2015年3月19日木曜日

3月プログラム「豪雪の藤原の冬を楽しむ 雪原トレッキング・ボタづくり体験」

本年度最後の行事は、草野塾長以下会員、会友七名が参加。


一日目は古民家の雪ほりの前に倉庫の雪ほりをしました。雪原トレッキングで使うスノーシューやかんじきなどを格納してある倉庫が、雪に埋まっているためですが、30分ほどでシャッター前と道路側を除雪し、用具を取り出しました。一汗かいたので、昼飯も美味しくいただけました。

← 堀った雪を運搬
 

昼食後は、古民家の雪ほりです。
玄関のある正面は雪が軒先まであり、一部は屋根まで繋がっています。軒下には雪囲いがありますが、ガラス戸に雪が迫っています。正面玄関側をスコップで掘りながら、ほり出した雪を道路側まで運びたすという作業を続けました。
古民家と離れの間に溜まった雪は、二、三メートル飛ばさなくてはなりませんが、鰹の一本釣りのようにスコップを振り上げて、雪を放り投げる離れ業も登場しました。約2時間の作業で正面の雪を除けて中の様子を確認し、雪ほり作業を終えました。
一、二、の 三で雪を飛ばす


その日は夕食後、宿で草野塾長による車座講座です。
同日程で藤原を訪れていたのらえもんの子供たちも参加して、プロジェクターによる画像や、トチなどの冬芽の実物を見ながら冬芽観察のポイントを学びました。











↑ 大幽への案内板                          
 大幽までの最後の急坂↑
    
二日目はいよいよ雪原トレッキング。途中、樹木の冬芽を観察しながら雪原を歩きました。大幽洞窟までの最後の50メートルは急な登りですが、最後の力を振り絞り、出発から約二時間の行程で到着です。たくさんの氷筍が、神秘的な姿で我々を待っていてくれました。


 

 

青水のメンバーは全員が雪原トレッキングに参加。郷土料理の「ボタ」は、のらえもんの皆さんに作っていただいたものを美味しく頂戴しました。味噌と胡桃のバランスが何とも言えませんでした。

←洞窟内の神秘的な氷筍








← 雪に覆われた上ノ原
藤原には三月に入っても2メートルを超える雪があります。それが少しずつ融けて、下流に住む人々の暮らしを支えています。冬の藤原も、雪原トレッキングも初めての経験で、期待と不安が織り交ざった二日間でしたが、様々な発見がありました。メンバー及び藤原の皆さまに感謝いたします。
(稲 記)

2015年2月20日金曜日

流域連携や流域コモンズは実践で・・・


森林塾青水は、利根川つながりでの流域連携「流域コモンズ」を目指して活動しています。

もちろん、メインの活動は、利根川水源域のみなかみ町藤原上ノ原の茅場とミズナラ林ですが、その活動趣旨を水源域から発信して同じ上中下流が連携して環境保全活動を継続した大きな力にしていくという趣旨の旗を活動方針の中で掲げています。

このことは、2013年の「全国草原サミットinみなかみ」の中でも水源地帯や草原の恵みを享受するには上下流連携が重要であるとするサミット宣言が採択されました。(http://commonf.net/9th.sogen/99_blank002.html)。

しかし、その理念は分かっていても実践となると正直言って難しく、これまで、これといった形に残る実績はありませんでした。

ところが、昨年ごろから利根川下流域の団体とのつながりの足がかりができ、今年もそのチャンネルが増えています。

そのひとつが青水の会員等に案内して小貝川、菅生沼の野焼きに参加していることです。今年は、1月24,25日両日とも10名が参加しました。主催者の西廣先生や小幡さんは上ノ原の野焼きを応援いただいています。
(詳細は当ブログ http://commonf.blogspot.jp/2015/02/blog-post.html)。

2015/1/25菅生沼の野焼

小貝川、菅生沼に加え今年は、東京理科大の理窓公園での湿地再生にも2日間述べ10名が参加しています。

この活動は、40年間放置されてきた湿田を再生してナマズやウナギなどの魚類や水生昆虫などの生息地を作ろうとするもので、将来はコウノトリの放鳥も視野に入れ、利根川運河との魚道の設置も計画されています。

1日目は、刈払い、2日目は、掘り起しを行いました。私たちにとって初めての経験でかなりな重労働でしたが、その明確な目的達成のために作業をする学生さんとの共同作業を楽しく行いました。
 
 
2015/2/8 刈り払

2015/2/8参加者の皆さん

2015/2/15 水を張った完成した湿田

このような活動の際にはできるだけ、「飲水思源」のマーク付きの青水メットをかぶって参加して塾をPRするようにしています。
飲水思源マーク付きの青水メット

 このほか、東洋大学の学生のフィールド受入れもあって、流域連携が形になりつつあります。

このように、流域連携や流域コモンズというスローガン的なものは、あまり、大上段に構えずに、一つ一つの実践として形にしていきたいと考えています。
 
 
                                文責 草野
 

2015年2月5日木曜日

小貝川と菅生沼の野焼き

小貝川の野焼き

  本年度第三回東京楽習会は、昨年に引き続き、1月24日に開催された「小貝川の野焼き」に参加しました。
  地元茨城県水海道市の「水海道自然友の会」が主催し、青水でもおなじみの茨城県自然博物館の小幡先生、岐阜大学の津田先生、東邦大学の西廣先生をはじめ研究者やボランティア団体等の支援、協力により、タチスミレやヒメアマナ等の草原固有の植物を保全することを目的に毎年開催されています。今年の参加者は約七十名で、森林塾青水のメンバー十名も加わり、レーキや熊手を使って防火帯の整備に汗を流しました。
  今回も昨年と同じ場所三ヶ所に火を入れました。野焼きの二日前の雨が降り、燃え具合が気になるところでした。丈の高い茅が生い茂る一カ所目は、風の具合で燃え残りも出ましたが、比較的良く焼けました。二カ所目、三カ所目は火のまわりが悪いため、燃え残りの草を刈り集めて火を入れ、草地の保全が図られました。


菅生沼の野焼き
  翌25日、茨城県自然博物館が稀少植物の生育環境を守るために、博物館の立地する菅生沼で実施している自然観察会「野焼きがタチスミレを救う」にも、青水の有志が約140名の地元関係者やボランティアとともに参加しました。

 野焼きの意義や実施方法、同時に行う火入れ地の温度測定実験について、前日の小貝川でもお世話になった小幡さん、津田さんよりレクチャーを受けるとともに、全員で防火帯の整備や周辺の清掃を行いました。そしていよいよ火入れです。現場は十文字状の防火帯で四カ所に区切られ、順番に火を入れてゆきました。

  この日も風の穏やかな晴天で絶好の野焼き日和でした。雨の影響も余り感じられず、火は順調に燃え広がってゆきました。途中で風が変化したためか燃え残しが出ましたが、そこは手慣れたもので、残った草を刈り払った後に再び火を入れ、目的を達成しました。野焼きはお天気任せの部分が大きいですが、前日は雨と湿り気、この日は風との関係を実感しました。






尚、自然博物館では5月17日に、野焼きした場所でタチスミレなどの生育状況を観察する行事を開催するとのことです。案内は博物館のウェブサイトに掲載されますのでご覧下さい。                                                              
(茨城県自然博物館http://www.nat.pref.ibaraki.jp/index.html)  
 (稲 記)


2014年12月20日土曜日

第10回全国草原サミット・シンポジウムin阿蘇報告

1122日〜24日にかけて阿蘇で第10回草原サミット&シンポジウムが開催されました。

 1日目はエクスカーションで、約60名が草千里の見学、展望台前の杉林を伐採し草原にもどしたおかげで眺望が良くなり、雄大な阿蘇の自然の中でも、裏千里の草原がある風景は絶景でした。その後、急傾斜の草原で輪地切りの作業現場を見学、15年以上活動している経験豊かなボランティアが作業をしていました。阿蘇の輪地切野長さは350キロ、なんで続けているのかと言う質問に達成感があるからと答えていました。夜峰山から見る景色もすばらしかったです。

 最後に外輪山に移動してススキで作った小屋、草泊まりを紹介していただきました。阿蘇は外輪山の上に草原が広がっているので、草刈りの時期に下の集落から10キロ通うのは大変で、一家でこの草泊まりに1週間くらい寝泊まりしたそうです。竹で骨組みを作り、茅を編んでできている草泊りは、ちゃんとつくれば2年くらい持つそうで、最近は子供たちと草泊り体験などをおこなっています。

2日目はシンポジウムで、基調講演・事例報告・分科会などがありました。最初に宮崎大学の西脇亜也先生による基調講演で「草原が持つ公益的機能と経済的価値について」話を聞きました。大変わかりやすく話をしていただき、茅の利用については、季刊地域の記事も使って紹介していました。
 事例報告では、阿蘇中央高校の学生が「草原プロジェクト阿蘇の草原文化を未来へ」について、農業環境技術研究所の楠本氏が「茶草場草地における茶生産と生物多様性」、秋吉台草原ふれあいプロジェクト松井氏が「秋吉台の草原を次世代へー観光と保全の両立を目指してー」の事例を紹介してくれました。茶畑でススキをマルチに使うと、データー解析されていないがなぜかおいしいお茶ができるそうです。

午後は5つの分科会に分かれてディスカッションでした。私は、第2分科会「草原を地域の宝として輝かせる」に参加し、阿蘇で野草に牛糞を混ぜて堆肥化し、その堆肥を使ってブランド化した野菜栽培の紹介、野草を刈って飼料にする取組みや、神戸の茅葺き職人が茅葺きの家を市民に親しめるように音楽会などのイベントと絡めた事例や、住宅地の横の茅場などの取組みを紹介してくれました。
 続いての全体討論会では、各分科会からの報告、第1分科会は草原の公益的機能と経済的価値について」、阿蘇の草原が全国の二酸化炭素の16%を根や土壌に固定できるとか、草原の経済価値として熊本県民より阿蘇住民の方が高く、全国の草原でも経済価値評価し、農畜産業に還元していきたい。
第3分科会は、幅広い市民運動としての草原保全活動と地元との連携」ボランティアがどうして継続的に活動しているのかというと、団体の熱意、参加する事による達成感、充実感、人と自然との交流など、ボランティアも高齢化により後継者づくりが必要みたいです。阿蘇は千年委員会という募金活動の支援団体があり、第一次は熊本、第二次は福岡の経済界にお願いしています。全校で草原100を選んでその草原再生を支える応援団が必要です。

第4分科会は、「火入れの安全性確保について
幹事の増井さんが全国の火入れの状況について説明し、火入れ自治体アンケートを紹介、事故はないが危険性を感じたが30%、安全体制が必要50%、阿蘇の事故後、半年ボランティアの活動を休止し、安全対策会議を10回くらい行ない、ボランティア安全宣言を掲げた。・危険性について全員が認識する・危険性が高いので研修会、防火帯、装備品の準備・地元とボランティアが協力して、先人の貴重な財産を守る。損害賠償保険や難燃性の作業服を紹介されたようです。
第5分科会は「2回全国子ども草原サミット」ふるさとの草原は宝の山、ぼくたち草原まもるモンを開催し、阿蘇が2校、大分、山口、広島から小学生がそれぞれの活動を報告し、阿蘇宣言を発表しました。北広島の意思を引き継ぎ、ふるさとに草原を持つ子供達が・美しい景色や大切な着物をまもるたね自分たちのできること・草原の良さを多くの人たちに伝える・地域に草原を持つことにより誇りを持つ
これからの担い手である子どもたちから、大変積極的な意見も飛び出し、会場の参加者からは大きな拍手がわき上がりました。
そして最後に全国草原シンポジウム阿蘇宣言が読み上げられました。阿蘇宣言には、「草原の有する公益的機能の経済的価値」を明らかにし、「残したい日本の草原100」の選定に着手、草原を「国民の共有財産」として位置づけ、などが盛り込まれていました。
夜の交流会では、各地からの参加者と懇親が計られ、草原の話題を中心に多いに盛り上がりました。
最終日は草原サミットの開催です。14の市町村の首長が一堂に会し、最初に前回草原サミットの概要をみなかみ町長が報告し、次に高橋さんが前日のシンポジウムの報告と問題提起、その後各自治体の取り組みや課題などを紹介したあと議論をされました。
10回全国草原サミット「阿蘇宣言」では、草原の維持管理を安全強化に行い草原を再生に取り組む、次世代へ繋ぐため草原学習を通じた教育振興、草原の維持保全のために地域資源を活かした地域活性化に取り組む、残したい日本の風景「草原100選」の制定、自治体との連携強化のため全国組織の推進と充実化、の5つの提言が宣言されました。

テーマである「守りつなごう草原の恵み!おとなも子どもも!」が実現し、多様な恵みある草原の価値が高まり、次世代へ引き次がれることを願ってやみません。
 今回は、阿蘇くじゅう国立公園指定80周年記念も兼ねているからか、環境省の職員が10名くらい参加していました。やはり阿蘇は日本の阿蘇ですね。
サミットが終わった翌日25日に阿蘇中岳が噴火しました。サミットに刺激を受けたのか?
                                        浅川潔


2014年12月1日月曜日

定例活動報告⑥ 茅刈&茅刈検定 刈って、縛って、抱いて 立てた、茅ボッチ80騎が上ノ原に・・・

森林塾青水の本年度第6回の定例活動、一般参加歓迎プログラム「茅刈」を1025日、26日に実施しました。
 当日は、一面青空の秋日和、上ノ原周辺の紅葉は、紅、黄色、橙、緋 緑が織りなす錦秋が真っ盛り、地元の人に言わせても今年は今までにない美しさとのこと。私もこれまで何年も見てきましたがこんなに素晴らしい紅葉は初めてでした。
天気、紅葉に恵まれた幸せな参加者は、会員・一般参加が40名、のらえもんグループ20名、東洋大学生12名、役場・地元協力者10名の総勢82名となりました。
 今回も、無料バスが運行され、初参加者が10名を数えました。また、前回までの初参加者のリピーターが10名程参加していただきました。
 
 
 
錦秋の上ノ原ミズナラ林
 
幸せな気分


  初日は、北山塾頭のMCで、はじまり、塾長、地元区長さんの歓迎のあいさつの後、「飲」 「水」 「思」 「源」に班分けされた参加者は、地元古老の林親男さん、林三郎さん、阿部惣一郎さん、町田工業の神保さん、冨沢さんを師匠に、それぞれの持ち場で鎌の研ぎ方から刈り方、伝統的な束の結わえ方、ボッチの立て方の講習を受けた後、茅刈りを開始。しばらくするとススキ草原のあちこちからザック、ザックと鎌音が聞こえてきました。

鎌の研ぎ方指導

鎌音がザック、ザックと聞こえるようです



草原のススキは眺めているだけでも心を打つ風景としてよいものですが、これを刈って、抱えて、縛って、抱きついて、立たせてボッチを作っていきます。そしてその硬さ、強さ、しなやかさ、重さ、においを体感します。こうして作った茅ボッチを世に出せば神社や重要な伝統的建物の屋根萱として役に立つのです。この日は、初霜もあったようですが刈り始めると汗をかくほどになる絶好の茅刈り日和となりました。

イタヤカエデの紅葉


本日のお宿は料理に定評がある「とんち」飲水思源の班分けは、昼・夜のお互いのコミュニケーションを深めようと部屋割りと同じにしたためか、初参加の方から始まった交流会も大盛況でした。

2日目、希望者は茅刈り検定をうけ、それ以外の方は昨日に続き茅刈りです。
 検定のポイントなどを説明して希望者を募ると昨夜の勧誘が功を奏して19名の方が申し出ました。 
受検者はそれぞれの班の師匠から検定されます。アシスタントが鎌の音、腰つき、縛り方、出来上がったボッチの姿などを師匠に尋ねて採点していきます。この検定は、安全性、技術性、芸術性が求められる(採点基準は別添)もので世界に唯一と自負しています。
師匠は優しくても見る目は厳しい

抱いて

立てる 「飲水思源」

武尊を眺める茅ボッチ2騎


初日には気楽に取り組んでいたものの検定となると皆さん真剣そのもの、ある受験者は、「いや~ ついついはまって、時間や太さが気になって、においなど味わう暇がありませんでした。もっと楽しまないといけませんね、競争社会で生きている性ですかね。自分の普段の生活を見直すきっかけにもなりますね」との感想をもらしていましたがこれも茅刈りの効用ですね。

 悪戦苦闘した1時間、結果は、17ポイント中、最高点が15ポイント、茅刈士補に三好さん、西村さん、南野さんの3名、茅刈士心得が12名となり、それぞれ称号を与えられました。これで2010年、の3名、2011年の2名と合わせて8名の茅刈士補が誕生しました。

 やはり、難しいのは1時間に2ボッチを造ること、伝統的な草縛り、ごみ(雑草)の混ざらない美しい姿の茅ボッチを造ること、ボッチの立て方が難しかったようです。ある師匠がおっしゃったコツの一つ、「束を結ぶとき、茅束の腰にあたるところより上でしばるとうまく立てることができる」とのことです。

みなさんの成績は認定書として1か月後ぐらいにお手元にお届けします。

 こうして、2日間にわたって皆さんが上ノ原に立てた茅ボッチは80ボッチ(400束)となりました。これらは11月の活動日に道路まで引き出し、ストックしておいて屋根萱に使います。どこかで第2の人生を送る茅ボッチにお目にかかれるかもしれません。

 燃えるような素晴らしい紅葉の中で行われた茅刈・検定は盛況裏に終了しました。皆さんご苦労様でした。

 
 
諏訪神社の屋根萱も上ノ原の茅ボッチで葺き替られた


判定基準 クリックで大きくなります
 
 
この2日間の茅刈風景に感化され「上ノ原茅ボッチ小唄」をつくりましたので次のブログに掲載します。まだよく練れていませんがどなたか曲をつけていただけませんか。

                                               文責「草野」             

 

このブログは10月中に掲載したのですが、いつの間に消えていましたので再現したものです。