2018年11月23日金曜日

自然の恵みに感謝 茅出&十日夜&山の口終い

 収穫の秋、みなかみ町藤原上ノ原には10月下旬にボランティアで刈った茅ボッチと村の茅刈衆(二人)が刈ったボッチおおよそ680基が立って(中には倒れて)茅出しを待っていた。
十分に乾いて運び出しを待つボッチ

 刈った茅を世に出し、屋根萱として商品にするための茅出しは重労働ではあるが茅に「第二の茅生」を与えるため大切な作業である。
 今年の茅出しは、11月17、18日、好天の中で9人が参加して行われた。雪の中で行うこともあるこの作業であるが今年は雪もなく茅ボッチの乾燥も十分である。
 その数、村の茅刈衆に約1か月かけて前日まで黙々とやっていただいたのが514ボッチ、茅刈合宿で74ボッチ、イベントでボランティアが刈ったのが80プラスαであるので680ボッチ(3,400束)があるはずである。
 これを、ビニールひもで縛り、穂先を持って、一回に2ボッチ、乾燥が良くて軽いものは4ボッチを道路まで引き出す。

穂先をもって曳きだす
ボランティアが刈ったボッチの約1/3が倒れ、これは湿っているので一つで2つ分ぐらいの重さである、倒れたボッチは品質も悪くなる、来年は倒れないような縛り方を徹底しなければならない。上り下りを何往復もするので相当な重労働である。この作業をしないと茅は世に出ない。
 今回の参加者は、すでに何度も経験しているので要領が良い、ボッチのある位置で上りにするか下りにするか判断する、もちろん下りが楽である。
 参加者が少なかったので、2日間で終わるか心配したが、全員奮闘の甲斐あって、1日目で約8割を搬出して、町田工業のダンプトラック1台に積み込み、送り出した。
嫁にやる気持ちで積み込み

 明日の見通しがついたところで、下山、途中、遊山館の前で十日夜の餅つきと「藁でっぽう」づくりをいっしょにやる。
すっかり好青年に成長したK君、薪割で鍛えているので腰つきが良い

藁でっぽう


 この夜は、陰暦10月10日、十日夜(とうかんや)である。稲刈りを終わって、田の神が山へ帰っていくのを送る行事、群馬,埼玉,山梨,長野県にかけて行われているようで、子供たちが藁の棒をもって土をたたいて(モグラをたたく)次の年の豊穣を祈る。子供たちにはお菓子がふるまわれる行事であり、北山さん達が40年ぶりに復活させた伝統行事であり、日本版ハローウインともいえるが渋谷でバカ騒ぎする幼稚な大人に見せたい行事である。
 その十日夜の子供たちが7時半ごろに宿の「樹林」にやってきて藁でっぽうを振り下ろしながら「とうかんや とうかんや あさそばきりにゃ ひるだんご よう(ゆう)めしくっちゃ ぶったたっけ」とはやし言葉を唱える。みんなが持参したお菓子が子供たちにふるまわれた。
とうかんや~ とうかんや 水玉は雪ではあ
りません

明日は山之口終い、茅出しの収穫作業にふさわし伝統行事が体験出来た。空には十日の月が雲間に見え隠れしていた。
 2日目は、昨日の残りの茅出し、昨日、はかどっているので2時間程度で終わると踏んでいたが1時間30分ほどで終了して、北山さんのキノコの種コマ打ちも手伝った。町田社長が、腰痛をおして、運転してきていただいたダンプに積み込んだ。


 看板を外して、全ての作業を終わり、「山之口終い」の神事を厳かに行い、収穫の恵みと今年1年の作業が安全に終わったことに感謝した。
十二様に感謝

茅出しメンバー

 この後、ご厚意に甘えて深津フミ子さんの畑で、大根、キャベツ、サトイモ、ヤーコンなどをたくさんいただいた。また、参加者には、林 幸雄さんから新米(ゆめぴりか)をいただいた。
もう一つの収穫作業

 今年も野焼から始まった茅場の作業は茅出しで終了、上ノ原はこの後、雪に埋もれる、今年の茅刈は古民家合宿でどうにか古民家1棟分の茅束を確保できたが上ノ原のキャパシティからするとその量は1/3である。
谷川岳バックにボッチのある風景

この時季の茅場とカラマツ林

                       

                                草野記

 

3 件のコメント:

  1. 直前に参加できなくなり、ごめんなさい。
    天気に恵まれましたね。
    行きたかった。
    -星見-

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  2. 星見さん。お仕事優先です。
    上ノ原は逃げません。また楽しい夜を過ごしましょう。

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