2014年5月27日火曜日

野焼きから1か月:火入れ効果は一目瞭然!

5月24日、古高さんと連れだって藤原へ。集落中の田んぼに水が張られ、田植えの真っ最中。先ずは、上ノ原へ直行。野焼きから丁度1か月、火入れ効果をこの目で確かめたかったのだ。期待通り、その効果は一目瞭然! 火入れした区画(緑色)と雪に覆われて火入れができなかったエリア(茶色)の違いは歴然だった。(写真①,②)


 写真①



 写真2

 



火入れエリアに近づいて見ると、黒い大地からススキたちがニョキニョキと勢いよく立ち上がり、それに混じってワラビやヒトリシズカ、ミツバツチグリなどが負けじと背を伸ばし始めていた。(写真③,④、⑤)
写真③
写真④
写真⑤

真⑥

 除雪作業や野焼き当日のご協力・指導をいただいた、(吉野)純ちゃん、(阿部)惣一郎さん、(林)三郎さんたちに早速ご報告、秋の茅刈りが楽しみなことと語り合った次第。
 早苗が植えられた田んぼ、その背後に山笑う木々の緑。雪解けの水を集めて滔々と流れる利根川。林床にさりげなく群生するシラネアオイにシロバナエンレイソウ(写真⑥)やニリンソウ。火入れ効果が確認できたうえに、この僥倖ともいうべき出会いの数々。お世話になった民宿の山菜料理の数々、二人ともついつい気持ちよく食べ過ぎ飲み過ぎてしまったことであった!

(2014年5月26日、清水記)






2014年5月12日月曜日

3年ぶりの野焼きを実施    ―2014年度の野焼き顛末記―

青水の2014年度オープニングプログラムである野焼きを実施しました。
 茅場を良好な状態に維持するために大切な行為である野焼きは、一昨年、昨年と2年続きで休止せざるを得ませんでした。自然条件に左右される作業ですので思い通りにはなりませんが、今年こそはやらなければとの想いで取り組んだ今年の野焼きが若干の問題は生じたものの無事終わって安堵しています。以下野焼きの顛末です。
 

 まず、防火帯方式での野焼きの日程設定に悩みました。昨年は連休明けの5月11日に設定してたところ、異常乾燥で断念したため、今年は4月第4週をターゲットに予備日を5月第1週に設定しました。しかし、4月第4週は、機械で除雪をしていたかつての日程と同じですので融雪が進まないことが予想されました。これに対して5月第1週は自然融雪で周囲には残雪が期待できるので乾燥が激しくなければ可能性が高いと思われましたが、連休ですので人が集まるのかが課題となります。また、4月第4週では、野焼きが中止になった場合、山野草の季節には時期が早く、代替プログラムに苦労することが明らかでした。
 「お天気次第」という宙ぶらりんな状態が動いたのは3月8日の地元古老衆との協議の場でした。事務局案の5月第1週はやはり危険との地元の意見を尊重して実施日は4月第4週と決定しました。しかし、雪解けの状態は依然として不透明でしたが参加者募集の都合を考慮して日程を決めなければなりませんでした。
 しかし、その後も降雪や低温状態があって雪解けは例年より遅く、上ノ原を調査した4月3日には、1m50cmの積雪があり、古老の、実施日には50cmの残雪があるとの推測を聞き、地元幹事の北山さんや吉野さんと対応策を話し合った結果、機械による除雪を決断し、地元協力者の支援を仰ぐことにしました。除雪は吉野純一さんが仕事の合間を見てボランティア価格で実施していただくことになりました。
 今回の野焼きには、出来る限り一般市民の方に参加していただこうと無料バスの運行を検討したところ共催団体のNPO法人奥利根水源地域ネットワークのご協力により実現し、一般参加と「のらえもん」グループを合わせて約50名が東京からの無料バスを利用して現地入りしました。
 また、今回はみなかみ町、観光協会、商工会、森林文化協会から後援を頂きました。
 スタッフ3名が前日から現地入りし、除雪状況を確認したところ、大まかに4か所に区分できる比較的広範囲で焼ける状態を確認しました。ただ、予想通り、周囲は残雪が多く、ミズナラ林に入ることもできず山野草も見当たらないので翌日散策をどうするかを、 林親男さんと相談した結果、雨呼山と藤原集落内の散策することにしました。
 当日は晴天で、絶好の野焼き日和。バスで到着した参加者、地元古老、みなかみ町役場、利根沼田森林管理署の方々を含めて総勢82名が上ノ原に参集しました。
  北山塾長の仕切りで、始まりの式、山の口開き神事を行った後、参加者は4班に分かれ持ち場を確認しながら除伐を行いました。野焼き講習会で野焼きのやり方を学んだあと、4か所で火の手が上がったのは14:40分頃。雪で倒伏したススキは少し湿り気を含んで燃え方は比較的おとなしく、安心して見ていられる状態でした。それでも、ときどき大きく立ちあがる炎にたじろぐ場面や、パチパチと激しくはじけるススキ、立ちこめる煙、白い雪間に黒々した焼け跡が広がっていく様子は圧巻でした。今回は消火・延焼防止、残火処理にジェトシューターが活躍しました。



  

 野焼き面積は北山さんがGPSで計測したところ2ha弱でした。
 とにかく無事終了、2年分の想いをこめて広範囲に良い野焼きができました。鎮火を確認したのが16時30分。野焼き終了を見図って、民宿やまびこのゑみ子さんほか地元のご婦人衆からのおやきなどの美味しい郷土料理の差し入れがありました。

その夜、恒例の交流会での参加者の感想を聞いて、やはりやってよかったと感じた野焼きでした。
 翌日は好天の中、雨呼山、諏訪神社、一畝田集落の散策により藤原集落の風景・自然・文化に触れるプログラムで心地よく疲れ、上ノ原で焼きおにぎりの昼食で全日程を終了しました。
 今回の野焼きもみなかみ町をはじめ多くの方にご協力いただきました。
 地元の方々、商工課、観光協会、森林管理署そして遠くから駆け付けていただいた、西廣先生、津田先生、小幡さんに本当にありがとうございました。
 最後に、今年の野焼きの反省点です。
それは、野焼きにおいて地元の水道施設のパイプ等に損害を与えたことです。幸いに北山さんに対応頂いたところ寛大な御心でとりあえずご理解いただいております。次回から事前の見回りして除外個所を徹底しなければなりません。
 また、実施日の問題はこれからも悩みの種で、機械による除雪を続けるには経費を含め限界があります。参加者の募集と係わる防火帯方式による野焼きを安全にやる期日を今後も模索することになります。
                                                     文責 草野

2014年2月14日金曜日

見事に林立する氷筍:大自然の造形美の極み! -厳冬の「大幽洞窟」事前探訪レポート-

2月11日〜12日、古高さん(のらえもん代表)と藤原入り。3月催行の「大幽洞窟(おおゆうどうくつ)」かんじきトレッキングの下見をかね、シルバーコンビで白銀の世界を満喫しようとの魂胆。

11日正午過ぎ、吉野屋の一幸さんの車で上ノ原まで送ってもらう。眼前に、抜けるような青空と白銀の世界が広がる。そこに、雪山遊びの若人たちの姿。見事なカラー・コントラストだ。(写真左)







早速、持参のかんじきにはき替えて出発。先行のスノーシュー組によって径が踏みならされていて歩きやすい。カラマツ林の梢の辺りから野鳥の囀り。寒気をついて耳に届く響きが心地よい。緩やかな上りをしばらく行くと、幽かにせせらぎの音が聞こえてくる。大幽沢と手小屋沢川の合流地点だ。(写真左) 

鳥の囀りとせせらぎの響きに、かんじきで雪を踏む音が混じる。大自然を舞台にした静かな合唱!少しずつ傾斜がきつくなって、最後の百㍍弱がちょっと手ごわい急坂。もう少しの頑張りと一気に登りつめる。眼前に現れたのは、まるで狩猟民族の住居跡かと思わせるような石窟。(写真左)



入口まで近づいて中をのぞき見ると、期待にたがわぬ見事な氷筍(ひょうじゅん)が林立。差し込む冬の日差しにキラキラと輝いている。(写真左)
後から上がってきた一行から「これまで見た中で一番きれい」と歓声があがる。聞けば、「いつも、大寒から今頃にかけて毎年見に来ている」由。腰かけて一服。用意周到の古高さんから「熱いの一杯どうぞ」とコーヒーカップ。これが何とホットウイスキー。一生の思い出になるほど旨かった!

帰路は下りなので余裕で、樹間から遠望する谷川岳や朝日岳の雄姿を堪能。(写真下)先行組が作ってくれた尻ぞりコースの直滑降を楽しんだりしながら童心に帰るのであった。


以下は、視察行を踏まえた参考情報・アドバイス。
道標看板によれば片道1,850㍍。往路は休憩なしで1時間15分、復路は同45分。
最後の急坂対策も兼ねて、かんじき+ストック併用をお勧め。
小学校低学年以下の児童には厳しいのでは。上ノ原で雪合戦、ソリ遊び、などお勧め。
大人も子供も必携は、靴底用ホカロンとサングラス。温度計、冬芽観察用のルーペ、カメラなども携行すると楽しさ倍増。
以上(2014.2.13、清水記)

2014年2月13日木曜日

2013年度第2回東京楽習会「小貝川の野焼きを体験する」を開催

  第2回東京楽習会を1月25日(土)に実施しました。今回の学習会は、利根川支流の小貝川河畔(茨城県常総市)で行われている野焼きへの参加です。

  小貝川の野焼きは、昨年の学習会でお世話になった茨城県自然博物館の小幡和男先生をはじめ、植物生態学の研究者である西廣淳先生(東邦大学準教授)、津田智先生(岐阜大学準教授)が地元の「水海道自然友の会」と協力し、河畔に生育するノウルシやヒメアマナ、タチスミレなどの希少植物の保全などを目的に、十年ほど前から実施しているものです。

  当日は常総線の水海道駅に清水塾長以下八名が集合、増井幹事の道案内で九時過ぎに河川敷の野焼き現場に到着しました。すでに百名近いボランティアや研究者、学生など関係者が集まっており、私たちも他の参加者と一緒に野焼きと植生との関わりや、野焼きに合せて実施する温度測定実験などについての話を伺いました。

  かつて、自然界の様々な植物は、人間社会によって様々な形で利用されていました。川原に生育するオギやヨシなども、屋根葺材や飼料、肥料として伐採されてきましたが、そうした自然生態系に対する人為的撹乱が、日照や温度の変化によってある種の植物が発芽し生育する条件をつくり、生物の多様性が保持されてきたということです。
  
しかし、社会の近代化によって草原の維持にも必要な人為的撹乱が行われなくなった結果、ヒメアマナやタチスミレなどの草原に生える植物が絶滅危惧種となってしまいました。小貝川の野焼きは、そうした植物の保全や、実際に野焼きが生態系に及ぼす効果などを調査する目的をもって実施されているものです。
火入れ作業前の説明

     
 この日野焼きを実施したのは小貝川右岸の三カ所で、それぞれ草地の様子も異なりますが、三日前の降雪の影響で若干地面が湿っていたこともあり、燃え具合は例年より時間がかかったようです。ただ、三年振りに火入れをした最後の現場は、比較的よく燃えたとのことでした。終了は予定の十一時半から午後一時に延びましたが、青水から参加の八名は、全員三カ所の野焼きが終了するまで、熊手などを使って防火帯の整備にあたりながら、小貝川における野焼きの実際を学びました。
   



一か所目の現場





    
二か所目 手前から時計回りに火をいれていきました
三か所目 林内の枯草に火入れをしました






















測定器具について説明する津田先生


 また、津田先生の研究グループによって、地中及び地上の温度変化を計測する装置が最初の現場に設置され、温度の測定が行われましたが、測定データは整理の上、後日、茨城県自然博物館のウェブサイトで公開されるとのことです。
 現場は水海道駅から徒歩十分程度の河畔で、これからヒメアマナやタチスミレなどの生育状況の観察会も出来ればと思います。
(稲 記) 

2014年2月2日日曜日

乙女高原フォーラム2014

 
 1月26日午後、毎年この時期に開催されている山梨市と乙女高原ファンクラブの共催による乙女高原フォーラムに参加しました。
始まる前に司会の山梨市観光課長を植原さんに紹介してもらい、草原サミット開催や阿蘇のサミットへの参加を要請しました。阿蘇は遠いですねという反応でした。
  最初に乙女高原ファンクラブの年間活動の報告があり、その中で一番気になったのは、部分的にシカ柵を設けて柵の中と外を比較した調査で、外側は草が少なくなっている写真を見せられました。フォーラムの最後でもメンバーの方々が、10年前と今ではハナの咲き方が全然違うとのことです。改めて、草原でのシカの害を痛感しました。

 その後に研究発表として、2年間乙女高原に通い詰めた、麻布大学や野生動物学研究室4年の加古さんから「乙女高原における花と虫のリンク」の発表がありました。昆虫が林と草原の花のどちらに多く集まるかという研究で、草原の花に集まるのが圧倒的に多いという結果でした。


メインの講演は、大分県久住にお住まいの足立高行さんによる『テンの目に写る乙女高原の自然』。ファンクラブがテンの糞を7年間に渡って採集してきたものを、今回のゲストの足立さんのもとに送り、糞の中身を分析してもらいました。糞の中身からテンの食べ物が分かり、テンがいつ、なにを食べているかを知ることで、テンが暮らす乙女高原の自然を知ることです。足立さんは乙女高原には行ったことがないそうですが、こんな状況だろうという見解を話してくれました。テンは、ノネズミとサルナシを主に食べていることがわかりました。それ以外にもいろんなものを食べる雑食のようです。

 活動報告でも紹介されましたが、昨年末に「乙女高原大百科」を出版されました。10年間のメルマガを整理してまとめられたものです。今回のテンの糞や、花と昆虫など、長い時間かけての調査等、常日頃の積み重ねがとても大事なことだなあと改めて感じました。
(あさかわ)