2024年12月18日水曜日

活動報告 茅出し -べっぴんさんの嫁入り-

 

茅出しは、「入会の森」の冬支度です。

4月の野焼きに始まった今年の茅場仕事も、茅を出して年納め。10月の茅刈りイベントでは、まだ青み多いススキでしたが、地元茅刈り職人渡辺さんや自伐組み、青水有志が11月中頃まで刈り進めていくうちに、黄金色へと変わって行きました。

雪の中の茅場


 

いよいよ嫁入りの日。この日は、寒風吹く冬型の気圧配置。都市部は晴天でしたが、赤城山が見えるところになると雪が降ってきました。積もる前に出せとばかり、到着そうそう作業を始めます。前日には、自伐組が天気予報を見て、早急に対応してくれたお陰で半分出されておりました。そのため、同じく天候が心配で、早めに筑波を出発した平沢官衙遺跡搬入トラックに、すぐ積むことが出来ましした。自伐組の皆様、ありがとうございます。

 

曳きずるボッチにどんどん積もる雪

積もればその分どんどん重くなる

寒さに負けるな

無事に「べっぴんさん(上ノ原の茅のこと)」を嫁に出せ

ボッチの先をつかんで一度に2ボッチ

曳き出す前の結束

 

湿った茅はとにかく重い


一度に沢山の茅を出す新兵器「橇」
欠点は斜面をもって上がるのが大変


積み出し前にべっぴんさんとトラック待ち




疲れ無し若者

今年の嫁入り先は、昨年に続いて筑波の平沢官衙遺跡実物大復元建物に600ボッチ(3000)鴨川の「小さな地球ゆうきづか」の葺き替えプロジェクト学生有志が刈った150ボッチ(750)です。残りの84ボッチ(420)で、広場の白樺を芯柱に『にゅう』を作りました。雪融けまで、ここ上ノ原で保管します。

この保管方法は、上ノ原の茅が藤原集落だけで循環していた時代のやり方です。この茅を春先に雪橇で運んだそうです。『にゅう』のくくり方が合っているのか分かりません。知っている人は、もう茅出しには来ることは叶いません。もっと早くに習っていたらと、悔しい気持ちが湧いてきました。でも、後悔したって仕方がない。『やってみる』これも継承の一技なのかもしれません。このくくり方で良かったのかどうか、来春の雪融け後に分かります。

 

今年,初挑戦の「にゅう」作り

手探りの縛り方


支えは塾の看板と白樺の木


=山の口終い=

一年の入会仕事が無事に終えられたことを、今回お世話になった宿『樹林』我ら入会仕事の師匠の一人、阿部惣一郎さんの墓前でご報告いたしました。

また、宿から上ノ原へ向かう途中、茅刈り職人雲越萬枝さんのお宅を訪問し、ご挨拶とご報告を致しました。

最後に、草原の広場に鎮座おわします十二様にお神酒と山のもの・里のもの・海のものと塩と水と米をお供えし、感謝と無事と祈願をこめて祝詞を捧げました。

十二様に祝詞奏上


今年の茅ボッチ数
茅刈イベント166ボッチ 830束
茅刈衆(地元)412ボッチ 2060束
合宿106ボッチ   530束
小さな地球 150ボッチ 750束
 計    834ボッチ 4170束 

嫁入り先
 平沢官衛遺跡(茨城県つくば市) 600ボッチ 3000束
 ゆうきずか(千葉県鴨川市)150ボッチ 750束
 上ノ原にゅう 諏訪神社用ストック 84ボッチ 420束 

 

来年も善い入会仕事が出来ますように

皆様も良いお年をお迎え下さい。       報告  藤岡和子

                      編集  草野 洋

                      写真  清水さん提供

               


                   茅だしスナップ








        

 

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