2013年7月9日火曜日

奥利根水源の森フィールドワークの振り返り


―優しい母なる自然と厳しい父なる自然― 

今年で8回目になる麗澤学園「奥利根水源の森フイールドワーク」の受入れ。中学1年生164名と先生方10名をお迎えし、当塾サイドのインストラクター18名をもって2泊3日の合宿研修のお付き合いをさせていただいた。
 7月5日午後:東京組インストラクター8名で、下見をかねた散策ルートの下草刈り。都会育ちの子供たちを気遣って、クマイチゴやノアザミなど棘のあるものを重点的に刈り払った。果たしてそれで本当に良かったのか? 自然の恵みや優しさだけでなく、その反面の厳しさや荒々しさにも気づいてもらった方が良かったのではないかと反省。
6日9時~16時:上ノ原での自然観察ならびに侵入樹木の伐採と芦ノ田峠のフットパス歩き。


6日夜:高野、川端、清水のプラチナ・トリオが生徒たちと同じホテル・サンバードに投宿、山本学年主任、北岡、寺坂、折笠の先生方と本日の振り返り反省会。皆さんたいへん熱心かつ前向きで、来年以降の改善が期待できる白熱の意見交換会となった。その中から、富山和子先生の名著『川は生きている』を、先生方が事前に回読し副読本にすることを検討したい、という話まで飛び出した!この本は、講談社青い鳥文庫の「自然と人間」シリーズの一巻である。しかも、中学1年生の自分(ゆめ)プロジェクトのテーマは「自然と人間」の関係を知ること、自然の恵みに感謝し、自分は何をなすべきなのかを考えること。副読本として、これに勝るものはあるまい! そういえば、学園が掲げる教育目標は「仁草木に及ぶ」だった。ならば、上ノ原の草木塔を案内するべきだった。先生たちにも配布したフットパス地図のど真ん中に表示されていたのに! 今ころ気がついても後の祭りだが、来年は是非、散策コースに入れたいもの。
7日午前:プラチナ・トリオが生徒たちのグループ討議、まとめ作業にお付き合い。
あるグループで「利根川の河口は日本海?」とのやりとりに出くわして唖然。生徒たちが持ち歩いているフイールドノートの裏表紙に、利根川がでんと横たわる関東一円の地図があるんだけどな・・・・。でも、めげずにゼロから丁寧に説明しました(トホホ)そこへ別のグループからお声がかかって、緑のダムから用水路や田んぼを通ってコンクリートダムに至る水の流れについて確認する質問があった。やれやれ、救われた(笑顔)

地元組のインストラクタ-皆さまには、「今年は来年の下見と心得て、来年もまたよろしく」とお願いした。学校サイドとも協働して、いわゆる"教育旅行"の模範プログラムを目指して頑張りましょう、とプラチナ・トリオが気焔をあげたことであった。
                                                                                                                            (2013.7.8、清水記)

2013年6月17日月曜日

青木沢峠と芦ノ田峠の道普請顛末記                -ひどい目にあったこと嬉しかったこと-


「一般参加歓迎プログラム」2013②の初日・615日午後。首都圏からの宿泊組11名に地元から日帰参加の3名が合流、計14名が師入の集落センターに集合。各々、草刈大鎌、唐鍬、レーキなど携え、小雨降る青木沢峠に入った。作業目的は、夏以降に予定の麗澤中「奥利根フイールドワーク」や民宿組合主催「秋の健康ハイキング」の受入れに備えた道普請とブナ林観察路づくり。先ずは、つもりつもった落葉を掻いて谷側に寄せ落とす作業から始めた。ついでに、山側の地面も引っ掻きならして歩きやすい道にする。

実は、落葉の山に潜む“ヒル”を排除するのが主たる目的だった。雨にも負けず皆さん懸命に取組んで下さり、作業は順調に捗っていた。ところが、頂上へ道半ばくらいのところで雨が激しくなってしまった。止む無く作業中断、峠の十二神様にご挨拶して青木沢入口に下り、車で集落センターまで戻った。
そこで、大騒ぎになった。全員がヒルにやられていて、大方が吸血されていることに気づいたのは宿に戻ってからのことだった。

楽しみにしていたブナ林観察路づくりも果たせず、“昼間ヒル退治に行ってやられて退散”など下手なオヤジギャグが飛び出す始末だったが、実は嬉しいことも沢山あった。


(1)地元の幸男さんが、峠道沿いに区分所有する美しいブナ林内に散策路を造ることを快くご了解いただいていた上に、我々の作業に先立ってヒル退治用の薬を撒いて下さっていたこと。
(2)米山正寛さん(森林文化協会=当塾コラボレーター)が、今回も朝日新聞紙上で参加者募集をして下さり、お蔭で素敵な3名の一般参加者を仲間に加えることができた。その上に、年寄りの荷物をさりげなく持ったり、食事の席でビールや酒を注いだりと、我々ホスト役顔負けのきめ細い心配りをして下さったこと。
(3)地元から一幸さん、真人さん、久保さんと屈強の男衆が3人も協働作業に参加してくれたこと。
(4)同じく地元の親男さんが、青木沢の橋の手すり・欄干を事前に立上げ、整備して下さっていたこと。お陰さまで2日目の芦ノ田峠は全員無事、武尊川沢を渡り終え、ヒルに出会うこともなく気持ち良く完走できた。
(5)今回も岡田幹事が、野点のご用意をして下さっていたこと。2日目の上ノ原散策終了後、十郎太沢の水で美味しいお茶を点てていただき、全員ほっくりと寛ぎのひと時を持つことが出来た。

などなど、書ききれないくらい沢山の嬉しいこともあった2日間でもあった。 


2013617日(清水、記)   

2013年5月27日月曜日

第4回茅葺きフォーラム

5月25日26日と開催された第4回茅葺きフォーラムに25日のシンポジウムだけ参加しました。
今回のテーマは富士宮市で開催されたので、「富士山麓茅葺き景観の復活 世界遺産に向けて」でした。会場は富士山本宮浅間大社の近くの富士宮市民会館小ホールで行われました。
会場の入口には、富士山麓のススキが展示され、各地の活動なども展示されていました。
最初に東京農業大学の麻生恵先生により、「草原の文化的景観」の話があり、朝霧高原の茅場の管理に東京農大もサポートしているようです。
次に、今年話題の「伊勢神宮式年遷宮と萱地管理」について、伊勢司廳 営林部の中川典之氏より話がありました。20年の遷宮の流れを御造営や御杣始祭、川曳き、陸曳きなど普段見られない角度からの写真で解説していただきました。
上が現在の内宮で、下が現在建設中の内宮のようです。
伊勢神宮の森「神宮宮城林」は、5400ヘクタールあり、山の北側が自然林、南側の日当たりが良いところが人工林だそうです。
萱場は、50ヘクタールあり、一回の遷宮で23000束が必要で、8年間かけて採取するそうです。

2部は各地の報告で、朝霧高原の茅場は、重要文化財の茅の供給を目指して、文化庁のふるさと文化財の森の指定を受けています。
また、昨年の草原サミットに来ていただいた、東富士演習場の茅を生産している富士勇和産業の長田氏が協議会を発足させて、担い手の人数を増やしたり、ヨシ刈り器を改造した茅刈り器を導入し、はねられたススキをボードや肥料などに使ってい始めた取り組みを紹介してくれました。
神戸市の茅噴き職人グループが、稲藁を使った地域や子どもたちとのイベントなどの取り組みを紹介してくれました。
来年のフォーラムは、琵琶湖周辺の予定みたいです。
隣の富士山本宮浅間大社の参道

湧玉池、御手洗川の水源、富士山の湧水が湧き出る池です。

2013年5月21日火曜日

不発の茅場野焼き顛末記


不発の茅場野焼き顛末記

「燃やしていない」のに「燃え尽き症候群」

1.不発の経緯

  昨年の茅場野焼きは福島原発の放射能の影響もあって中止を余儀なくされました。
今年の茅場野焼きは雪の壁を防火帯として除雪により消雪した部分を焼く従来の「雪間を焼く方式」でなく、昨年から整備を進めてきた「防火帯方式」で実施することにしていました。
このこともあって、今年はリベンジとして、例年より3週間ほど遅らした5月11、12日のいずれかの日を実施日として一般参加者の募集をはじめ、様々な準備を進めてきました。

 56日、連休の最終日、現地を下見しました。ススキの乾燥具合は良好で、燃えすぎるほどの状態でしたが、夏と秋に刈り払った東側の共有林との防火帯は、茅場との境界が明瞭で可燃物も少なくなっている状態でした。また、今年、茅場野焼きするブロックCは、北側を作業道で隔離され、西側は十郎太沢となっています。加えて、このブロックは昨年、重点的に茅刈りが行われており全体的に可燃物は少ないところです。このことから、防火帯の手直しと、参加者で可燃物の除去作業を行うことで、延焼の危険性は低く、実施可能と判断しました。だだし、その日の乾燥、風などの気象条件によっては勇気ある撤退も視野に入れていました。

 実施日前日、510日、防火帯の手直しや道具類準備、現地最終確認等のため、塾長はじめ6人と津田、小幡両先生が現地入りしました。
上毛高原に着いた頃、役場の担当者から着信があり、「相談があるので上ノ原で会いたい」とのことでしたが、明日の打ち合わせだろうとあまり深く考えませんでした。
藤原集落に着き買い物をしていると、「今、上ノ原付近で山火事が起きているらしいが消防車は未だ来ていない」との情報、正直言って「タイミング悪いなー」と感じました。
上ノ原に向かい、その直下に着くと消防車が何台もあり、消防団があわただしく動いています。幸いにも火は消し止められていましたが、山火事の直後に遭遇したわけです。
手元の温湿度計で気温は30度前後、湿度は25%、なんとなく、プレッシャを感じながら準備進めているうち、役場の担当者が訪れて、「町内では、ここ1週間ほどで2,3件の山火事が起きており、今もこの直下で出火した状況下で住民の方の心配も増幅されている。
ついては、あくまでも相談ベースだが、野焼きの実施を再考いただけないか」とのこと。  相談とのことであるが実質的な中止要請である。 現在の気象条件では危険性は高いが明日の天気予報では曇りのち夜は雨とのことであり、危険性は低くなること、明日がだめなら、日曜日には降雨後の湿った状態での実施が可能であることを主張するも茅場野焼きの許可者である行政から暗に中止を要請されて強行するほどの絶対安全という自信と度胸はありません。結局、中止という苦渋の決断を全員で確認しました。

前日の上ノ原
防火帯の手直し



2.中止の影響
中止を決定してからが大変でした。
参加者へ「茅場野焼きの中止でも参加するかどうかの確認」「宿のキャンセル」「代替プログラム」などの問題をクリアしなければなりません。日帰り参加者には参加見合わせをお願いし、幸いに、宿泊参加者のうちキャンセルは4名のみ、39名が参加してくれることになりました。
問題は、代替プログラムです。 大まかには、初日は春の上ノ原の散策、2日目は、防火帯整備や除伐などの茅場の整備とすることにしたが詳細な内容までは詰められません。
 そうこうするうち、それまでに上ノ原周辺を散策していた、津田、小幡両先生が、散策の案内役と野焼きの効用などのパワーポイントによる解説を申し出ていただき一安心となりました。


3.茅場野焼きをやらないイベントの顛末
 5月11日、午前10時20分、参加者が上毛高原に集合し、上ノ原に向かう中で、野焼きの中止の経緯をかいつまんで説明はしましたがこの2日間をどのように過ごすのかみなさん一抹の不安があったでしょう。上ノ原に着いて、受付後、始まりの会のセレモニーと恒例の山ノ口開き神事を行った後、小雨の降る中を、小幡先生の解説で木馬道、十郎太沢の散策を行いました。
 季節は春、キクザキイチゲ、ヤマエンゴサク、ニリンソウが咲き、樹木もオオヤマザクラが咲き、カエデの芽吹きが美しい中を約1時間半の山歩きを楽しんでもらいました。
 その後は内野さん達が拵えた心づくしの味噌汁で、冷えた身体を温め、雨も強くなったことから宿で昼食ということにして本家に移動しました。
 昼食後、パワーポイントを使った津田先生の野焼きの科学と小幡先生の上ノ原の春の植物講座には参加者も満足していただいたようでおかげ様で充実したプログラムとなりました。        その後は温泉へのお誘いなどで過ごし、夕食そして交流会です。

                       小雨の中春の上ノ原散策プログラム

               本家で野焼きの科学と春の草花パワーポイント上映

交流会を行うころ、外はかなり強い雨で、参加者の皆さんは蛙の大合唱のゲコゲコに負けない上戸ぶりを発揮し午前様となるはしゃぎ過ぎの方もいたようです。近所の吉野屋さんの裏山の春の草花が見ごろでしたので希望者は散策することにしていましたことから明朝は大丈夫かなーと本気で心配しました。
 私は夜中の3時頃眼が覚めたので外を見ると満天の星空、絶好の野焼き日和になること間違いなしです。でもやりません。
 最終日は、茅場野焼きはやらないが来年度のリハーサルを兼ねた防火帯内の可燃物の除去をするグループ、防火帯を刈り払う刈り払い機使用グループ、侵入木の除伐のグループ、十郎太沢の源流遡行のグループに分けて行動してもらいました。ちなみに前夜の雨の後もあって野焼きには絶好の条件でした。

                  吉野屋さんの裏山のカタクリ群落
防火帯の可燃物除去

 それぞれ汗を流した作業も終わり、上毛高原への送迎が2往復する必要があることから早めの昼食を済ませて解散としました。

4.来年の茅場野焼き
 茅場野焼きの中止のお詫びも含めて参加者の皆さんに少しでも楽しんでいただくためにスタッフ一同精いっぱいのおもてなしをしたつもりですが不行き届きの面が多数あったことと思います。みなさん懲りずに来年の茅場野焼きへの参加をお待ちしております。

来年の茅場野焼きは、一部に従来の「雪間を焼く方式」に戻すような声もありますが
 私としては、今回、試行した防火帯整備を徹底し、実施日をもう1,2週間早くし、縞焼きを採用することで実施可能と考えています。それにしても焼かないのに燃え尽きた感じのする3日間でした。

  文責 草野

2013年4月28日日曜日

茅場野焼きにおける安全のポイント


茅場野焼きの安全のポイントです。画像全体が表示されないときは画像をクリックしてください。
全体が表示されます。                               文責 草野