10月26日清々しい秋晴れの空に紅葉輝く日、麗澤中学校1年生の『自分(ゆめ)プロジェクト』奥利根水源の森林フィールドワークに、森林塾青水メンバー数人がインストラクターとして関わってきました。
自分(ゆめ)プロジェクトとは、麗澤中学・高等学校6年間を通じて麗澤教育が大切にしている『感謝の心』『思いやりの心』『自立の心』を育てるプロジェクトです。キーワードは自分そして夢。将来に向かって生きる中で困難にぶつかったとき、しっかりとした目標・夢・志が再びチャレンジする自分の支えとなります。プロジェクトでは、様々な体験や実践を通じて、自分のことを真剣に考え、関心・適性・能力を探り、自己理解を深めていきます。その第一歩が、奥利根水源の森林フィールドワークです。5月に行われた学校内での五感樹木観察会も、秋に行う水源の森でのフィールドワークに向けた意識付けのため実施しています。
ところが、成長過程にある子どもたちにとって大切な『自分(ゆめ)プロジェクト』の体験分野フィールドワークが、新型コロナウイルス感染防止対策のため、2年間の中止を余儀なくされました。開催に向けた感染対策を練り、今年ようやく満を持して再開です。
*** 癒しとは、気づきであり、自分がありのままで生きるためのきっかけである。
直感的に脳がシフトする中にある、自然を含めた全体性の中に生きることの気づきである。***
=本より抜粋=
癒しプログラムは、遊びと学びを分けない、心身全体に働きかける遊学であることが前提です。そのためには、全プログラムを、ひとつの流れに組み立てることが鍵となります。そこで、コロナ前から行っていたプログラム、茅葺き屋根古民家見学・茅刈り体験・自然観察の3つに絞り、各々タイトル付け、全てが繋がりひとつの流れと感じるようにしました。また、ひとつひとつのプログラムの時間を長くし、ゆったりとした時間の中で全身で体験できる時間を取りました。
・自然と暮らし~雲越家住宅古民家見学~60分
・自然と仕事~茅刈り体験~80分
・自然を感じる~観察・遊び・ヒーリング~130分
・自分を感じる(呼吸を感じる)
・相手を感じる(背中合わせになり相手の呼吸を感じる)
・相手との関わりを感じる(押す・もたれる)
・シェアリング
<ゆるぶの森・草原散策>
・自分の暮らす街と上ノ原の比較
・自分の暮らしと自然に寄り添う暮らしの比較(薪炭林・茅場利用)
・暮らしの水はどこからくる?水源の泉
・シェアリング
<自然と自分>
※導入で行った人とのワークを自然物を相手に行う
・好きな自然物を選ぶ
・五感を働かせて相手(自然物)の呼吸を感じる
・自然物と押す・もたれる
・シェアリング(相手が人の場合、自然物の場合の比較など)
<視覚を封じた目隠しトレイル>
樹木間を一本のロープでつなぎ、手探りでロープの端までたどる
フィールドワーク当日のそういった体験の数々、子どもたちの様子について、ここで多くは語りません。子どもたちひとりひとりが感じることで、その時がありのままの自分の学びであり、気づきであり、癒しになっていたからです。是非、このブログをお読み下さっているみなさまも、掲載している写真から想像を膨らませ、子どもたちが体感した秋の上ノ原へ行ってみて下さい。上ノ原の風を今、感じませんか。
「はい。ここで荷物を降ろして遊びましょう」
そう子どもたちに呼びかけた時の解放した表情や声は、それはそれは希望に満ちたものでした。
「友だちは押したら直ぐ返してくれるから楽だったけど、樹は自分が頑張ってやらないと(意識を向けないと)返してくれない」
そう感想を伝えてくれた子。学校ではおとなしい子が、蔓をのぼり自分の背丈まで上がった姿に驚いている子。
友情を確かめ合ったり、知らなかった友だちの姿に気づけたり、水源の水が美味しかったり、風が吹き木々は揺れ木の葉が舞ったり、ネズミの巣穴前にドングリが同じ向きで並んでいたり。そういった小さな気づきや小さな関わりが、自分(ゆめ)プロジェクトの一歩ではないでしょうか。
マイナスなことばかり浮かんでくるコロナ社会ですが、このフィールドワークにとっては、より深く里山文化上ノ原を体験するプログラムに練り直し、実践する良い機会となったと感じています。また来年、どんな子どもたちに出会えるのか今から楽しみです。
当日の子供たちの生き生きした様子の一部を見てください。
草原の向こうに谷川を望み歓声 |
ブドウつるにぶら下がる |
木登り |
目隠しトレイル |
背中を合わせて冥想、友達を感じ 落ち葉の音、風などそして自分を感じる |
なんでも遊びにしてしまう |
報告 幹事 藤岡和子
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