2025年5月31日土曜日

活動報告 野を喰らう~山菜と草花の恵みにあふれる2日間~  2025年5月31日~6月1日

  野焼を終えひと月余りたちました。上ノ原は、命芽吹き賑やかに香り立つ季節を迎えました。植物たちは、次の世代につなぐため子孫を残すために、生き生きと養分を吸収し成長していきます。その命の一部をいただくプログラムです。

 なぜ山菜採りを年間プログラムに組み込んだのかというと、コロナ禍で野焼きを2年中止せざるをえなかったことと、再開後も悪天候続きで十分に焼けなかったことで、茅刈りでは雑草(ゴミ)と呼ばれる植物が増えてきたからです。梅雨に入る前、入会地で山菜を採り、食べることで夏に負けないからだをつくることは、屋根を葺き、家を守り、暮らしを次世代につないできた先人の日常でした。その当たり前を復活させること、この時期にススキ以外の草を採り活用することは、茅刈りの効率アップにもつながります。

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ワラビを採ろうとした矢先、ゴロゴロと雷が鳴りポツポツ雨も本降りになりました。一時車に戻り避難します。植物たちはというと、暗天にも負けず雨粒を纏い輝いていきます。雷が遠のいたところで、カッパを着て草原に出ました。いつまた雷が鳴るか分からない天気なので、作業は広範囲に広がらず、広場からカラマツ林までの上段で行いました。雨の中での作業となりましたが、13人でコンテナ山盛りいっぱいのワラビが採れました。

この時期の上ノ原茅場

雑草(ゴミ)の除去&ワラビの採取

 
採りたてのワラビ


=ワラビの処理は採ってすぐ行うべし=

15時、藤原の集会所『遊山館』に移動してワラビの処理を行います。ご指導いただくのは、3月の活動『雪原トレッキングとうどん打ち体験』でもお世話になった、並木山荘のおかみさんの小俣マチ子さんです。

灰汁抜き

重曹と木灰の2通り行いました。「重曹何g入れますか?」おかみさんに尋ねると「まあ入れてみて」と言いました。ワラビの収穫量や、その年の生育具合で重曹や木灰の分量は違ってくるのだそうです。長年毎年行っているおかみさんの経験がなせる技。ワラビにまんべんなくまぶしたところで、熱湯をヒタヒタまで注ぎ密閉します。10分後、食べてみて好みの味になっていたら、重曹や木灰を水で洗い流し、一晩流水に晒します。もちろん上ノ原まで運び、水守様が見守るなか十郎太沢の水に晒しました。

灰汁あく抜く


十郎太の清水で一晩晒す


ワラビの塩漬け

野菜を入手することが困難な、雪国の冬の保存食です。

まず、ワラビの根元を揃えて輪ゴムで直径10cmくらいの束にくくります。次に、蓋付きの平らな発砲スチロールの入れ物にビニール袋を入れます。ワラビの向きを揃えて並べ、一列並んだら塩を約500gまんべんなくのせます。その上に今度は逆さに並べていき、塩を約500gまんべんなくのせます。これを繰り返し、最後塩をで終えます。塩は2kg用意していました。「これじゃあ足らないね」とおかみさんの一言に、そんなに塩が必要なのかと、皆目を丸くします。副塾長が家に持ち帰って1kg追加しました。

ワラビの選別結束

塩をまぶす


  宿泊でお世話になったのは『ロッジたかね』温泉のお宿です。湯舟に浸かれば、雨に濡れ冷えたからだに、じんわり染み込み癒されていきました。夕食は、しし鍋や豚巻きなどお肉料理が並びました。その美味しさとボリュームにお腹いっぱいです。

 今回の車座講座は、副塾長藤岡 和子の暮らしの研究『野を喰らう』から野の花種別に仕込んだ酵素シロップの味比べをしました。何を試食させられるかと、みんなおっかなびっくり舐めています。タンポポが美味しかったという人、スイカズラが美味しかったという人、ハナダイコンが好みという人、人それぞれ感想が違い、虫によって食べる草が違うように人間も違うものだなあと感じます。一旦上がった雨もまた降りだしました。明日の天気はどうなるのでしょう。

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小雨降る朝になりました。効率を考え、作業を3班に分けることにしました。

・昼食の天婦羅用の野草摘み班

・侵入木及び草の伐採班

・ススキの生育に与える野焼き効果と雑草駆除効果検証班

 野焼きとススキ以外の草を抜くことが、どうススキの生育に効果が出るのかデータを集める1回目です。2m×2mを4分割。今年野焼きをしたところ、去年野焼きをしたところ、毎年野焼きをするところの3地点設置しました。この面積で十分なデータが取れるのか分かりませんが、今年の茅刈りまで月1回調査していきます。

野焼きの効果&雑草駆除効果試験地設置

プロットの様子


昨日と同じ雨降る中の作業になりましたが、雷雲は発生せずシトシト雨。薪炭林内まで足を運び、ヤマブドウの新芽を採集しました。各班作業に没頭しました。

  お昼の支度に遊山館に向かおうとすると「おや?」雨がやみ雲間から青空が覗いています。雨は、人が作業するにはいささか厄介ですが、植物たちには嬉しい雨。瑞々しい野草が摘めました。

自然からいただいた野草


ニリンソウ

天婦羅用に摘んだのは、ハンゴンソウ/アザミ/ヨモギ/ウド/フキの若葉/ヤマブドウの新芽/タンポポの花/7種。ご飯のお供にとノコンギクの醤油浸しも作りました。『ロッジたかね』で握っていただいたおにぎりと共に、参加者13人でわいわい野を喰らいました。

調理中

銀座の有名天ぷら屋より美味しかったと好評


報告・写真 副塾長 藤岡和子

 

 

2025年5月24日土曜日

麗澤中学校樹木観察会 ―青水よりインストラクター13名が参加ー 2025年5月24日

 

5 24日土曜日、麗澤中学校1年生の樹木観察会 を中学校構内で行いました。この樹木観察会は学校 の「自分(ゆめ)プロジェクト」の一環で行われて いて、「自分自身を見つめ、自分自身を発見する」こ とがテーマになっています。森林塾青水がこの観察 会をお手伝いしてもう10年以上になります。今年は、 生徒165名、引率の先生11名、インストラクター13 名が参加しました。

麗澤学園は緑がいっぱい


 観察会は、「五感を使って感じる」「自分自身の気 づきを得る」ことをコンセプトにしています。樹木 の名前や自然の仕組みを知ることというよりも、あ くまでそれは題材にして、自分自身で観察したこと、 体験したことを大事にして、他の人と違ってもいい、 自分自身の感性や学びを持ち帰ってほしいと思って います。麗澤中学校の広い芝生広場で、そんな話を 生徒たちにもして、観察会スタートです。 生徒 1617 名のグループに先生とインストラク ターがついて、構内を回ります。観察会で扱う内容 はある程度は決めていて、樹木の生き方の特徴や工 夫について、例えば種子の散布方法や、樹木の成長 方法、周辺環境と の関係などについ て、構内の題材を 活用して観察・解 説していきます。 ただし、今年は年 輪を観察できる樹 木が少なく、ケヤ キの伐採断面を持 参しました。



ケヤキの材面を観察
地面を探索中


         インストラクターの 視点で見ていて印象的 なのは、生徒たちが思い もよらない行動、考え、 反応をすることです。例 えば、例年観察会で一番 盛り上がるのはヤブニ ッケイのにおいと味を 確かめてもらうところ なのですが、生徒たちに どんなにおい?どんな 味?と聞くと予想外の答えが返ってきます。近年多 いのは、バジルのにおい、次にシナモンのにおい。 今年は、バジルが多くてシナモンといった子はほと んどおらず、味についても、甘いといった子よりも からいといった子の方が多かったです。毎年やって いる身からすると、実際に味が変わっている気はし なくて、ニッキのような甘い味とすっとする香り、 という「答え」を一応持っているのですが、それを 「答え」として言うことはしません。あくまで参考 としてこういう風にも言われているよと伝えるくら いにして、自分の感性を大事にしてもらいます。 観察会の後は教室に戻ってまとめをします。

それぞれの体験や感じたことを模造紙に貼る


             
班ごとにまとめた「成果」を画面に投影して発表

        今年 度、例年とやり方を変えた点として、観察中にメモ 用紙を持たせないようにしていました。観察会の内 容を覚えているだろうかと少し不安もありましたが、 やってみるとそれは 杞憂だったことがわ かりました。むしろ、 メモがなかったこと で、植物の名前など の知識よりも、自分 たちが体験したこと や感じたことを自分 たちなりに整理した 発表が増えたように 思います。 クラスでの終わり のあいさつでは、今 日見た樹木や自然が 季節によって変わっ ていくことを気にし て見てみてほしいと 伝えました。1 回の 観察会で伝えられる 情報は少ないですが、 自分で観察して気づ く感性があれば、数 えきれないほどの発 班ごとにまとめた「成果」を画 面に投影して発表 見ができるでしょう。秋のみなかみフィールドワー クでも、たくさんの発見と素晴らしい体験をしても らうことを楽しみにしています。


報告 西村