今年最後の活動は茅出しです。10月30,31日に刈った茅ボッチを道路端まで曳きだして集積、トラックに積み込む作業です。
茅刈で刈った茅ボッチはイベント刈、合宿刈り、茅刈衆を合わせて約800ボッチ(4000束)になっています。ところが、今年はコロナ感染症の影響で文化財修復の予算がことごとく後回しにされているようで納品先の町田工業さんのところが茅束の在庫を抱えたままということで新たな引き取り先をさがすことになりました。日本茅葺文化協会の上野さんの斡旋で千葉県鴨川市で古民家修復を計画している一般社団法人「小さな地球」という団体が一部を引き取っていただけるということになりました。
今回の参加者は20名、現地に到着後山之口終いの神事を行い早速ボッチの曳き出しです。
茅ボッチは11月9日の上ノ原一帯に吹いた突風で大方が倒れましたが、茅刈衆と自伐林業&藤岡チームが起こしてくれたおかげで良く乾燥して軽く、茅の成長も良く、刈り手の腕も上がって運びやすい茅ボッチとなっており比較的短時間に曳き出しが終わりました。
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山之口終い神事 |
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重労働の曳き出しですが今年は少し楽でした |
3時には野点もおいしくいただきました。快く引き受けていただいた駒井さん、西山さん、美坂さん有難うございました。
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お茶の時間 |
到着したトラックに積み込みましたが高速を走ることから予想より少ない荷姿となってしまいました。
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1日目の積み込み |
この日の宿は樹林、夕食の後、場所を遊山館に移し車座講座です。語り部は河辺さんでタイトルは「ミツバチのはなし」渋谷にあるビルの屋上で養蜂をしてはちみつを生産されている河辺さんが愛情たっぷりに育てながら観察し、撮影した沢山の写真を使い賢く社会性をもつミツバチの生態をわかり易く解説してくれました。参加者の皆さんは初めて聞くことばかり、すっかりミツバチのとりこになってしまったようです。
2日目は、トラックの到着まで2時間ほどの余裕があったので、みんなで茅場の後背林「ゆるぶの森」を散策することにしました。すっかり葉が落ちて明るくなった森の中を落ち葉を踏みしめてその音も楽しみながらゆっくり歩きます。この森はミズナラ、コナラ、ミズキ、トチノキ、シナノキ、オオヤマザクラ、イタヤカエデ、ブナなどの多様な樹木、藤原崩れ、黒ボク土、キノコ、湧水、動物の痕跡、林業・木材などのインストラクションのネタ満載です。今回は茨城自然博物館の小幡さんが同行されて植物ネタを解説してしていただき中味の濃い散策となりました。そのおかげでこの森の豊かさを再認識しました。
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落ち葉を踏みしめて |
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シナノキの種を飛ばしてみる |
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シイタケも生えていました |
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落ち葉を並べてその違いを |
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熊棚 |
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熊の爪痕 |
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ブナの殻斗 |
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美味しいブナの実を探す |
昼前に小さな地球の代表の林さんが運転するトラックが到着して積み込み。小さな地球に嫁入りさせた茅ボッチは1日目が80ボッチ、この日が115、合計195(975束)となりました。
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2日目積み込み |
小さな地球と青水はやっている内容がよく似ていて親しが持てる団体です。これからも交流していくことになるでしょう。早速来年9月に茅葺をする計画があるので嫁ぎ先を訪問することにしましょう。
上ノ原には、萬枝師匠が、「いい茅でみんなの腕も上がった」とお褒めいただいた茅ボッチが3000束残りました。残りは例年通り町田工業さんに引取っていただくようお願いしています。
文責 草野
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