2022年11月15日火曜日

活動報告「茅刈」 -ボランティアの底力を発揮・カモシカも加勢-

 今年の茅刈は1029,30日に参加者は33名に現地スタッフや役場など総勢38名が上ノ原茅場で2日間の茅刈を行いました。今年の参加者は若人が多く、茅刈を経験しているリピータも多く、目標の刈束数3000がクリアできることを期待させる顔ぶれが揃いました。その結果を先に発表すると、670束(134ボッチ)を刈り上げました。このほか、30日に延泊して31日まで刈った「合宿組」5人が暫定値400束(80ボッチ)、合計1070束、これに地元の茅刈衆の出来高を入れると目標の3000ni届くことになります。数量は茅出しの際の数量検知で確定します。

今年の参加者


 今年の茅束の嫁入り先はつくば市の「平沢官衛遺跡(ひらさわかんがいせき)」の土壁双倉の茅葺を修復に使われます。。平沢官衛(ひらさわかんが)遺跡:平沢官衙遺跡 - Wikipedia ボランティアの底力のおかげで歴史的遺跡の屋根が蘇ります。

 秋晴れに恵まれ、周囲の山々の鮮やかな紅葉で疲れも吹っ飛ぶような風景の中の初日、始まりの式で「未来に残したい草原100選」認定証の披露のあと、雲越萬枝師匠による茅刈講習。去年とはちょっと違った所作の突っ込みに「毎年やっていてもおいらも研究をしているだよ」との師匠の言葉が身に染みました。師匠の人柄があふれる指導でみんなの腕が上がっていることは確かです。

         

今年も素晴らしい紅葉

草原100選認定書披露

         
萬枝師匠

 今年の茅の出来具合を見ると、3年ぶりに野焼をやった広場の上あたりは良い茅になりましたが、6年ぐらいやっていないブロックは雑草が多く、茅の生育が芳しくなく、この差は野焼の効果でしょう。
 この日、あるアクシデントがありました。Uさんが刈っていると、突然カモシカの子供が突進してきて「すね」に激突、Uさんもカモシカも転倒。カモシカはそのまま走り去りました。その一部始終を目撃したMさん。近くで心配そうに見ていたカモシカの母親(?)をすかさずスマホの写真におさめたプロ写真家のNさん。幸いにUさんの怪我は「すね」の擦過傷だけ。その夜の交流会で話題になり盛り上りました。上ノ原では一組の「つがい」のカモシカをたびたび確認していて、われわれはこの夫婦を「武尊君」と「朝日ちゃん」と勝手に呼んでいます。さて今回の遊び好きなイノシシ突進型子供カモシカはこの夫婦の子供だと思いますので名前を「谷川号」と呼びたいと思います。

朝日ちゃん❓

           
すねの傷

 この夜の車座講座は藤岡和子さんの昨年の茅の嫁入り先である千葉県鴨川市釜沼「小さな地球」の「古民家ゆうぎつか」の茅葺屋根を復活させるプロジェクトの体験記、豊富な写真をパワーポイントで投影しながらどのような茅を生産したらいいか茅葺体験をすることによってわかると熱弁をふるっていました。

彼女によると此処の茅葺の施工職人が上ノ原の茅を「べっぴんさん」とほめてくれたそうでそれを聞いて大変うれしくなりました。

和ちゃんの熱弁

         
古民家ゆうぎつか

 1日目の刈り数が予想よりも多かったので2日目は10時までは茅刈、その後希望者は「ゆるぶの森」の散策としました。

参加者のうち4人が茅刈検定に挑戦したので、検定を実施。4人とももう1ポイントか2ポイントで茅刈士補という腕前でした。次回は「茅刈士補」間違いなし、4人とも若いのでひょっとしたら初の「茅刈士」が誕生するかも。

検定中


 ボッチのままで3週間ほど乾燥させて111020日の「茅出し」で平沢官衛遺跡に嫁入りさせます。

         

ボッチ

 今年も2日間の刈り数に応じて「ボッチ券」が配布され張販売店の周りは地元産野菜などを購入する参加者で賑わいました。

         
移動販売


  茅刈スナップ
        
 
            


写真は、清水さん、中塚さん、笹岡さんにご提供いただきました。有難うございました。
おかげさまで楽しいブログを作成することができました。
                              報告 草野洋

0 件のコメント:

コメントを投稿