2014年10月1日水曜日

定例活動④報告 ミズナラ林の伐採と草原・森林散策


 青水は、毎年、少しずつミズナラ林を抜き伐りして森林を若返りさせる作業を行っています。
今年は、9月27,28日、秋晴れの爽やかな秋晴れの中、会員・幹事の岐阜大学院生Mさんの研究である「草原放棄地における人為的管理再開後の植物の動態」、つまり、管理されなくなった元草原が森林状態になっているところを伐採した場合その後の植生の推移を見るための試験地を設定することを目的に木馬道と管理道の間のミズナラ林を伐採をしました。
ススキが揺れるフィールドで昼食
27日(土)、参加者は、初参加者9人を含めた20人と地元のお手伝いが3人、総勢23名が上ノ原に集合し、秋風に揺れるススキを背に昼食をしたあと、管理道を伐採現場まで移動して作業目的、段取り、安全作業上の注意事項の作業前のミーティングをしました。特に、今回は危険を伴う伐採作業であることから、やってはいけないことなど念入りな注意喚起をしました。
 

 
 


作業前のミーティング


 伐採個所は、40m×40mの0.16haで、約300本を伐採することになります。伐採地は元ススキ草原に自然再生したミズナラ、アカイタヤ、ミズキ、ヤマモミジ、コシアブラ、オオヤマザクラなどが株立ちした二次林です。40年前までは20年ごとに伐採を繰り返していた薪炭林で、その後、利用されなくなり薪炭林としては大きくなりすぎて、直径30cm 程度のものもあります。
 
 伐採地に一度に全員が入ることは非常に危険であるため、ある程度の空間ができるまで経験者が伐採することにして、それまで他の参加者には草原・森林の散策をしていただくことにしました。


フィールド観察
ミヤマシシウドの果実
サワアザミとゴマナ
 
 
 伐採は、40数年山仕事をしてきた地元のNさんを助っ人にお願いして、10人ほどでチェンソー4台、と手鋸で行いました。藤原に移住した若手のK山さん、Y澤さんの二人にも手伝っていただきき、途中から、マイチェンソー持参のS岡さんも加わりました。伐採作業は危険を伴う作業で慎重に行わなければなりません。。重心が大きく偏っている木やつるがらみの木は特に危険ですのでベテランNさんにまかせます。広葉樹は材が堅く、チェンソーの切れがあまり良くありません。伐採した木が隣接した立木に掛かる「架かり木」も発生して能率が上がりません。
 
 
 
 
 
伐採作業と伐採後
 
 それでも、散策組が伐採現場に合流したころには、適当な空間もでき、皆さんには枝葉の片づけ、伐採した木からサンプルを選び、太さや長さ、重量の計測もしていただきました。
 伐採した木は、玉伐して、幹は薪に、枝は来春キノコ種ごまを打ち込む予定です。
 
16時ごろ、日も暮れかかったため、本日の作業は終わりにして情緒たっぷりの夕暮れのススキ草原を後に本日の宿である「たかね」に向かいました。
 
夕暮れ迫るススキ草原
 
 
心地よい疲れを残し宿へ
 
 
 
 この日の宿は、温泉民宿「たかね」、疲れた身体を温泉で癒し、伐採助っ人でもある宿のご主人N島さんのおいしい料理を堪能したあと、交流会でもN島さんからめったに聞けない3日間かけて利根川の最初の一滴が滴る源流を訪ねた「利根川源流遡行」山紀行を写真や動画を使って説明いただきました。
 この源流遡行、相当の危険もあったようです。この日は、長野岐阜県境の御嶽山の突然の噴火で多数の犠牲者が出た痛ましい災害が起こりました。自然の脅威は計り知れないものがあります。
 
 
次の日の早朝、宿の裏山をN島さんに案内していただきました。そこはブナの美林でした。こんな近くに美しいブナ林があるなんて・・・。これも、他の木を炭焼き用に伐採した結果ブナが残ったもので人の手が加えられた美林です。ここでは、Nさんが白炭窯を復活させ、数種類のキノコも栽培していました。
美女林?
 
この日は、皆さんには朝飯後の仕事として「県道の草刈り奉仕」をしていただきました。
 
 
県道草刈り奉仕
 
 
このあと、昨日の続きの作業である伐採や枝葉の片づけ、計測を午前中いっぱい行いました。
伐採は、全体の半分程度しかできず10月に有志でもう一度作業を行うことにしました。
 
一行は昼食のおにぎりを食べ、「カンタン」の虫の合唱がにぎやかなススキ草原を後にしました。
 
鳴声は大きいが姿は意外と小さいカンタン
 
 
今回の初参加者は9人でしたが、そのうち7人は朝日新聞の案内記事を見て応募された方々でした。縁を取り持っていただいた朝日新聞に感謝です。
 
 また、会員であったものの今回フィールドデビューされた沼田で農機具を販売されているK井産業の社長さんと元教育者のK原さんに参加いただき、塾の活動を評価いただいたうえ今後も協力は惜しまないとありがたいお言葉をいただき、交流会も盛り上げていただきました。
そして、なにより初参加者の中から、さっそく会員に加入いただいた方が2人もいてうれしくなりました。
 
 
皆さん、ほんとうにお疲れ様でした。         
                                         文責:草野

 

2014年9月15日月曜日

麗澤中1年生が奥利根水源の森林フイールドワークについて発表しました。

 今年の夏は、暑く、各地で「経験したことない降雨」と表現される異常豪雨による山地災害が発生して、多くの尊い人命が失われました。これも温暖化の影響といわれています。
 上ノ原は雨が少なくススキの成長はあまり芳しくないようです。
 
学校は夏休みが終わり二学期を迎え、麗澤中学校では麗澤祭(文化祭)がおこなわれました。
青水は、麗澤中一年生の5月の樹木観察会、7月の奥利根水源の森林フィールドワークの指導をお手伝いしております。麗風祭では生徒さん達がこれらをグループごとにまとめて発表しました。
 
 
 
  今年のフイールドワークは、昨年までのプログラムを見直し、森林や茅場で体験してほしいことを示すなどの大幅な変更をしました。森林・草原内を歩くプログラムでは、「森林の成り立ちと生物多様性(森林生態系・森林土壌)」「森林の働きのいろいろ(森林の多面的機能・公益的機能)」「森林に降った雨の行方(森林の水源かん養機能)」「地球温暖化と森林」「上ノ原の歴史と現状」のイラストを作成し、携行させるとともに、それぞれの「学習のポイント」をあらかじめ示しておきました。
 また、小枝木工、茅あみ、コサージュづくり、草木染めの選択メニューを用意し遊びの要素を取り入れ知識の詰め込みにならないよう配慮しました。
 
 
 
  
 このように作成したプログラムで実施したのですが、私自身は、海外出張と重なったため本番には担当できませんでしたので、彼らがこのプログラムにどのように取り組んだのか気になっていました。
 
 
  
  A、B、C、Dの各クラスに張り出された発表タイトルを見たとき驚きと同時に楽しみになりました。
  
私が見た発表のタイトルを次にあげてみます。
  B、森林の成り立ちと生態 :森林土壌などについて発表
  D,雲越家住宅の生きるための工夫 :生活用品や建物の構造、技術、歴史などについて発表
  C,森林と水資源の関係 :土壌生物、緑のダムなどについて発表
  A,ナチュラル アーティスト イニシャル Forest :人工林と天然林などについて発表
  A,水とダム :藤原、奈良俣ダム、利根川などについて発表
  A,茅ちゃんのプロフィール :茅の特徴、利用(例として作った簾を示して)などについて発表
  B,林・森林について :森林土壌:Co2吸収力などについて発表
 
  C,森林の仕組と働き :FSCなどについて発表
 
  D,ダムがなかったら
  C,利根川の開発史
このほか発表は見れませんでしたが
  A,持続可能な森林 C,麗澤と水上の大切な自然、B、森の不思議な力
  D、自然博士になろう、B、WAKIMIZU

 
 
 

など興味深いものがありました。
見せてもらった発表の感想ですが、
タイトルを見ると、プログラムの変更の効果があったようですし、まとめる力やそれを発表する力ができていなかった5月の樹木観察会のころと違って、生徒さんの成長の跡を見ることができました。
 限られた時間での発表ですから当然でしょうが突っ込みが足りないところもありましたがまとめる過程ではいろいろなことを考えさせられたことでしょう。
 また、発表では、本当に理解しているかはわかりませんが難しい言葉を使って説明するなどしていましたがこれらも生徒さん達には何らかの形で残るのではないかと思います。
 「未来からの留学生である時代を担う子供たち」の成長にお役に立つことは青水として喜ばしいことです。
                                               文責:草野

  
 
 

2014年8月9日土曜日

防火帯刈払い完了

8月8日、7月の定例活動で刈り残した防火帯を刈払いしました。
これは平日に行う定例活動ですので会員にボランティア出役を呼び掛けました。
この日、都合をつけて出役いただいた方は、S顧問、Mさんに私を入れて3名。
暑い最中の炎天下の作業ですので無理は言えません。作業量的には4名いもいればとの見積もりでしたので、3名には少し負担が大きいかもしれません。
 しかし、この日は台風余波もあって上ノ原は曇天、気温も23度と低く作業環境は良い方でした。
作業前に降雨もあって雨具をつけることになり、12時過ぎ、早めの昼食の後、万全の支度を整え刈払機で刈り始めました。
万全の支度だが暑い

曇天で気温は低いとはいえ、湿度が高く、刈り始めてすぐに全身が汗びっしょりとなります。防虫網と防護メガネの曇りで視界が悪く足元が悪い状態での刈払は難儀します。
 3名とも40,50年代式エンジンの所有者ですので足腰の衰えは明らか、小休息と水分補給をしながらの奮闘となりました。1時間もすると熱中症気味になってしまい、寝ころんでしばらく休憩するはめになりました。
足元を確保しながら刈払い

 
 
 
 
 時折、ススキの中にはヤマユリが可憐な姿を見せたので、刈り残しておきました。
ヤマユリを愛でる余裕?


3名の奮闘のおかげで予定通りの刈払いが終わりました。刈払い後はいつも達成感があるものですが今回は疲労感が強く残りました。この日の水分補給は2リットルでした。
達成感より疲労感が

 この時期の防火帯刈払いは、気候的にもつらいですが大事な作業です。この時期に刈ると刈った草が秋までに腐食して枯れ草とならず火入れの際の可燃物になりません。また、この時期、ススキの地上部を刈ることにより地下茎に養分を貯えないので、毎年刈っていればススキも衰退して防火帯としての機能が発揮されます。
できればもう少し早い時期がいいのですが・・・。
                                        文責 草野

2014年7月31日木曜日

7月4日麗澤中学1年生みなかみフィールドワーク

 7月3日〜5日に麗澤中学1年生のみなかみフィールドワークが藤原でおこなわれました。
 初日は、学校からバスに分乗して11時半くらいに藤原湖に到着し、地元の林親男さんが藤原集落の生い立ちと藤原湖の歴史を話してくれました。この場所は634m位の標高があり、スカイツリーの高さと同じくらいですねなどと、大変わかりやすく説明してもらえました。生徒達は、その後奈良又ダムに行き昼食をとりダム見学に。

 私達は上ノ原に行き、昼食後今回遊びプログラムとしてクラフト体験を行なうことになったので、その材料を揃える作業をしました。明日参加してくれる地元のインストラクターも3名手伝ってくれて、茅編簾づくりのススキの皮むきと揃える作業、葉脈染のための草木の葉っぱを採取しました。
 宿は吉野屋に泊まり天気予報を確認すると、どうやら雨模様ということで、木工クラフトをホテルサンバードの炊事場で行なうように変更したので、各グループの日程調整を急遽行ないました。隣の部屋では、今回のクラフトのプログラムを考えていただいた岡田さんと同部屋の三好さんが夜なべしてクラフト準備をされていました。

 フィールドワーク当日の朝、天気予報では雨に変わるのは15時頃からで、それまではもちそうでした。ホテルサンバードに8時45分に集合して、8グループに2名インストラクター(森林塾青水7名、地元インストラクター10名)がついて、それぞれのプログラムコースに分かれました。
今回は昨年より時間に余裕を持ったゆったりした日程にし、知識を詰め込むのではなく、楽しめるプログラムに変更し、また、インストラクターには水源地、緑のダムなど共通の認識をベースに案内してもらうようにしました。
私のコースは、最初に青木沢集落から芦ノ田峠の古道を平出集落まで歩きました。ヒルを心配しましたが、お目にかかることはなく今回は下りのコースなので皆さん元気でした。その後、バスで諏訪神社に移動し舞台屋根を見ながら、上の原に行きここで昼食をとりました。

 午後は最初に上ノ原ススキ草原の十郎太沢沿いを歩き、その後、上ノ原のススキが茅葺き屋根に使われている雲越家住宅を見学し、最後にホテルサンバードに戻り、今回変更プログラムの目玉であるクラフト体験をおこないました。木の枝などを利用した木工クラフト、周辺の草花を針金とフローテープで巻いた草花のコサージづくり、葉っぱに絵の具を塗りハンカチ位の大きさの布にのせてこする葉っぱの葉脈染め、ススキを茅編み器で編む、ミニ簾づくりの4コースに分かれました。
比較的人気なのは、ミニ簾と葉染めでしたが、木工クラフトの生徒も時間をかけて作っていました。木工クラフトは時間がかかるので、1時間で作るには難しかったです。
天気は最後に少し雨に降られましたが、最後まで生徒が元気で楽しそうだったので、今回は取りあえずうまくいったのではないでしょうか。




(浅川潔)

2014年7月30日水曜日

夏の装いの上ノ原とミズナラ二次林フィールド観察


7月26,27日の定例活動のフィールド観察では、夏盛りの草原と森林を歩きながら植物、昆虫を中心に観察を行いました。

上の原は山菜の季節から、花と実りの季節へ。色とりどりの花が出迎えてくれました。黄色い大きめの花を咲かせるカセンソウ、虎の尻尾のような白い花穂のオカトラノオ、紫色で釣鐘状のホタルブクロ、ヤマホタルブクロはあちこちに咲き乱れ、特に目立っていました。

花々にはたくさんの虫たちが訪れます。シジミチョウやヒョウモンチョウの仲間が舞い踊る様は草原に華やかさを添えていました。参加者のIさんは蝶大好きな方で、蝶を見つけるとものすごい速度で網を振っておられました。緑色の宝石のように輝くシジミチョウを3種類、捕まえて見せていただきました。

森の入り口のところでは、ヤマグワ、クマイチゴが実をつけていました。Hさん、Sさんと味見をしてみると、野性味のある甘酸っぱさで、自然の恵みが感じられました。ヤマブドウもまだ青いですが実をつけており、秋の実りに向けて着々と準備しているようでした。

林内に入ると一気に涼しくなり、快適に散策できました。林床には魅惑的な色のタマゴタケを観察することが出来ました。木漏れ日の小道に鳥のさえずりが響くと、鳥に詳しいTさんが解説してくださいました。ホトトギスのさえずりは、確かに「トッキョキョカキョク」と鳴いているようでした。

一緒に歩くとそれぞれの目線、感性、興味、知識があわさって、何倍もおもしろいことに出会える、そんな気がしたフィールド観察でした。

カセンソウとヒメシジミ
 
ヤマホタルブクロ


                                   原稿 西村  文責 草野