森林塾青水の本年度第6回の定例活動、一般参加歓迎プログラム「茅刈」を10月25日、26日に実施しました。
当日は、一面青空の秋日和、上ノ原周辺の紅葉は、紅、黄色、橙、緋 緑が織りなす錦秋が真っ盛り、地元の人に言わせても今年は今までにない美しさとのこと。私もこれまで何年も見てきましたがこんなに素晴らしい紅葉は初めてでした。
天気、紅葉に恵まれた幸せな参加者は、会員・一般参加が40名、のらえもんグループ20名、東洋大学生12名、役場・地元協力者10名の総勢82名となりました。
今回も、無料バスが運行され、初参加者が10名を数えました。また、前回までの初参加者のリピーターが10名程参加していただきました。
錦秋の上ノ原ミズナラ林 |
幸せな気分 |
初日は、北山塾頭のMCで、はじまり、塾長、地元区長さんの歓迎のあいさつの後、「飲」 「水」 「思」 「源」に班分けされた参加者は、地元古老の林親男さん、林三郎さん、阿部惣一郎さん、町田工業の神保さん、冨沢さんを師匠に、それぞれの持ち場で鎌の研ぎ方から刈り方、伝統的な束の結わえ方、ボッチの立て方の講習を受けた後、茅刈りを開始。しばらくするとススキ草原のあちこちからザック、ザックと鎌音が聞こえてきました。
鎌の研ぎ方指導 |
鎌音がザック、ザックと聞こえるようです |
草原のススキは眺めているだけでも心を打つ風景としてよいものですが、これを刈って、抱えて、縛って、抱きついて、立たせてボッチを作っていきます。そしてその硬さ、強さ、しなやかさ、重さ、においを体感します。こうして作った茅ボッチを世に出せば神社や重要な伝統的建物の屋根萱として役に立つのです。この日は、初霜もあったようですが刈り始めると汗をかくほどになる絶好の茅刈り日和となりました。
イタヤカエデの紅葉 |
本日のお宿は料理に定評がある「とんち」飲水思源の班分けは、昼・夜のお互いのコミュニケーションを深めようと部屋割りと同じにしたためか、初参加の方から始まった交流会も大盛況でした。
2日目、希望者は茅刈り検定をうけ、それ以外の方は昨日に続き茅刈りです。
検定のポイントなどを説明して希望者を募ると昨夜の勧誘が功を奏して19名の方が申し出ました。
受検者はそれぞれの班の師匠から検定されます。アシスタントが鎌の音、腰つき、縛り方、出来上がったボッチの姿などを師匠に尋ねて採点していきます。この検定は、安全性、技術性、芸術性が求められる(採点基準は別添)もので世界に唯一と自負しています。
師匠は優しくても見る目は厳しい |
抱いて |
立てる 「飲水思源」 |
武尊を眺める茅ボッチ2騎 |
初日には気楽に取り組んでいたものの検定となると皆さん真剣そのもの、ある受験者は、「いや~ ついついはまって、時間や太さが気になって、においなど味わう暇がありませんでした。もっと楽しまないといけませんね、競争社会で生きている性ですかね。自分の普段の生活を見直すきっかけにもなりますね」との感想をもらしていましたがこれも茅刈りの効用ですね。
悪戦苦闘した1時間、結果は、17ポイント中、最高点が15ポイント、茅刈士補に三好さん、西村さん、南野さんの3名、茅刈士心得が12名となり、それぞれ称号を与えられました。これで2010年、の3名、2011年の2名と合わせて8名の茅刈士補が誕生しました。
やはり、難しいのは1時間に2ボッチを造ること、伝統的な草縛り、ごみ(雑草)の混ざらない美しい姿の茅ボッチを造ること、ボッチの立て方が難しかったようです。ある師匠がおっしゃったコツの一つ、「束を結ぶとき、茅束の腰にあたるところより上でしばるとうまく立てることができる」とのことです。
みなさんの成績は認定書として1か月後ぐらいにお手元にお届けします。
こうして、2日間にわたって皆さんが上ノ原に立てた茅ボッチは80ボッチ(400束)となりました。これらは11月の活動日に道路まで引き出し、ストックしておいて屋根萱に使います。どこかで第2の人生を送る茅ボッチにお目にかかれるかもしれません。
諏訪神社の屋根萱も上ノ原の茅ボッチで葺き替られた |
判定基準 クリックで大きくなります |
この2日間の茅刈風景に感化され「上ノ原茅ボッチ小唄」をつくりましたので次のブログに掲載します。まだよく練れていませんがどなたか曲をつけていただけませんか。
文責「草野」
このブログは10月中に掲載したのですが、いつの間に消えていましたので再現したものです。
0 件のコメント:
コメントを投稿