2018年9月7日金曜日

for rest(休息のために) = forest(森)を感じて


 『ミズナラ林遊歩道整備と諏訪神社大祭』、この事業計画発表の時から参加を決めていました。酷暑の夏が過ぎ、高原の風はやはり涼しく心地良いものでした。

 1日目は、ミズナラ林の遊歩道作りと樹木への名札付けでした。名札班の私は3名の方と共に林に入りました。林を一見して、種数の多い林という第一印象でした。

 高木は、ミズナラ、アカイタヤ、トチノキ、ホオノキ、ハリギリなどが占め、亜高木と呼べる階層には、高木層にある樹種に加えてミズキ、タムシバ等が、低木にはさらにマユミ、コマユミ、オオカメノキ、オオバクロモジ、ヤマウルシ、つる性のツタウルシ、ヤマブドウなど、林床には、ササ類や低木層の幼樹がよく繁茂する広葉落葉樹林です。

私がよく入る日本海側雪国の森と頭の中で比べていました。しかし、この標高で当然あると思っていたブナやその下部のユキツバキが全くありません。また、常緑性の地這性低木であるエゾユズリハやヒメモチ、ツルシキミなども見えません。かなりの積雪があるのに、近くの国境を越えるとこうも違うのに驚きです。

名札付けは楽しい作業でした。ご一緒の方々と「この木の名は○○だ、いや△△だ」などと言いながら、写真を撮ったり、木登りしたりして名札を結びました。時には木から落ちることもあり、少々傷だらけの身体となりましたが、樹木名を思い出したり、教えてもらい勉強になりました。

他の8名の皆さんは、遊歩道(木馬道)作りと座観の場作りでした。“座観”について、はじめに塾長から説明がありました。「林は、歩くことと共に、時には座して休みながら景色を眺め、それぞれが異なる独自の構図を頭の中に描く、そのための大切な場所でなんだ」と。伐採した丸太を数本広場に横たえ座る場とするものでした。

座観式庭園というものがあるそうです。室町時代頃に興った、書院や座敷から座観鑑賞するための比較的狭い庭園だそうです。森や林は何のための場所か?“休むための=for rest”つまり”forest=森“です。森に座して景色を眺める者に潤いや安らぎ、休息を与える空間として座観場所は大切なものなんですね。

2日目は、朝、ススキ草原を散策しました。清水さんから「草木塔」を案内していただきました。その謂れを説明していただき、大いに感動しました。私のよく行く山中では馬頭観世音などにはよく出会いますが、草木塔は知りませんでした。
 

それは、草木に感謝し、その成長を願って建立されたと伝えられる石碑のことだそうです。その昔、米沢藩の江戸屋敷が焼失し、その再建のために米沢の山林が伐採され、また、現在の米沢市で大火があり、その復興のために米沢の山林が伐採されたことに対する感謝の念がきっかけとなったとされているようです。国内で160基以上確認されており、その9割が山形県内置賜地方にあるとのことです。“自然と人間との共生”忘れがちな精神です。

10時頃より諏訪神社例大祭を見学(参加)しました。神事後に藤原地区総出で神社境内に集まり、獅子舞や演芸を楽しんでいます。担当地区の役員から御神酒、ビールやおでんが振舞われ、秋の収穫を待つ一時の休暇なのだろうか、見学する集落の人達の楽しそうな顔が印象的でした。

この大祭は、祭り担当の方から聞いた話ですが、通常は毎年8月17日に行われるらしいです。上区、中区、下区が3年に一度の当番で、3年もすると獅子舞を忘れてしまうので、3週間前から夜に練習してきたとのことです。祭りは建久2年6月から続くものだそうで、建久3年には源頼朝が鎌倉幕府を開いているので、鎌倉時代初期から818年も受け継がれてきたものです。国久保、日本懸り、耶魔懸り、吉利と4つの獅子舞があり、だんだん踊る時間が長くなり、最後の吉利は2時間位も踊り続けるとのことです。

 

昼過ぎ、遠くに祭りの囃子を聞きながら藤原地区を後にしました。2日間、とても楽しい体験でした。いろいろ教えていただいた青水塾の皆様に感謝申し上げ、また訪れることを誓いました。
 
 
            奥野正春さんの参加の感想です(草野)



 




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