2015年6月16日火曜日

草原の山菜とブナ新緑の森  ー里山の恵みをお福分けー



昨年のプログラムのふり返りで、“山菜など山の恵みを楽しむプログラムが欲しい”との要望を受けて企画したのですが、青水としても初めての試みでした。山菜は種類が豊富で何が食べられて何が食べられないのか、植物や樹木には詳しい会員でもポピュラーなものしかわかりません。誰に指導を仰ぐか悩みましたが「藤原の山菜とその楽しみ方」として上ノ原や藤原にある山菜をお福分けさせともらおうということにしました。

 今回、宿泊をお願いした「民宿 S」のA.Yおかみにお手伝いをお願いしたところ快くお引き受け頂き実現しました。梅雨入りしたにも関わらず好天気の中、参加者は、女性6名、日光茅ボッチの会の飯村さんも参加いただき13名となりました。

 1日目は、茅場と木馬道を散策しました。ここでは、ワラビ、トリアシショウマ、オオバギボウシ(ウルイ、ウリッパ)、ミツバアケビ、ウド、クズ、シオデ、ウワバミソウ(ミズ)、クサソテツ、タラノキ、イタドリ、タンポポ、ヨモギ、ヤマユリ、オオウバユリ、ノアザミ、コシアブラ(順不同)など予想通り種類が豊富でした。でも、皆でとるほどではありません。ここでは種類の知識を得ることにしました。おかみさんも、木馬道は初めて歩いたらしく「こんなところがあるんだ」とのつぶやきが聞こえました。

山のアスパラ、シオデ

 

これも食べられます。おいしい?

  この後、一同はカラマツ林の中へ入り、沢筋に生えたウワバミソウを採取しました。ここでは、全員が一束分ぐらいをお福分けさせていただき、芳江さんに葉や茎の皮の取り方を教えてもらいお土産としました。

カラマツ林のウワバミソウをお福分け
こうやって葉と皮を落とすんだよ

  この後スキー場の中もののぞいてみましたが採取するほどではなく、青木沢、師入と集落風景の中をドライブして宿に向かいました。

 夕食は、まさに山菜づくしでした(写真)。新鮮でおいしい料理や珍しい料理が次々と出てきます。そのたびにおかみさんの解説が入り、大満足の楽しい夕食会となりました。

関ヶ原心づくしの山菜料理

 この夜の車座講座は「藤原の山菜とその食べ方」として、おかみさんに語っていただくことにしてありました。その際、採取した山菜や世間で食べられるとされているクズの芽、山ブドウの芽、コシアブラ、キハダの芽、リョウブ、イタドリ、タンポポ、ノアザミの花や葉、などをテンプラにして、おつまみにするつもりでした。しかし、夕食にたくさんの山菜が出され、皆さん満腹状態でこれ以上の食べ物は受け付けない状態となっていたため取りやめました。

採取した山菜の種類

 

 おかみさんに登場いただき車座講座がはじまりました。最初に、昭和33年に藤原に嫁いでこられたとのことだったので、お嫁入りされたころの藤原の様子から語っていただきました。

 当時の食生活や暮らしぶり、カイコの飼育をはじめとする農作業のことなどが次々に披露され、その中に利用した山菜や料理方法などが織り込まれていました。この展開は新鮮でおかみさんの穏やかでも力のある語り口は参加者をひきつけた様で、場は最高に盛り上がり参加者から次々と質問が出てきました。この間、約1時間半、参加者には藤原の自然や風景のほかにの素晴らしさを印象付けた車座講座となりました。

盛り上がった車座講座

 

 2日目は、5時、早起き組10名が早朝の上ノ原茅場で鳥の声を聴きながら朝露の茅場風景を楽しむことから始まりました。


05:30の上ノ原


 

 この日のメインは、青水の合言葉である「飲水思源」にふさわしい国有林の奥利根水源の森林ブナの新緑を散策するプログラムです。

 その前に、三菱UFJ環境財団の水源の森に立ち寄り、清水顧問から説明を受けました。

三菱UFJ水源の森

 

 今回の参加者にはもう一つのミッションがあります。それは、塾が参加する群馬クリーン作戦の県道の草刈をしてもらうことです。皆さん、慣れない鎌で取り組んでいただきました。

群馬クリーン作戦に参加

 

 その後、照葉峡で滝や渓谷を見ながら本日のメインである奥利根水源の森林でブナ林の新緑を楽しみました。コースは周遊道を一周しながら途中でブナの森遊歩道を約1時間ほどブナやダケカンバの中を散策しました。

照葉峡の滝

 

 森にはちょうどオオカメノキやナナカマドの白い花が咲き、ブナには多くの実がついていました。

オオカメノキの白い花

 

 ここでは、稚樹から巨樹まであるブナ林を見ながら更新の仕組みや択伐について解説しました。

ブナの森歩道で

 

 今回は、山川草木悉皆成仏の精神を大切にしながら里山の恵みをお福分けさせていただきました。

参加者は、食糧危機が来てもきっとサバイバルできるはず?

 里山の自然から奥山の森林までそして藤原の風景と人を楽しんでいただいたつもりですがいかがでしたでしょうか。

                                                                           

                                         草野記

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