上ノ原茅場には10月29、30日のイベント、そして茅刈合宿、地元茅刈衆が刈ったボッチ649ボッチ(3,245束)が約3週間のダイエットして別嬪さんになって嫁ぐ日を待っていた。
11月19,20日と「茅出し」が22名の参加者で行われた。
今年の茅出しはいつもと段取りが違う。一つは嫁入りのための輿車(トラック)がその日に来るので、別れを惜しむ間もないあわただしさが予想された。それと山之口終いのあと、十二様の前でこれまでやったことのない「直会」を行うことにしている。
嫁入り日の段取りを考えると前の夜はよく眠れなかった。2日目の天気予報が思わしくなく、娘を嫁にやる父親ではないがナーバスになってしまう。
初日は晴れ間もあり、晴れの日にふさわしい日和となった。
今年の茅ボッチ達は、茨城県つくば市の平沢官衛遺跡(ひらさわかんがいせき)の土倉の屋根葺き替えに使われることになっており、現地調査と積み込み確認のためつくば市教育局の石橋さんが上ノ原を来訪。早速、始まりの式、初参加者の和歌山で出会って今は筑波大学大学院生のS。Tさんを紹介、石橋さんが嫁ぎ先のお家柄を披露、作業段取り説明、雲越萬枝さんによるボッチ縛りの指導のあと早速、茅出しにとりかかる。
嫁入り先のお家柄などを披露 |
ボッチ縛り指導 |
30分もするとトラック3台が到着。積み込み手伝いとカウント係を割り振り、すでに茅出しが終わっている集落近くのボっチを先に積み込み、その間に大忙しで茅出しを続ける。林道端にある程度貯まったのを見て次のトラックに積み込む。コンテナ車への積み込みは慣れていないせいか思ったほどの数量が積み込めない。150ボッチと見積もったが100ボッチで満杯。2台目3台目には130ボッチが積み込み、この日の搬送量は360ボッチ
別嬪さんボッチ |
積み込み |
トラック |
明日は2台なので残りボッチ数から嫁げない娘が出ることなる。奮闘の甲斐があって3時半には3台のトラックを見送ることが出来たので、明日の山之口終いの準備を行うことにした。まず、十二様の神前の刈り払い、そして四方茅柱を作って立てる。四方柱をいつもは小径木を使うが今年は茅を束ねて作ってみたらいい雰囲気になった。
この日の宿は関ヶ原、夕食後、稲幹事から「直会」について解説。早め就寝となった。
2日目、朝のうちはないが昼頃には雨となることが間違いないような曇天。
9時前にトラック到着、参加者を積み込み組と記帳台とシカ柵撤収組に分けて作業開始。昨日の経験から積み込みも手際よく、積み込み量も130と159ボッチが積み込めて全員が無事嫁ぐことが出来た。目出度い。
積み込み風景 積み込み終了 シカ柵撤収
2台のトラックを見送り、もうひと仕事、山之口終いと直会の準備に取り掛る。直会はバーベキュー。雨の中のBBQはちょっとみじめなので食材をお願いしたホテルサンバードのBBQ会場を借りることにした。
山之口終いは北山塾長の嫁入り先や茅場保全作業の様子を織り込んだ祝詞が厳かに奏上され柏手を打ち一年の作業の無事と収穫への感謝を捧げた。
海・山・里の幸のお供え物 |
山之口終い塾長祝詞奏上 |
収穫の歓び |
会場を移してBBQ、皆で手分けして準備をして、肉・野菜・きのこなどを焼く、羽釜で炊いた新米ご飯、お供えの果物もお裾分けされ神前での直会が出来なかったものの神様に感謝しながら味わい、一年の締めくくりにふさわしい茅出しとなった。
BBQでの語らい |
今年の茅刈数 地元茅刈衆 2,185束(437ボッチ)
イベント・ボランティア 670束(134ボッチ)
茅刈合宿(5人) 390束 (78ボッチ)
合計 3,245束(649ボッチ)
写真は清水さんと松澤さんに提供いただきました。
報告 草野 洋
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