梅雨のこの時季、自然の中での活動は天候次第、塾のプログラムもハードなものは出来ないので今年からはこの天候に左右されない簡易な茅場整備とリトリートを組み込んでいる。リトリートについては昨年、体験として実施(コモンズ村ふじわら: 10月 2021 (commonf.blogspot.com))し、草原とゆるぶの森の新たな活用方法として大いに期待され今年から本格的に取り組むことになった。
リトリート(Retreat)とは、語源は、撤退・退去・隠れ家など、つまり、日常からの一時的なエスケープ。”立ち止まり”自分を見つめなおす言動。大事な要素は「非日常」「体験」「振り返り」であり、上ノ原では里山の自然体験によって眠っている五感や身体感覚を開放し、その際の気付きを言葉にする内省対話プログラムとして活用。 |
この時季は雨の心配もあって参加者は少ないのであるが、実は上ノ原のススキの背がまだ低く、ワラビなどの山菜も楽しめて、タニウツギが美しく、エゾハルゼミの大合唱が聞かれ、沢水にも雪解け水が混じって心地よい冷たさを味わえる。そんな魅力を知ってか知らずか、コロナに痛めつけられて心身に癒しを求めたプログラムの魅力か15名の参加者があった。
タニウツギの駆除は厄介だが花が美しい |
この時季の茅場 |
上ノ原に不思議な空間(記帳台)が新たに登場しました。この記帳台が今後上ノ原を訪れる人を歓迎して塾の知名度を上げてくれるでしょう。
不思議な空間を醸し出す記帳台 |
前武尊山が額縁絵に見える |
天候に恵まれ、期待通りのエゾハルゼミの不思議な鳴き声の中、井上さん、柳沼さんのコーチでリトリートプログラムを開始。当初は、茅場の侵入樹木の除伐を森林整備として組み込む予定であったが、すでに自伐グループで大方済んでいたので、散策を中心に途中で除伐をやってもらうことにした。まずはここに来た目的と近況などを織り込んだ自己紹介でそれぞれが今の気持ちを白露。
地面と言ったになる |
そのあと、十郎太沢を経て木馬道を散策。ビューポイントで一休み。新たに茅場に造成したところで一斉に侵入樹木の除伐をやってもらう。その後ゆっくり広場に戻り岡田さんの野点をいただいた。この間、樹木・草花の解説やワラビ採りで楽しんでもらう。
草原を散策 |
今年はヤマユリとシオデが増えていたことが目立った。上ノ原の植生も塾の活動によって変化しているようだ。
ヤマユリ 防火帯整備の頃に咲く |
ゆったりとした時間を草原と森林で過ごし1日目を終了。明日は何を組み込むかと思案しているところに「池をつくろう」とのご宣託を聞く。これが夕食後の懇親会で本決まりになる。
2日目。井上さん。柳沼さんとの打ち合わせして青水バージョンとして「池づくり」の作業を主体にしたリトリートプログラムを実施することにした。
幸いに「バックホー」が現場にあるのでこれを利用するのでそれほど重労働にならない。まずは候補地である十郎太沢の水飲み場の道路下側の灌木をみんなで伐去してもらう。小一時間で終了してバックホーが入り池を掘り始めた。さすがに機械力、瞬く間に池の形が出来た。周りを石で固めて水たまりでなく池らしくしていく。せき止められた十郎沢で4m2程度の池がとりあえず完成。
活けの予定地の灌木を伐樹除 |
だんだん池の形に |
重機が大活躍 |
水場は笑顔が似合う |
完成!!! |
全景:しばらくすると水も澄んで |
この池は、上ノ原の生物多様性をかん養するビオトープ(有機的に結びついた生物群の生息空間)となる。また、水遊び場(スイカや体を冷やそう)、いざという場合は防火用池となる。今後、池の周囲に柳の挿し木による土手補強、生物の隠れ場所となる石の配置、中之島や橋の設置などこの池の整備プログラムを考えるとワクワクしてくる。
この後、みんなで今日の感想などを述べ合って急遽構成しなおしたリトリートプログラムを終了した。
茅場とゆるぶの森を利用した本格的なリトリートプログラムを井上さん、柳沼さんにどんどんやっていただき、青水や上ノ原の知名度を上げていただき上ノ原をリトリートのメッカにしていただきたい。
一方では、青水会員向けや汗をかきたい参加者向けのリトリートと茅場整備のコラボは今後このような形を取り入れていく方向性が見えた今回の活動でした。
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