9月3,4日「奥利根水源の森林でリトリート」を行いました。
奥利根水源の森林は、平成3年に当時の水上営林署(林野庁)が尾瀬の南東に位置する関東の奥入瀬と言われる照葉峡に近い武尊山自然休養林内に設定した低ダム群や魚道付き堰堤、開閉水門式堰堤などのモデル治山施設として森林の防災機能を強化しながら森林浴などのレクレーションを楽しめるよう管理道、駐車場、遊歩道、水遊び場、キャンプ場などを設置したレクレーション施設で、一帯は関東一の広大なブナ林となっています。
参加者9名は、キャンプ場の近くの水遊び場の清流の音を聞きながら昼食をとりました。そのあと、ミーティングを行い水源の森林の施設や今日の予定を説明しました。
今日のプログラムは、この森の奥にある「田代湿原」までのトレッキングリトリートです。体力や体調から無理のできない2人は北山さんが車で管理道から先回りします。一行は、「森林浴の道」を200年生のブナの巨木群の中をフィトンチッドを浴びながら登り、管理道に合流したところで一休み、ここで、この森林が伐採が入っていてもちゃんと更新していることもあってブナ林などの天然林の伐採と更新(択伐)について説明しました。 そのあと、管理道を少し歩き、登山道に入ります。田代湿原へ登る登山道は木道が設置してあるもののぬかるみがあり滑りやすくなっているところが多くありました。ブナの巨木やシナノキ、ダケカンバの勇壮な自然林の中を歩く今回のプログラムが効いて前日まで多忙で酷使したからだと心が癒されていくのが分かります。途中には初秋らしく、名前もわからないキノコがたくさん生えていました。
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森林浴の道のブナ大木 |
出発から1時間10分ほど、先行した3人が待っていた田代湿原の入り口にたどり着きました。合流した一行は、田代湿原の周遊道を歩いて景色を楽しみました。30年ほど前に来た時には遊歩道のそばまで水位があったように記憶していましたが今は一面が草原化、乾燥化が進んでいるようです。初夏にはヒメカイウの群落の花で有名なこの湿原がですがヒメカイウはどんな状態なのか心配されます。
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田代湿原 |
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田代湿原のリンドウ💛 |
この日は曇天でしたが雨に降られることもなく終了し、17時半には宿の並木山荘に到着しました。
その夜の車座講座は急遽、草野が「ブナという樹木の特性」とこれまで見た各地のブナ林を話題としました。
2日目 夜はかなり激しい雨が降りましたが、朝から青空がでる好天気です。まず、柳沼さんの指導でリトリートプログラムにそった準備体操をしたあと「ゆるぶの森」を歩きオオバクロモジを採取します。採ったクロモジの葉をもぎ、小枝を短く切り、蒸留装置で蒸留してエキスを抽出します。
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ススキの花が咲いて花粉が飛び始めた |
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ススキの花 |
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始まりはリトリートで |
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採取したクロモジ |
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クロモジの葉 |
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蒸留装置 |
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蒸留後のクロモジ |
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スプレー小瓶に小分けしてお土産 |
蒸留装置の熱源は達磨ストーブ、冷却水は十郎太沢の湧水です。
約1時間で5リットルほど取れました。これをスプレー付き小瓶に分けて参加者はお土産としてお持ちかえり。スプレーすると周囲にすごく良い香りがします。香りのお土産とは気が利いています。切った小枝を湧水で煎じたクロモジ茶も木の香りがしておいしいものができました。
この時季の上ノ原は夏から秋の花が咲いています。写真を揚げておきます。
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ハギ |
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ツリガネニンジン |
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オオヤマホクチ |
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シシウド |
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ウドの花 |
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オミナエシ |
前回の活動で挿した池の周りの挿し木は、ヤナギの活着は悪く意外やタニウツギがほとんど活着していました。タニウツギの花に囲まれる池が出来そうです。
今回のプログラム1日目の森の香り、2日目のクロモジの香りと「香りの中でのリトリート」となりました。
報告 草野
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