2024年11月3日日曜日

2024.茅刈り実施報告-茅刈りも段々辛くなり-

  森林塾青水の大きな作業の一つが茅刈りです。もう一つの大きな作業の野焼きから半年ほど、ススキの丈は2mを越しフワフワの穂を揺らしています。ただ、いつもの年と比べると大分葉の青さが残っています。

いつもより青いススキ


ここの茅の行き先は関東一円の寺社の葺き替え等です。また、東日本大震災の際は福島に建てられた仮設住宅の断熱材にも使われました。そして、去年に続き今年も茨城県の平沢官衙遺跡(国の史跡)で復元された正倉等の屋根の葺き替え用に送り出します。

 このグループで活動し始めの頃、『日本茅葺き文化協会』なるものがある事にとても驚きました。茅葺きの協会!いったい何をするんだろうと。今は分かります。少なくなる茅場と職人ですが、寺社等の葺き替えの需要は続きますので茅の生産は重要なのです。近年、日本の『伝統建築工匠の技』がユネスコ無形文化遺産に登録されましたが、材料の提供である『茅採取』も含まれるのです。これは大いに喜ばしい事です。

  当日集まったのは39名。ベテランを囲んだ刈り方のレクチャーでは、みんなスマホを掲げて熱心です。それが済むと初心者はベテランの隣で1ボッチ作ってみます。まず茅を刈って径20㎝の束を5つ作ります。それを1つに纏めてボッチにします。重要なのはゴミ(雑草)を入れない事と束をギュッと結わく事。それによってその後の仕事がし易くなるのです。勿論、職人にとっても使い易い茅になるのではと思います。

雲越萬枝さんの指導


いつまでもご指導お願いします。


 みんな思い思いの場所で刈っているのですが、茅で姿は見えません。私もここならと思う所に直行し刈り始めます。そこは丈の高い丈夫そうな茅が多いのですが、雑草も多いので刈る前に除きます。雑草で特に往生するのは高い茅に絡まった細い蔓です。それらは根元で切って上にしごいて取るのですが、背伸びしても最後まで手が届かず茅をカーブさせてようやくの時もあります。2日目は別の所でと思ってそこで1ボッチを作ったが、良い茅の塊があるよう見えるのにそうでもなく、1日目の場所に移動して昼までに4ボッチでした。前日のと合わせて計9ボッチ。

品質の高い大きな茅束


 これでボッチ券が9枚手に入ります。ボッチ券は超限定の地域通貨で1枚200円に相当し、茅場出張販売での地元産品購入と活動参加費充当に使えます。昼食後、居残り作業をしたのですが、5ボッチまで行かず。

ボッチ


 とても疲れました。参加したての10数年前は刈る時のザクッザクッとい言う音がとても気持ち良い音で、癒されるとさえ感じたのに、今は鎌を引くのにとても力が要ります。音もザクッザクッではなくなって来ている様に感じます。その頃、地元の古老5,6名が私達の指導をしてくださったし、自分の時間での茅刈りもされていました。が、段々減って今年はついゼロです。そんな訳で、青水でも『茅刈り合宿』と称して例会の他に首都圏等から茅場に通って刈っています。

 平沢官衙遺跡での必要数3000束。今、合宿組は更に頑張っている所です。

 どうか茅刈りに来てください!

ボッチの立つ茅場



ボッチの作成作業

自慢のボッチの前で


2日目集合写真、左に移動販売車

ベニテングダケ


                 報告 尾島キヨ子

                       写真提供 清水

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