2015年9月17日木曜日

活動報告 ミズナラ林の整備と初秋の藤原探訪 車座講座「藤原茶飲み昔語り」

 

 9月の定例活動は、1213日、12名参加、両日とも初秋らしいさわやかな天気だけど身体を動かすと大汗をかくような気温の中行われました。周囲の山々の紅葉はまだ早く、上ノ原のススキの穂はツンと上を向いて穂は赤味を帯び、風に舞う綿毛は未だできていません。これが10月には垂れ下がり、招くような尾花となります。


赤味を帯びた若い穂 生育はいまひとつか?
○上ノ原のススキ

 ススキは全体的に元気がないように感じられ、心配しているススキの生育不良は今年も続いているようです。それに、ススキ以外の草の繁茂が激しくなったように感じるのは気候のせいなのか、富栄養化しているのか、その反対に長年の利用による衰退か、土壌分析をするなど早急な原因分析が必要です。 

 

○ミズナラ林伐採・材運搬・散策

今回の作業は、伐採と伐採木の玉切りと管理道までの運び出し。

伐採は、昨年の試験地伐採箇所の隣接地を55200本伐採する段取りでしたが伐採手が草野だけでしたので思うようにできませんでした。それでも、ニューチェンソーを駆使してミズナラ、ミズキ、ハウチワカエデなど20本ほどを伐採・玉切りしました。このうち2本はKさんが伐採しました。初体験ながら想定した方向に倒れました(お見事)。
初体験の伐採木が倒れる瞬間 お見事!
 

 搬出は、昨年に伐採して残っていた材を運びやすい長さに玉切りし管理道脇まで運ぶ作業です。1年以上たって乾燥しているとはいえ、径20cmの重量物もあります。皆さん、抱えたり、肩に担いだりの重労働です。黙々とやっていただき全体の半分程を運び出しました。これは、NPOが作った石窯の炭焼き材として使います。10月には初窯で上ノ原白炭が生産されます。残りの大径材などは薪ストーブの薪として使います。重労働の割には達成感今ひとつだったかも・・・。
重労働でも黙々と
 

 重労働なのであまり長い時間は体の負担になります。力が残っているうちに切り上げて、木馬道を散策した後、秋の夕日に赤く染まったススキ草原を後にしました(マユミの赤い実が鮮やかでした)。
マユミの鮮やかな赤い実
今年はハバヤマボクチが自己主張

熟せばおいしいツノハシバミもまだ青い
 

 

○車座講座 藤原茶のみ昔語り

今回は車座講座「藤原茶飲み昔語り」でした。語り手は民宿の女主人です。傘寿を過ぎてなお矍鑠とした語り手は、昭和初期の比較的穏やかな時代から戦中・戦後の食糧難・物資不足の時代、ダム開発などで藤原が大きき変わった高度経済成長時代、その後の過疎化に拍車がかかった時代など藤原の変貌ぶりを見てこられました。

 講座は、昔日の青木沢集落のこと、青木沢峠道のこと、藤原の伝説、藤原の四季と暮らしのこと、趣味である押し花のこと、当時の営林署の評判、青水に対する評価などを草野が質問してその回答という形で語っていただきました。

 詳細は追って聞き書きとしてIさんにまとめていただきますが、印象に残ったものを記載しておきます。

語り手は、藤原の青木沢集落で生まれ育っておられます。子供時代通学路として使った青木沢峠道(青水が再生)を一緒に歩いていただいたことがあり、その時の感想と大雪の中の峠道の通学は大変だったでしょうとの問いかけに「40年ぶりに歩いて懐かく、歩けるようにしていただいてよかった。雪の中の生活、皆さんそうおっしゃるけど、こんなもんだと思って暮らしてきたのでそれほど苦になりませんでしたよ」と予想に反した答えが返ってきました。そうですね、自然を受け入れた生活でないと厳しい中では生きられないですよね。私たちの今の生活は自然に打たれ弱く不満や不平が多すぎますね。反省させられました。また、雪道の通学には雪踏みなど両親や集落の大人たちの子供達への愛情あふれる支えがあったことを語る顔には周りの人々への尊敬の念があふれていました。

 両親や兄弟の絆が強く、家族文集も出されておりみなさん教養に富んだ方のようです。家族が助け合って暮らしてきたエピソード、藤原は子供の教育に熱心でみんなで助け合って学校や子供たちを守ってきたことなど村人や隣近所の人々に対する愛情がひしひしと伝わる語り口でした。ここでは昔の貴重な写真などを見せてもらいました。

  亡くなったご主人は材木の伐採搬出の杣頭もされていて索道での材木の出し方を手ぶり身ぶりで説明されました。索道での伐採搬出は大変危険な作業ですがご主人が杣頭時代には一件の事故もなかったとか、仕事に厳しいきちっとした人だったようです。このとき、ご主人が買い集められた材が民宿の普請材料に使われていて藤原で佳い材が出ていたのがうかがわれます。

 押し花は、相当、勉強や研究をされたようで、NHKの婦人百科のコンテストにも入選されたとのことです。たくさんの作品を見せてもらいましたが草花の特徴を捉えて作品のどの部分に使うか発想力の素晴らしさがわかる作品でした。 

 自然とともに暮らす知恵、人に対する愛情があふれる語りは約1時間半続き、参加者からの質問ににこやかに答える御顔には赤味が差しその魅力にひきこまれた参加者は夜遅くまでその余韻に浸っていました。 林さんはとても魅力的な歳の取り方をされています。私はあのような歳の取り方ができるだろうか?あこがれます。

車座になって




魅力的な歳の取り方をされている語り手

 ○早起きは値千金

2日目は、皆さん5時の早起きで、昨夜の語りに出てきた青木沢集落を実際に見て、語りがよみがえってきました。そのあと、上流に鎮座する武尊神社に参拝し、名瀑裏見の滝を散策しました。遊歩道には栃の実がたくさん落ちていて、栃餅に挑戦するという某参加者が動物に先駆けて拾っていました(リスさんお先に)。

現在の青木沢集落の一部


裏見の滝 残念ながら裏から見れない

 

 今回も県道刈り払い奉仕もしました。

稲が色づき始めた初秋の藤原の素晴らしい景色と人情に満喫した2日間でした。

今回の活動の様子を群馬県森林ボランティア支援センターのスタッフが取材されました。下記のURLに掲載されています。

群馬県森林ボランティア支援センターのあいさつ

http://www.morinowa.pref.gunma.jp/report_p/   4コマ目

写真は、笹岡さんに提供いただきました。

                                            草野記

 

 


 


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