2018年11月1日木曜日

2018茅刈・ボッチづくり

 10月も中旬に入ったが藤原・上ノ原にはまだ初霜がない。やはり季節がおくれているようで紅葉もまだ緑色が多い。だが秋の日は移りが早く、一日一日と変わっていく。今回は藤原に20日から24日まで逗留したが、22日に初霜があり、紅葉は日ごとに赤や黄色が増して、24日には最盛期となった。こうして日々移り変わる紅葉を見れるのも逗留したおかげである。
 今年の茅刈は、20日、21日に参加者24人、地元指導者などを含めると30人が上ノ原で鎌をふるった。うれしいことに、みなかみ役場広報の効果もあって地元から4人が日帰り参加、そして2日目には藤原森の幼稚園「でこでこでん」の園児たちも
上ノ原茅場に遊びに来てくれて、ススキ草原で子供たちの歓声や泣き声が聞けました。
茅場に響く園児たちの歓声
今年の茅刈は茅束の生産量の確保のためひと工夫している。
 これまで村の古老達のご尽力で相当数の茅束を産出して、茅場から持ち出し生物多様性が保たれてきたが昨年から少なくなっており、それを何とかカバーするべく、昨年に続いて刈ったボッチ数に応じて「飲水思源地域通貨」を発行。
飲水思源地域通貨ボッチ券((地元直売所で通用)

 また、村の古老に変わりボランティアのチカラを発揮すべく、イベント終了後も一部の会員が居残り、古民家合宿した(その様子は別掲)。
 茅刈は、曇り空の中、始まりの式のあと、鎌研ぎ、雲越萬枝さんの指導で「茅刈講習」で抱え刈り、束の大きさ、束の結束の仕方、ボッチの立て方、ボッチの結束などを学んだあと、それぞれで刈り始めると茅場には、鳥の声、風がススキを揺らす音、ススキを抱える音、鎌の音、結束のむつかしさに出るため息は聞こえるが話し声はほとんどないほど一心不乱で取り組んでいる。

真剣に聞く

雲越萬枝さんの指導

一心不乱の茅刈

手が届かない

協力し合って

 

ボッチとミズナラ林

 途中、笛を鳴らさないと休憩も忘れてしまう。ボッチが姿よく立つと気持ちが良い。
 やがて茅場にボッチが次々と立って行った。
この日の宿は、食事がおいしいと評判の「とんち」。夕食後は、会員の藤岡和子さんによる「ネパール ムスタン トレッキング紀行記」のスライドショーである。秘境の風景や過酷な自然の中で明るく暮らすムスタンの人々の姿が彼女のユニークな目線でとらえられていた。
 2日目は天気も回復して紅葉もちょっと進んだ中で茅刈を続行、
皆さんに作ったボッチ数を自己申告してもらい、ボッチ券を渡して集計したところ78ボッチとなった。それにスタッフ等のボッチ数を入れると90ボッチにはなっているはずである。茅出しの際には正確な数字がわかる。
 汗の対価として得たボッチ券をもって立ち寄った藤原直売所は今年も大賑わいを呈したのはもちろんである。「汗が農産物に変わり、おいしい土産となる」

直売所の賑わい

 この日、みなかみ町エコパーク推進課の高田課長から上ノ原茅場が文化庁が指定する「ふるさと文化財の森」の候補地になっているとの話があった。文化財建造物の保存のために必要な原材料を安定的に供給するための森などを設定するもので、指定されれば上ノ原の知名度も上がり、塾の活動も評価されることになりうれしいことである。

                                         草野記
 

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