二、三日前から急に寒気が押し寄せ、山々はまだ緑でも、上ノ原のススキ草原はすっかり秋の気配。10日7日、8日の「ススキの種採集とミズナラ林整備」のプログラムには、地元2名を含む会員会友16名が参加しました。
初日は生憎の雨、ススキの穂は乾燥した状態で提供しなければならないため、作業を急遽、翌日実施予定の森林整備に切り換えました。
北山塾長がチェンソーによる伐採の手順を示しながらミズナラを伐採、参加者は各自ノコギリを手にミズナラ等の伐採木の枝葉を伐る作業に従事しました。
塾長が伐採のお手本 |
ミズナラの切株 |
伐採木の枝葉処理 |
枝葉の処理が一段落ついたところで作業を切り上げ、「藤原ぼん展覧会」を見学するため。集古館に車で移動しました。
トチやホウノキ等の落葉広葉樹が豊富な藤原では、昔から木地師が様々な木製の生活用具を製作していましたが、それを「藤原盆」と呼びならわしていたということです。 かつては利根郡内の各家々で使われ、時には献上品にもなっていた「藤原盆」ですが、生活様式の近代化とともに、いつの間にか藤原盆の制作技術も途絶えつつあります。そうした中、その真価を再認識しようと結成された「藤原盆研究会」が、この展覧会を主催しました。放射状についた鑿の削り跡が藤原盆の特徴ですが、大きなこね鉢から小さな丸盆まで、大きさも形状も様々で、中には注ぎ口のついたものまであります。参加者は藤原の歴史を伝える生活用具にしばし見入っていました。
集古館入口 |
展覧会パンフレット |
ハサミでカットして、腰からぶら下げた土嚢袋にいれるという単純な作業ですが、作業に熱中すると、いつの間にかお互い離れ離れになってしまいがちです。また、土嚢袋でなく、通気性の良い洗濯ネットを使うなど、それぞれ工夫しながら作業に取り組みました。
茅穂刈 |
11時頃まで二時間作業したところ、採れた量は11名で生重量約11キログラムほど。今年度目標の乾燥重量30キログラムには遥かに及ばないことから、昼食後、午後1時半頃までもうひと踏ん張りして、何とか合計15キログラム以上を確保。古民家の居間にブルーシートを広げて乾燥させ、後は北山塾長以下自伐林業グルーブに託して、藤原を後にしました。
シートごと茅穂を車へ |
古民家で広げて乾燥 |
ススキの種の採集は今年で二回目。草原としての上ノ原の価値を高めてゆくために、さらに試行錯誤を重ねで、来年に臨みたいと思います。
作業の合間に |
10月初旬の上ノ原 |
付記 茅穂は東京の種苗会社に納め、生物多様性を配慮した関東一円の山地崩壊地等の 復旧(緑化)に郷土種として航空緑化等で播く種子となります。
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