このフィールドワーク((以下FW)は毎年実施しているが昨年から10月の紅葉の時期の茅刈シーズンに行っている。
彼らとは5月に麗澤学園のキャンパスで樹木観察会で会っているが、5か月後に再会してみると、身体も大きくなったが顔つきもたくましくなって充実した学校生活を過ごしていることがわかる。
対面式 |
昨日はかなりな雨が降り、前日入りした塾のメンバーは雨に濡れながらの準備作業で大変な思いをしているが、この日は青空が広がり、今朝の初霜にも拘らず比較的暖かい気温である。上ノ原の草紅葉、周囲の山々の紅葉は真っ盛りで、「このような素晴らしい天気と紅葉風景の中でFWができる君たちは幸せだ、この日に設定した学校に感謝しなさい」と彼らに言った言葉は大げさではない。
素晴らしい青空と錦秋の上ノ原が関係 |
今回、前日入りしたスタッフが用意したメニューは様々な工夫が凝らしてある。
まずはメインである「茅刈」、1グループ15から18人を4組に分け、協力して茅を刈り1ボッチを作るのが目標である。手鎌を初めて握る生徒もいるので藤原の古老衆とスタッフが念入りに事前の安全指導、茅刈、ボッチの作り方を教え、つきっきりで見守る中での茅刈である。 後で生徒に聞いたところ「茅刈」は面白かったとの感想であった。自分で鎌を使い、仲間と協働して一つのものが出来上がるのが良かったのだろう。
茅刈に挑戦 |
協力してボッチを作る |
ボッチが青空に映えて |
メニュー2は、、「茅編み」である。スタッフが昨年の茅をスグリ、切断して用意したものを紐で編んでミニすだれを作る茅クラフトである。茅編み器も駒(紐を撒いた錘)も手作りである。何しろ148人が各人一枚作るのでその材料と駒の準備が大変でスタッフは前夜、夜なべしている(岡田さんの自宅での準備がなければ昨夜のうちに終わっていなかっただろう)。
茅編み |
茅編み器 駒を使って編む |
メニュー3は、雲越家住宅、諏訪神社を見学して上ノ原の屋根茅の使い方を実際に見てもらう。
メニュー4は、茅場とミズナラ林の散策である。十郎太の泉から「ははその泉」を経て木馬道、炭窯と回るコースをメインとしたがこのコーナーで遅れを取り戻すための時間調整に使ったたま案内時間が短くなってしまった。それでも、茅場の成り立ち、樹木たちの子孫を残すための様々な知恵、茅場とミズナラ林にいる動物達、生物多様性の大切さ、薬などに使われる役に立つ樹木、地球温暖化防止に貢献する森林、伐採は悪いことかなどをそれぞれふさわしい場所で解説した。各グループにこれらをすべて解説したわけではないが「ははその泉」で全グループに、天然水を飲んで触ってもらい、この水がここの湧き出るまで何年かかっているかをデーターを与え計算させ、雨水が森林土壌の中をゆっくりしみ込んゆくこと、これが森林の水源かん養であり、だから冷たくきれいでおいしい水であることを実感させる。そして、今飲んだ水は、山頂に8年前に降った雨、そのとき君たちは何歳だった?昨日の雨は8年後にここに湧いてくる。その時君たちは何歳かと問いかけた。
草原からミズナラ林へ |
ははその泉で |
メニュー5は、「草原であそぼう」と題する基本は自由時間としているが、藤岡さんと尾島さんがユニークな遊びを用意してくれた。ススキを使った「茅飛ばし」がその一つ。
単純な遊びであるが、茅の切り方などで飛び方が違うことがわかりよく飛ぶような工夫をする生徒もいたようだ。
茅飛ばし |
もう一つ、草原や森林で見つけた葉っぱなどをハガキに張りお父さんやお母さん、先生、友達に出そうというもの。はがきは 自分が自宅に帰ってから着くことになるがそれが家庭でFWの話題になるだろう。
上ノ原だよりを作る |
そして今回の人気メニューとなった「目隠しトレイル」。
草原にロープを張り、タオルなどで目隠して、ロープを伝わって歩く仕掛けである。
目隠ししているので、地面の凹凸に足を取られる、ススキや灌木が体に触れるなどの自然そのもののサプライズがある。そのたびに嬌声があがる。ほんの短い距離であるがゴールまでの時間が長く感じられるのだろう。私も試してみたが目が見えないことの不安、不自由さを身をもって体感できて何気ない灌木の感触も違う。新たな魅力的なメニューの誕生である。
こわいよ~ 目隠しトレイル |
今回もケガもなく無事にFWを終え生徒たちも楽しんでくれたようです。塾スタッフ、お手伝いいただいた藤原の古老衆奥利根水源ネットワークの皆さんのに感謝です。
準備の大変さなどを考えると「茅編み」の採用に改善しなければならないところもありますが毎年少しづつよくしていきましょう。
錦秋の上ノ原とボッチ |
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