2010年7月26日月曜日

天然ク-ラーと熱帯性都市型ジャングル

―「モグラもヒトも熱中症!」考 ―

・7月20日から3日間、塾の仲間とともに群馬県みなかみ町藤原に滞在した。麗澤中1年生「水源の森フールドスタデイ」と川越小5年生「里山探検クラブ」の児童受け入れのためだった。
上ノ原や田んぼのあちこちで、短い夏を彩る草花やチョウやハチやトンボなど様々な生き物が元気な姿を見せてくれた。用水路脇で大きなカエルを捕まえた子供たちが歓声をあげていた。都会の子たちが自然児に還った瞬間だった。(写真①)
・出会った生き物たちで驚かせられたのは、上ノ原に向かう車道に仰向けになっていたモグラだ。運転していた北山さんが発見、車から降りて確認すると息がなかった。丸まると太っていて車に轢かれた形跡はない。すると、地元の皆さんが“馬鹿げに暑い”と形容する猛暑のせいか? 22日の朝10時ごろ、アスフアルトの路上の温度は40度を越えていたであろう。下界の埼玉県下では、18日から23日までの6日間で21人が熱中症で死亡したという。医者も薬も病院にも縁のないモグラたち。いったい何匹、熱中症になっていたのだろうか、など愚考した。(写真②)
・この3日間、飲み水は全て谷の湧水で済ませた。水温は10度、森の中(標高1070㍍前後)の気温は日中で26度前後。湧水はまことに美味く、林内は正に天然クーラーさながらに涼しく快適。民宿の朝夕は肌寒いくらいだった。ところで、最終日の22日18時半から始まるW大学「環境講座」受講のため、東京に直行し新宿駅で乗り換えた。なんだ、この“暑さ(熱さ)”は! 缶入り飲料が飛ぶように売れている。19時、教室に飛び込んだ。「環境講座」とはいえこの暑さ、冷房は入れている。20時現在の室温を携帯温度計で計ると28度。昼間の田舎の森(天然クーラー)26度VS 夜中のコンクリートビル街(熱帯性都市型ジャングル)28度、という構図。(写真③)
・猛暑が続くこの夏。気温が1度上昇することの経済効果は約4,000億円、の由。(日経新聞7月24日夕刊) 藤原に滞在した3日間、水も買わなかったしエアコンも使わなかったので、環境負荷は限りなくゼロだが経済効果も限りなくゼロ。東京にいて缶入りのお茶買って冷房がんがん入れれば、経済効果は抜群だけど環境負荷も絶大。各地で猛暑の記録を更新した7月22日。同じ1日のうちに、二つの異なる土地に身をおいて経験した対象的な事象。地球環境問題の本質の一つは不可逆的現象であること、と学んだ。かつての『暖冬異変』が死語となり『猛暑日・熱帯夜』が常態化しつつある今日。我々はどうしたらよいのか? 環境講座の講師や受講生の皆さん、ヒントをご教示下さい!
(2010年7月25日。清水)

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