。

まだ、雪に覆われている上ノ原の草原と森

保全のために何をするの?と思われるかもしれません。

飲水思源

コップ一杯の水を飲んだらその源を思うべし

雪国の豪雪があって水源が保たれる。

 今年、上ノ原のいきものたちが健やかに生育できるか。利根川の水源と森が下流の人々の暮らしを支えている。

その大切な水の始まり『雪』

その姿を観察することも

今年の入会仕事に関わる大事な活動です。

1日目

ははそのの泉まで雪原トレッキング

利根川の始まりのひとつ。雪から顔を出しています。子どもたちは、滑り転がり、雪の味見もしていました。

 場所を変えて、藤原スキー場で行われる『藤原雪まつり』キャンドルナイトのお手伝い。

宿:樹林で夕食をとり、希望者は、スキー場にもどって、キャンドルナイトとシャボン玉ショー、シャボン玉体験に打ち上げ花火で構成された、夜の雪まつりを楽しみました。

2日目

大幽洞窟トレッキング

 今冬は、例年よりだいぶ積雪が少ない藤原ですが、この日は、朝から吹雪いています。

スノーシューや、アブラチャンで作られた藤原かんじきを履いて登ります。

小学生3人、高校生4人もいて、今年のトレッキングはとても若い!

先頭ラッセルを交代しながら登頂しました。

暖冬が顕著に現れた 氷筍

数がとても少なく寸胴で、頭が茸型にならず平らです。最後の写真が昨年の氷筍。比べて見れば明らか。

 毎年3月第二週目に登るから分かる地球環境の変貌です。今年の農作物にどう影響を与えるか、水不足が心配です。

このトレッキングの楽しみのひとつが、下山の尻滑り。藤原で育った雪遊びのプロ、The藤原っ子の北山兄妹のおかげで、いつも滑らないルートもワイワイ、キャー!と滑り、雪の藤原を堪能しました。


2026年1月12日月曜日

2026年1月12日  菅生沼の野焼き

 連携プログラムレポート

【1/12 菅生沼の野焼き】

森林塾青水枠は小貝川と同じ10名。若干のメンバー変動もあり、見学のみの方も含め10名の参加となりました。

菅生沼の野焼きも、小貝川の野焼き同様、沼周辺に自生する希少種や絶滅危惧種の保全が目的で行われています。小貝川の野焼きと異なることは、菅生沼地区では、野焼き文化が根付いていた地域だったということです。地域住民での継承が難しくなった30年程前より、茨城県自然博物館が引き継ぎ培ってきました。

12日朝。

昨日に続き、上ノ原で出会った顔がちらほら。「お久し振りです。今年もよろしくお願いします。」と年始のご挨拶。連絡を取り合っていなくても、草原あるところに集う面々。茅・野鳥・草花・蜂・昆虫と多岐に渡る草原ネットワークは、益々厚みを増してきていると感じます。

更に、野焼き三銃士:小幡 和男氏(茨城県霞ヶ浦環境科学センター) 津田 智氏(自然学術の村こしみず村長/ファイヤーエコロジー研究者) 西廣 淳氏(国立環境研究所気候変動適応センター副センター長)が揃い踏み。

 この日も昼頃から強風になる予報です。集合時間には、既に風速5m。野焼き実行ギリギリの風速ですが、主催:茨城県自然博物館の事前準備と三銃士の存在が、野焼き成功へ信頼を寄せます。

各団体の紹介後、早速ヤナギ並木の草刈りと刈り草の除去作業に入りました。恒例の小幡氏による野焼きの効果についての説明は、風が強くなる前に焼き払いたいとの意向で末黒野になってから。


午前10時着火。西廣氏が先頭指揮。

風に押された炎で生まれる上昇気流

勢いを増す炎 

天に立ち昇る黒煙

頬を撫でる熱風

着々と末黒野が広がり

つむじ風が渦を巻き 

末黒野の煤を巻き上げる

 防火帯が活き、野焼き予定地3エリアが末黒野になりました。しかし、予測を超えた火柱の高さで、数本のヤナギの立木に燃え移り、燻っています。ここで、大活躍だったのが、我ら現塾長北山氏。今年初参加にも関わらず野焼き中は、ジェットシューターを背負い、火付け役の側に付き動き回った後、自伐林業の技で、燃え移った幹を伐っていき、食い止めます。切り落としたまだ燃えている丸太は、沼にドボン。


こうして、関連団体が一致団結した菅生沼の野焼きとなりました。