2015年5月4日月曜日

2015野焼顛末記

2015年の野焼は、4月25日に実施されました。
 今年の冬は、厳しく、フィールドのある藤原上ノ原の積雪は記録をとりはじめてから新記録となりました。したがって雪解けも遅く、4月初旬の低温が続いたときには実施日の延期も考えました。
 しかし、5月初めの異常乾燥には2013年に中止に追い込まれたトラウマがあります。参加者の応募状況も順調で日程変更は気が進みません。長期予想によれば4月第3週当たりから平年並みの気温になるとの予想を信じ、除雪箇所を集中して行うことで可能との賭けにも似た判断で準備に取り掛かりました。
 したがって、除雪は昨年よりも日数、費用が多くなりましたが前日入りの4月24日には何とか実施できる状況となりました。幸いに天気は晴れが続くようです。
それでも、これまでの野焼に比べて小規模で迫力のない野焼になるだろうと予想していました。
 
 当日11:30、首都圏からの参加者45名に、みなかみ町長をはじめ、利根沼田森林管理署長など10名地元の協力者など8名、消防車と消防団6名が残雪が多い上ノ原に集まりました。
北山塾頭の仕切りで、「はじまりの会」、増井幹事の「野焼の効果」、今年1年の安全を祈って「山の口開け」神事を行い、参加者には野焼箇所のタニウツギなどの侵入木除伐を1時間ほどやってもらいました。

はじまりの式


1年の安全を祈って山の口開け神事


今年は消防車も来てくれました、ありがとうございます。




タニウツギの除伐に3歳も6歳も65歳も



 いよいよ、野焼本番ですが、当初は4か所の除雪エリアごとに参加者を配置し一斉に着火する予定でしたが、各エリアが狭いので順番にやっていこうとの北山塾頭のアイデアを受けて、手前のエリアから阿部聡一郎さんの指導の下、各エリアを全員で焼くことにしました。結果的にこれが功を奏して比較的迫力のある野焼ができ参加者も満足していたようです。

着火は14:10分 気温が高く、乾燥していたので、例年の野焼に劣らぬ、ススキがはじける音がして、白い煙が青い空に立ち昇り、野焼風も手伝い時には大きな炎が上がり参加者の「おお~」という歓声がたびたび上がります。
 残雪が多いおかげでエリアの周りはすべて白い雪、赤い炎、白い煙、真っ黒な焼跡、今年もこの野焼風景が楽しめました。鎮火は15:00。
 野焼エリアには、岐阜大学の津田研究室が温度計やカメラを設置してデータをとってもらい、その動画は夜の車座鋼材で披露され、迫力ある炎が再現さしました。

第一エリアに着火



温度計に火が迫る


煙でかすみ野焼らしい風景


凛々しいジェットシュター男


野焼風に火勢がまして


その日の宿は、吉野屋さん、除雪から送迎まで本当にお世話になりました。
夜は、岐阜大学大学院生でもある増井幹事の車座講座です。
タイトルは、「全国の野焼あれこれ」、北海道から阿蘇まで全国の野焼の目的と実態をパワーポイントや動画で紹介し解説してもらいました。昼間、焼を体験した参加者は野焼の意義ややり方について理解が深くなったようでした。そして、この日の野焼の動画の上映でカメラの保護ガラスが熱で割れるシーンの迫力に息をのんでいました。

今年の野焼の悩みは、例年より多い残雪です。上ノ原の周りも集落も期待していたスプリングエフェメラルの開花には早く、見るべきものがありません。2日目のプログラムをどうしようかと前日に北山さんと検討して、スキー場の中を通る道路から集落や山脈を眺め、青木沢集落まで歩くコースを急遽決めました。皆さんに満足いただけるかどうか心配でしたが、お天気に恵まれたこと、木々の芽吹に春の息吹が感じられたこと、雪が固くしまり、あまり体験できない堅雪歩きができたことで予想に反して好評でした。

スキー場ゲレンデからの集落と山脈の眺め

青木沢への下り道


青木沢集落では鯉のぼりが一同をむかえなど春の里山風景が楽しめ、立ち寄った諏訪神社では、エンレイソウとキクザキイチゲが出迎えてくれました。
 藤原には、その時その時で素晴らしいタカラがあります。知らない、感じないだけかもしれません。藤原再発見の2日間でした。

今年も、無事野焼が終わりました。津田先生からは「日本一安全な野焼」とのお墨付き?をいただきました。
 協力いただいた方々に心より感謝申し上げます。
これで今年もいい茅が育ち、人と生き物がにぎわう上ノ原になることでしょう。

                                文責 草野 






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