お茶講は鎌倉から室町時代にかけて武士階級の間で盛んにおこなわれた「闘茶」の流れをくむもので、同町白久保地区にのみ伝承される全国でも珍しい民俗行事。簡単に言うと、甘茶、渋茶(煎茶)、チンピ(蜜柑の皮を干したもの)という三つの材料の調合割合をかえた4種のお茶が計7回出されるのを、香りと味をたよりに言い当てるゲーム。今回の参加者23人の成績は、全問あたり(ハナカツギ)3名、全問はずれ(サカサッパナ)1名。この二つの比率が高いほど豊作になると言い伝えられており、この分だと今年の実りに期待が持てるそうな。
実は小生、前回2年前は正解1問の情けない結果。密かに捲土重来を期した今回、当日朝のコーヒー・お茶断ちをして勝負の甲斐あって驚喜のハナカツギ!
ところで、お茶講保存会の拠点・白久保「お茶講の家」(写真上)は茅葺き古民家で、町田工業さん(森林塾青水会員)が上ノ原のススキを使って屋根替えをやっている。因みに、町田社長は保存会の熱心な会員で今回体験会では「勝」=成績記帳方の役回り(写真手前)。
そんなこんなの事情を、初参加の川端さんや成瀬さんに見聞していただけたのも嬉しいことだった。
ところで、昼食をとった蕎麦処「たけやま」も茅葺き古民家建築でこの屋根材も上ノ原のススキ。そして、見学に立ち寄った国指定重要文化財「富沢家住宅」(写真上)の茅葺きにも上ノ原のススキが大量に使われている。いずれも町田工業さんの手による仕事である。
富沢家住宅は絹の国群馬を代表する最古級の大型養蚕農家建築で、世界遺産登録を目指す『富岡製糸工場と絹産業遺産群』の資産を構成する重要な文化遺産のひとつ。今はユネスコの暫定リストだが、正式認定されると上ノ原のススキが世界遺産の屋根材になる(-^o^-)
もっともっと、「細くて芯が強くてゴミが少ない」良いカヤ作りに励まなくちゃ。
09.7.8清水(記)
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