茅出しは、「入会の森」の冬支度です。
4月の野焼きに始まった今年の茅場仕事も、茅を出して年納め。10月の茅刈りイベントでは、まだ青み多いススキでしたが、地元茅刈り職人渡辺さんや自伐組み、青水有志が11月中頃まで刈り進めていくうちに、黄金色へと変わって行きました。
雪の中の茅場 |
いよいよ嫁入りの日。この日は、寒風吹く冬型の気圧配置。都市部は晴天でしたが、赤城山が見えるところになると雪が降ってきました。積もる前に出せとばかり、到着そうそう作業を始めます。前日には、自伐組が天気予報を見て、早急に対応してくれたお陰で半分出されておりました。そのため、同じく天候が心配で、早めに筑波を出発した平沢官衙遺跡搬入トラックに、すぐ積むことが出来ましした。自伐組の皆様、ありがとうございます。
曳きずるボッチにどんどん積もる雪
積もればその分どんどん重くなる
寒さに負けるな
無事に「べっぴんさん(上ノ原の茅のこと)」を嫁に出せ
ボッチの先をつかんで一度に2ボッチ |
曳き出す前の結束 |
湿った茅はとにかく重い |
一度に沢山の茅を出す新兵器「橇」 欠点は斜面をもって上がるのが大変 |
積み出し前にべっぴんさんとトラック待ち |
疲れ無し若者 |
今年の嫁入り先は、昨年に続いて筑波の平沢官衙遺跡実物大復元建物に600ボッチ(3000束)鴨川の「小さな地球ゆうきづか」の葺き替えプロジェクト学生有志が刈った150ボッチ(750束)です。残りの84ボッチ(420束)で、広場の白樺を芯柱に『にゅう』を作りました。雪融けまで、ここ上ノ原で保管します。
この保管方法は、上ノ原の茅が藤原集落だけで循環していた時代のやり方です。この茅を春先に雪橇で運んだそうです。『にゅう』のくくり方が合っているのか分かりません。知っている人は、もう茅出しには来ることは叶いません。もっと早くに習っていたらと、悔しい気持ちが湧いてきました。でも、後悔したって仕方がない。『やってみる』これも継承の一技なのかもしれません。このくくり方で良かったのかどうか、来春の雪融け後に分かります。
今年,初挑戦の「にゅう」作り |
手探りの縛り方 |
支えは塾の看板と白樺の木 |
=山の口終い=
一年の入会仕事が無事に終えられたことを、今回お世話になった宿『樹林』我ら入会仕事の師匠の一人、阿部惣一郎さんの墓前でご報告いたしました。
また、宿から上ノ原へ向かう途中、茅刈り職人雲越萬枝さんのお宅を訪問し、ご挨拶とご報告を致しました。
最後に、草原の広場に鎮座おわします十二様にお神酒と山のもの・里のもの・海のものと塩と水と米をお供えし、感謝と無事と祈願をこめて祝詞を捧げました。
十二様に祝詞奏上 |
今年の茅ボッチ数
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