10年一昔、藤原集落にも会員にも10年の歳月が流れ老齢化が顕著になっている。
組織が活力を生むためには多様な人材で構成されなければならないとされ、よく「ばか者」「よそ者」「若者」が必要といわれている。青水のメンバーは「よそ者」の集まり、そして何よりも利根川源流の元・入会山(茅場と薪炭林)を再生するという事業に取り組むある意味での「ばか者」である、が、残念ながら「若者」の会員が少ない。
そこで、今後の10年目を見据えて二つの流れで新規会員対策を行っている。
一つは若い会員を増やす「世代(ジェネレーション)のつながり」である。
地元藤原では塾長の熱意あふれる勧誘で民宿やホテルの後継者が次々と加入する一方、都市側でも塾長念願の学生部が誕生し、早稲田環境塾とのコラボレーションプロジェクト古民家再生プロジェクトがスタートしている。
もう一つの流れが「流域(エリア)のつながり」である。
それは青水の活動に「志」と「アイデア」と「マンパワー」を頂戴する志援(協賛)会員の勧誘キャンペーンである。 これは利根川の源流域から下流域までの「利根川つながり」で企業・大学・研究機関等を対象にしており、まさに流域で支える現代版入会を目指すものである。
これまでのキャンペーンの結果、7月1日現在、みなかみ町をはじめとする源流域で21社にご賛同いただいている。今後は沼田市など群馬県内中流域、埼玉・東京・千葉の下流域に展開する計画である。
そのキャンペーン活動の7月のある日、塾長と小生が志援会員であるS氏の紹介でN市H市長に
青水の活動とキャンペーンの趣旨をお話しする機会があった。H市長は自然・文化・伝統や森林・農林業にご理解の深い方とお聞きしていたので、共感いただけるとは思っていたが表情も変えず説明を黙って聞いておられる姿に少々不安になった時、力のある声で言われた言葉が
「継続の右に出る説得力なし」であった。
失礼ながら市長にもう一度ききかえしたくらい感動した言葉であり、塾長は喜色満面。
H市長が青水を高く評価していただいたことがわかる何にもまして有難い言葉であった。そのあとのH市長は、ご自分の主張も交えながらこのような活動が本当に大事であることなどをとうとうと語られた。
その中に、下流住民から見れば利根川上流の地域は一つの単位で見ている。反対に上流からも埼玉も東京も千葉も一つの地域として見ればいい。この見方がこれからは大事で行政の枠組みを超えた広域でさまざまな問題を解決していく取り組みが必要である、との趣旨の話に意を強くさせられた。
青水が目指すものは大くくりすれば利根川水源地域の自然・文化・歴史を流域のみんなで支える現代版入会=流域コモンズである。上流からも下流からもこのような見方がベースになるのではないかと思う。
青水の活動は自分たちのやりたいことであり、これまで、しこしこと継続してきてそれなりの成果も達成感もある。別に世の中に認められるために活動しているわけではないが、時にはこのように世間や有識者に評価されることがやりがいにつながり明日の活力と成長の源になるのではないだろうか。
塾頭 草野 洋
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