有機野菜・果物のマルチ材・肥料としての利用と共に、従来の茅葺き文化財の屋根材としての用途に加え、新たな利用の道が開かれることになったのだ。
そして、10月23日~24日。当塾主催のボランテイア茅刈り作業に、これまでにない新たな担い手が参加してくれた。茨城県つくば市から、上野弥智代理事ご引率の茅葺文化協会・里山建築研究所・筑波大生グループの皆さん8名。安藤先生も夜中の9時過ぎ、出張先徳島からトンボ帰りして合流。さらに福島から、佐久間建設の遠藤部長と武藤さん。高速道路を乗り継ぎ5時間もかけて馳せ参じて下さった。いずれも、融通してもらったカヤの恩を自分たちで刈って返したい、という強いお気持ちからのことであった。カヤがとりもつ利根川つながりのご縁、そして大震災つながりの心の絆、といってよかろう。お迎えした地元やみなかみ町役場の皆さんを含め、参加総勢52名の熱意を十二神様(山の神様)が聞き届けてくれたのであろう、大方の予報を覆して二日間とも好天に恵まれ、茅場に鎌をふるう心地良い音と子どもたちの歓声が木霊した。
刈り取ったカヤの総量は350束。奇しくも、仮設住宅用にお届けしたのとほぼ同量! これまで同様、全量を地元藤原区に寄贈、諏訪神社の茅葺き屋根替え用に使っていただければと思っている。
終わって二日後の25日、筑波大生・何銀春さん(中国留学生・世界遺産専攻)から嬉しいお便りをいただいた。「二日間の短い間ですが、感動させたことが沢山あります。地元の人と全国からの皆さんは全力を挙げて茅刈りの活動を参加しています。このような精神を持って、文化財を守っています。これは、日本の文化財をよく保存できる重要な原因と考えています。清水さんから『飲水思源』の言葉もよく覚えています。(中略) 最後に、清水さんと地元の皆さんのご指導を改まって感謝しております。」(原文のまま)
『飲水思源』は当塾の合言葉。井戸を掘ってくれた人の恩を忘れてはならない、という中国由来の訓え。ご多用の中、駆けつけて下さった安藤先生、遠藤部長始め遠来の皆さま、ご指導ご協力いただいた地元・町お役場の皆さまに感謝し、今回のご縁をとりもって下さった上野理事、更には理事との出会いの場を作っていただいた全国草原再生ネットワーク・高橋佳孝会長に、改めて『飲水思源』を以てお礼言上申し上げたい。(清水、記)
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