しばらく時間が経過してしまいましたが、7月10日11日にかけて中之条、新治、藤原地区の古民家を見ながら、茅葺き建物について、古民家の利用、古民家再生の大変さについて学んだセミナーを報告します。
◇一日目(7月10日)
7月10日11時に中之条駅に集合して、最初に町田工業さんが葺き替えた四万温泉の薬師堂を見学に行きました。
■薬師堂(やくしどう)(国指定重要文化財)
◆昭和25(1950)年8月29日・指定
◆所在地 中之条町大字四万4371間口5.46m奥行5.46m、寄棟造三間四面。慶長3(1598)年、伊勢国鹿目喜左衛門藤原家貞が、真田伊豆守信幸の武運長久を祈願して建立したものであり、室町時代の建築様式(唐様和様の折衷)を出組・桁の形・板蛙又の絵模様・木鼻の渦巻等にその様式を残しています。
右側の写真は「薬師堂」の前にある「お籠堂」です。このお籠り堂は、長く治らない病気になったときに、このお堂に泊り込み、病気が治るよう薬師様にお祈りをしたのだそうです。
その後、昼食のために「道の駅霊山たけやま」茅葺き民家を移築した蕎麦屋にそばを食べに行きました。
■そば処けやき
寄棟造りの茅葺き農家を移築改造した「そば処けやき」は、そば打ち体験施設「たけやま館」の南側にあり、嵩山との景観とも実にマッチしています。
その後、「たけやま館」の2階の座敷で座学で、町田さんが茅葺きの建物について、北山さんが古民家再生プロジェクトと自邸の古民家再生のお話、浅川が古民家とは、古民家利用事例について説明しましたが、建築基礎用語講座になってしまいました。一般の方々に建築用語を説明するのは大変ですが、学生はすぐに覚えてくれます。
■旧(きゅう)五反田(ごたんだ)学校(町指定重要文化財)
◆昭和63(1988)年3月26日・指定◆所在地 中之条町大字五反田1648 木造平屋建、入母屋造・亜鉛鉄板葺、間口50.9m(28間)、奥行9.91m(9間)。 明治43(1910)年建築で、建築記録もあり、学校建築の様式・費用等を知ることができます
その後、町田工業が茅(ススキ)を保管している倉庫を案内してくれました。ここには上ノ原のススキはありませんが、背が高いススキが保管されています。
中之条の茅場です。町田工業さんが刈り取りをおこなっています。そのそばにも茅の保管倉庫があり、上ノ原のススキが保管してありました。
現在富岡製糸工場と一緒に世界遺産申請中の富沢家住宅です。とても大きい建物茅葺に皆さんびっくりです。ここの屋根も上ノ原の茅が使われています。
■富沢家住宅(国指定重要文化財)
◆昭和45(1970)年6月17日・指定
◆所在地 中之条町大字大道1274間口23.97m、奥行12.95m、二階建茅葺、入母屋造。三国街道脇往還沿い、江戸時代に建てられた大型養蚕農家の代表的なもので、一階は「土間」「ざしき」「でえ」「じょうだん」に仕切られ、「じょうだん」は書院造りでツリ天井。運送業も営んでいたので土間は広く、厩が4つもあり、二階では養蚕を行なっていました
●いちむ茶屋
宿泊した猿ヶ京温泉の民宿焔硝屋は、三国街道沿いにありますが、三国街道を散策する方が途中で休憩できるように、空き家となった古民家をお休み所として使っています。昨年度までみなかみ町観光商工課長の林さんに教えていただき、中を見させてもらいました。トイレなどは回収してますが、囲炉裏なども残されており、大変よい雰囲気でした。
●旧三国街道
道路沿いに水路があったり、要所に高木があったり直線道路ですが歩いてみたい道です。
その途中にお世話になった民宿焔硝屋があります。昔は鉄砲の焔硝を作っていたそうです。屋根は茅葺きを被せてありますが、古民家を改装した民宿です。
●猿ヶ京関所にて民話を語る
林さんに「今晩、猿ヶ京関所で民話を語る会がある」と教えられて、西川のホタルを見た後少し遅れて、聞きに行きました。古い建物の中でのこのようなイベントはたいへん雰囲気がありよかったです。できれば子供たちに聞かせてあげたい民話でした。
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