青水は、毎年、少しずつミズナラ林を抜き伐りして森林を若返りさせる作業を行っています。
今年は、9月27,28日、秋晴れの爽やかな秋晴れの中、会員・幹事の岐阜大学院生Mさんの研究である「草原放棄地における人為的管理再開後の植物の動態」、つまり、管理されなくなった元草原が森林状態になっているところを伐採した場合その後の植生の推移を見るための試験地を設定することを目的に木馬道と管理道の間のミズナラ林を伐採をしました。
ススキが揺れるフィールドで昼食 |
作業前のミーティング |
伐採個所は、40m×40mの0.16haで、約300本を伐採することになります。伐採地は元ススキ草原に自然再生したミズナラ、アカイタヤ、ミズキ、ヤマモミジ、コシアブラ、オオヤマザクラなどが株立ちした二次林です。40年前までは20年ごとに伐採を繰り返していた薪炭林で、その後、利用されなくなり薪炭林としては大きくなりすぎて、直径30cm 程度のものもあります。
伐採地に一度に全員が入ることは非常に危険であるため、ある程度の空間ができるまで経験者が伐採することにして、それまで他の参加者には草原・森林の散策をしていただくことにしました。
フィールド観察 |
ミヤマシシウドの果実 |
サワアザミとゴマナ |
伐採は、40数年山仕事をしてきた地元のNさんを助っ人にお願いして、10人ほどでチェンソー4台、と手鋸で行いました。藤原に移住した若手のK山さん、Y澤さんの二人にも手伝っていただきき、途中から、マイチェンソー持参のS岡さんも加わりました。伐採作業は危険を伴う作業で慎重に行わなければなりません。。重心が大きく偏っている木やつるがらみの木は特に危険ですのでベテランNさんにまかせます。広葉樹は材が堅く、チェンソーの切れがあまり良くありません。伐採した木が隣接した立木に掛かる「架かり木」も発生して能率が上がりません。
伐採作業と伐採後 |
それでも、散策組が伐採現場に合流したころには、適当な空間もでき、皆さんには枝葉の片づけ、伐採した木からサンプルを選び、太さや長さ、重量の計測もしていただきました。
伐採した木は、玉伐して、幹は薪に、枝は来春キノコ種ごまを打ち込む予定です。
16時ごろ、日も暮れかかったため、本日の作業は終わりにして情緒たっぷりの夕暮れのススキ草原を後に本日の宿である「たかね」に向かいました。
夕暮れ迫るススキ草原 |
心地よい疲れを残し宿へ |
この日の宿は、温泉民宿「たかね」、疲れた身体を温泉で癒し、伐採助っ人でもある宿のご主人N島さんのおいしい料理を堪能したあと、交流会でもN島さんからめったに聞けない3日間かけて利根川の最初の一滴が滴る源流を訪ねた「利根川源流遡行」山紀行を写真や動画を使って説明いただきました。
この源流遡行、相当の危険もあったようです。この日は、長野岐阜県境の御嶽山の突然の噴火で多数の犠牲者が出た痛ましい災害が起こりました。自然の脅威は計り知れないものがあります。
次の日の早朝、宿の裏山をN島さんに案内していただきました。そこはブナの美林でした。こんな近くに美しいブナ林があるなんて・・・。これも、他の木を炭焼き用に伐採した結果ブナが残ったもので人の手が加えられた美林です。ここでは、Nさんが白炭窯を復活させ、数種類のキノコも栽培していました。
美女林? |
この日は、皆さんには朝飯後の仕事として「県道の草刈り奉仕」をしていただきました。
県道草刈り奉仕 |
このあと、昨日の続きの作業である伐採や枝葉の片づけ、計測を午前中いっぱい行いました。
伐採は、全体の半分程度しかできず10月に有志でもう一度作業を行うことにしました。
一行は昼食のおにぎりを食べ、「カンタン」の虫の合唱がにぎやかなススキ草原を後にしました。
鳴声は大きいが姿は意外と小さいカンタン |
今回の初参加者は9人でしたが、そのうち7人は朝日新聞の案内記事を見て応募された方々でした。縁を取り持っていただいた朝日新聞に感謝です。
また、会員であったものの今回フィールドデビューされた沼田で農機具を販売されているK井産業の社長さんと元教育者のK原さんに参加いただき、塾の活動を評価いただいたうえ今後も協力は惜しまないとありがたいお言葉をいただき、交流会も盛り上げていただきました。
そして、なにより初参加者の中から、さっそく会員に加入いただいた方が2人もいてうれしくなりました。
皆さん、ほんとうにお疲れ様でした。
文責:草野
0 件のコメント:
コメントを投稿