2023年8月27日日曜日

活動報告「夏の上ノ原生き物調べ」

  基本的には8月の活動はお休みですが今年度は8月19日、20日植物中心の生き物調べを実施しました。森林塾青水が上ノ原の茅場再生に着手したのが2004年、来年は20年目になります。着手前と途中で何回か生き物調査を行っていますが、ようやく入会地として利用されていたかつての茅場らしい状態になったことから20年目に専門家による本格的な生き物調査を実施する方向にあります。そこで、来年に向けて会員でもその一端が担えるようにプレ調査を実施することになりました。
 今年の夏は異常な暑さが続いており「命に危険が及ぶ暑さ」とか表現されるほどです。また雨も少なくダムの貯水量も減少し続けております。
 その暑さのど真ん中、上ノ原は標高1,100mですので都心よりも5℃程度は低いはずですが下界が熱ければ天上も暑く、日の当たるところは30度、動きも緩慢にならざるを得ません。今回の参加者は親戚のおばちゃんの話を聞いて興味を持ち初めて参加した女性、そして会の活動を支援していただいているイオン環境財団の3名の参加を含めて16名、皆さん草花と涼を求めて参加していただいたようです。
 1日目の到着後、雷鳴が轟き、雲行きが怪しくなり、そのうちかなり強く降り出しました。雨の中の調査は気分的に嫌ですのでしばらくテントの中で西村さんに事前知識として上ノ原の植物について解説していただいていると雨が小降りになってきたので茅場をひとめぐりしながら実際の植物で解説をしていただきました。

小雨の中で植物の解説

そして今回期待した貴重種のオオナンバンギセルを探したところありました。自らは光合成をせずススキなどのイネ科植物の根に寄生している不思議な植物でススキの陰でうすい紅色を帯びた花が咲いていました。
 詳しくは オオナンバンギセル - Wikipedia を参照

オオナンバンギセル




これも貴重種スズサイコの花

 夕食後の車座講座はとても充実したものになりました。まず、北山塾長の森林塾青水のあゆみとこれからめざすもの、次に日光カヤボッチの会の飯村さんの土呂部草原の地形、気候植物、活動の特色、上ノ原との違いなど、そして締めが西村さんの上ノ原の生き物たちです。いずれもパワーポイントを使いながらの説明はわかりやすい内容でした。

この夜予定していた星空観賞会は曇り空のため残念ながら中止となりました。

 2日目、朝から太陽がジリジリと照りつけ気温はたぶん32度ぐらい。まずは全員で林道わきをルートセンサスしました。対象はアザミの種類とヒメジオン、シンボル昆虫のヒメシジミです。この調査は継続して実施しています。


 今年はヒメシジミが少なく残念ながら7月にも乱舞を見ることができませんでした。
 ススキの生育は雨が少なかったせいか順調でないのとやはり季節は1~2週間ほど早くなっているようです。
 そのあと貴重種Mの個体数調査とシカから守るために周りをシカ柵で囲む作業を汗だくで行いました。

ルートセンサス風景


シカ柵設置

やはりこの暑さ、体力的に長く続けることは危険なのでプログラムは此処で終了、残り時間を岡田さんの野点をいただいたりして過ごしました。
 以下、今の季節の上ノ原の草花たちです。

ツリガネニンジン


ヤマハギ

ノハラアザミ

ハバヤマボクチ

オトコエシ

写真は清水さんに提供いただきました。
                        報告 草野

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