2023年7月16日日曜日

活動報告~炎天下の防火帯刈払い~2023年7月15日~16日

  毎年梅雨が長引けは雨の中の恒例の防火帯刈り、今年は降雨が少ない梅雨で、今回は炎天下の刈り払いとなった。
 防火帯は春の野焼きを安全に実施するための茅場整備の夏の必須作業。この時季に刈ることによって草の成長が押えられ植生がだんだん変化(衰退)して恒久防火帯としての役目を果たし、火入れの時の防火帯切がやりやすくなる。切った草は腐り、持ち出しが不要となるなど上ノ原の野焼き特有の作業となっている。

 今年は13名(刈払機使用初体験者2名)の参加、標高1000mとはいえ強い日差しを遮るもののない草原、温度は35度近い、エンジン式、充電動式あわせて8台の刈払機を駆使して大汗をかいて恒久防火帯と歩道の刈払いを行った。

 1日目は、じりじり照りつける日差しの中、替え刃の装着、燃料充填、エンジンの始動で手間取りやや開始が遅れたこともあって、一部を残して4時半に終了。刈払機が渡らない参加者は外来種の抜き取りを実施。

2日目は、昨日の残りを1時間ほど行い、全員で貴重種の調査を実施。残った時間でどぶ臭くなった池のヘドロの掻き出しを行った。この日、刈払機使用初体験者に技術指導もおこなった。

 今年のススキの生育は今のところ順調、貴重種も花が着いて、昨年に比べて2割程度増殖しているが光不足なのでその対策が必要と思われる。また、生息場所の表示も必要で来月の活動で実施予定。
 ヒメシジミは個体数が少なく楽しみにしてた乱舞は見られなかった。推測の域を出ないがヒメシジミの大発生は3~4年ごとのようだ。これもキチンと記録する必要がある。
 全体的にほかの草花も例年より少ないように感じられたがスズサイコの花を見ることが出来た。8月の調査でより詳しく行うとともに茅場整備開始から20年となる2024年に本格的な植生調査を計画している。
 6月に植栽したオオヤマザクラは何とか活着しそうだ。

以下、刈り払いの様子と見かけた草花などの写真です。

この時季の上ノ原

今年から戦力

 

ベテラン

まだまだやれる

ベテランと初心者

刈払い機講習 来年から戦力


成果



ヤマユリ

ギボウシ

ヨツバヒヨドリ

トリアシショウマ


ホタルブクロ

ウツボグサ

ヤマアジサイ


オカトラノオとキマダラヒョウモン

オオヤマザクラ根つくか?
経過報告



6月の活動の除伐あと

スナップ
池の清掃(写真:清水さん)

ブーケ自慢 (写真:清水さん)

報告:草野

2023年6月18日日曜日

活動報告 森林整備でリトリート2023年6月17日~18日

 6月17日、18日、梅雨の晴れ間をぬって「森林整備でリトリート」を実施した。

「リトリート」を本格的に取り入れた塾のプログラムは2021年10月からである。コモンズ村ふじわら: 10月 2021 (commonf.blogspot.com) キノコの駒打ちを取り込んだ体験プログラムを実施している。
 この時はリトリート体験が初めてであったがとても新鮮でその後、塾の茅場整備にどのように組み込むかを試行錯誤してきて、今は定例プログラムとして定着している。

リトリートのメッカ この時季の上ノ原

 リトリートを組み込むにあたって、常連の参加者の中には「汗を流して楽しむ」という従来の活動内容と変わってしまったと捉え違和感を持つ方も出ている中でいかに茅場整備と融和させるか企画の段階で幹事会で検討した。

〇考え方を整理するとリトリートは
①目的・条件にあえば、どこでも、誰でも、なんでも、取り組める。
②リトリートプログラムは進化する。
③社会的貢献が大きく、今後広めることが求められ、将来性もある(今がやるとき)
④要は、リトリートプログラムを通じて自分を見つめなおし、取り戻す機会を持つことであり そのためのコ―チングメニュー(導入アドバイス)は大事な要素である。

〇塾の活動に組み込む要点
①メニューはハード系(森林整備など)ソフト系(散策など)を取り入れ結果的に茅場の整備につながるものが望ましい。
②活動の一環でありリトリートが主体とはならない
③参加者が活動に参加する目的を満足して次の活動に繋がること

 そこで今回は従来の塾スタッフが伐採などを行いそれをちょっと体験するだけでなく実質的な森林整備になる「皆伐ー天然更新」跡地の「除伐」を組み込んで「森林整備リトリート」とした。このメニューは日頃青水の茅場・森林整備を経験した参加者や塾のスタッフがいるからこそできるハード系であり、本来のリトリートとは違った形になるがコーチスタッフのお二人にご快諾いただいて実施した。

 

広場でコ―チング1日目

木陰に座ってコ―チング2日目


コ―チングスタッフ

 今回取り入れた除伐は、会員でもある増井ドクターが二次林を皆伐したらその後の植生がどのように遷移するかの研究のために2014年に設定したいわゆる「増井試験地」が9年間を経て順調に更新・生育し、藪状態となっているところを、事前に増井さんの承諾を得てミズナラ、クリ、イヌエンジュ、ミズキ、イタヤカエデなどのカエデ類、クロモジなどの有用な広葉樹を残し、ヤマウルシ、タニウツギなどの不要な広葉樹と根曲がりや被圧された形質不良な樹木を伐り除く作業で道具は手ノコ。専門的には天然更新を人の手を入れて良い山にする「除伐Ⅱ類」、私も現役時代に数か所か経験した程度で通常の人工林除伐ではないので、目的樹種を選別して残さなければならないのでかなりむつかしい作業である。

 今回の活動には山仕事は初めての初参加の団塊の世代の女性2人、看護師の女性2人(2日目のみ)含む20名が参加してほぼ初めてであろう天然更新跡地除伐に挑戦した。

除伐前

選木中

除伐中


除伐後

除伐後

 今回の活動では、十二様の前にオオヤマザクラを植樹しようと上ノ原で山取苗を探したが余り良い苗はなく、ようやく見つけた根萌芽を根ごと掘り出し植えたが果たしてつくかどうか、次回活動の際にもう少し広範囲に探してみようと思う。
オオヤマザクラ植栽
 
リトリートを取り入れた作業の様子と感想を尾島さんがフェースブックに投稿されたので承諾を得て一部修正して次に掲載します。
《森林整備でリトリート》
リトリートを森林整備の始まりと終わりに取り入れる
リトリートは日常から離れ自然の中で自分を見つめる 取り戻す......
リトリートをリードする人の指示の下、その時の感覚を言語化し参加者と共有する
言語化する事によって、その感覚がはっきりし記憶にも刻まれ易くなる
本来のリトリートはそれを一日中、または二日に渡って行う
今回の森林整備の場所は皆伐後の変化を観察している斜面の半分、既に高さ3~4mになっているもの その間を埋める様々な木々、そこをかき分けもぐり込んでのボサ刈り。
残すのは主にモミジ、ミズナラ、コナラ等、モミジは特に多く、種をびっしり付けて元気
なので、多少間引く、タニウツギはピンクのきれいな花が咲くが、丈夫で茅場に入り込むと面倒だから切る。ヤマウルシも多く、赤い葉柄が目立つが、カブレが怖く触らず。
図鑑で見た事のある葉を見つける、5枚複葉で、対生、アオダモと知る
作業中は目の前の判断のみ“切るか切らないか”、“どう切るか”『無心』に身体を動かす
前後にリトリートを取り入れたせいか『無心』がより際立ったように思う
普段は感覚を言語化する事はないから?

追記(草野)
除伐した林地にはたくさんのオオバクロモジが生育していました。これは小さい物でも残して日当たりを良くしましたので、ここは下層木がクロモジの林になる可能性が大きいと見ました。この作業を続けてクロモジ採取地(クロモジ畑)にしてアロマオイルなどの製品を作りましょう。

ヤマグワの実


                              報告 草野





2023年5月27日土曜日

麗澤中学1年生の樹木観察会 -五感を使って自然を楽しめ-2023年5月27日

 

527日土曜日、845分、青空のもとさわやかな風が吹く麗澤学園の広場に1年生147名(欠席2名なので今年の1年生は149名)引率の先生11名、インストラクター13名が集まった。

 生徒たちはA~E組を2班に分けた10組、それにインストラクターが12名、引率の先生が1名のグループ編成である。

広場での対面式のあと、各グループはあらかじめ決めておいた広場のケヤキなどの大木の下に移動して観察会が始まった。

大木はインスタラクションのつかみ、その後は、種、実生、葉、などを触る、見る、嗅ぐ、聞く、味わう、そして想像する。これが今日の観察会の大目的。

今の時季、イヌシデ、ヒトツバタゴ、イロハモミジ、柘榴、ビワ、オオバボダイジュ(花)、など校庭の多様な樹木は花から実へ移る時期、コースをたどりながら生徒たちが興味を持ちそうな種の散布の仕方など樹木が持っている数々の智慧を解説する。生徒たちは目の前に現れたものに興味を示すのでこちらも臨機応変に対応、この日、解説できたのは下見で目論んでいたネタの半分。

それでもこれだけはと下見で目論んでいた樹木などに誘導する、味覚を使うヤブニッケイの葉を食べさせようとするがほとんどの生徒はしり込みして食べたのは5名ほど。通学路の森に近い状態の林の中に誘導して森林土壌の感触を体験してもらうが2名ほどは入りたがらない。こちらも強制はしない。

9時に始まった観察会、途中休憩をはさみ11時には広場に戻り、ラワンの種模型の「タネ飛ばし」の遊びの時間を30分ほど取った。ある程度飛ばし方が出来るようになったので競争を持ちかけた。遠くまで飛ばしたチャンピオン、滞空時間の長いチャンピオン、もう一度滞空時間でチャンピオンを決めて、3人でグランドチャンピオンの座を争う。各グループの歓声が広場に響いていた。

その後、昼食を済ませそれぞれの教室でまとめ・発表をして樹木観察会を終えた。

これからはあるインストラクターの感想です。

五感で植物観察

お受験を突破した、文字見まくり、文字知識ありまくり千葉県某私立中学一年生に、からだで知る五感学びのインストラクターをしてきました。

 

我グループ観察開始のシンボルツリーにカラスが二羽とまっている。すると、ポトリ。糞には消化しきれない種が!!種はどのようにして生育域を広げるのか?の答えが降ってきた。

これを目で見て(〇)匂いを嗅いで(なし)触って(なし)食べて(ダメ)聴いて(なし)想像して(〇)。いったい何を食べているのかと考えさせられる絶好の教材をカラスがくれた。

 

清々しい青空良い陽気

私はB15人を担当。いざ、観察開始。「はい!B3グループこっちでーす!」と、手を上げて移動を始めたら、あれ?あれ?子どもたちだけ?毎年各グループに一人先生が着いてくださるのだけれど、あれ?子どもたちしか着いて来ない。先生抜きのグループだった模様。今日初めましての子どもたち、誰もはぐれずわたしだけで2時間いけるのかーー!

興味を沸かせることができるのか否かが鍵。それを救った?のがわたしの滑舌かもしれなくて、説明中、滑舌悪いって、男子生徒に突っ込まれた~。「○○○って3回言ってください。」チャレンジさせられるも言えず(その子も言えなかったけど)

うんなことない!!って答えたけれど、生徒のメモ書きに証拠が!!写真にて

ハナノキでは、今起きているリニア開発との関係を話して、みんなどう感じたかを発言してもらい。アカメガシワでは、新芽がなぜ赤いのか?毛を指で削げると色が変わるその毛の意味からパイオニアツリーと森の話をしたり、楽しい観察になりました。

最後は、サザエさんのエンディングを大合唱しながら他のクラスと合流する我がグループ。

ふう~。

15人みんないる。

秋には、この子たちと里山体験です。今から楽しみ。

東京ドーム10倍の敷地に植物約300種ある校内

 糞には消化しきれない種が!!

朽ちた切り株から蟻。
突っついたら卵発見!!

乙女心も五感?いやいや~。七感

木にひっかかった種を救出
タネ飛ばし


発表前に採取したもので




滑舌悪いと突っ込まれた証拠がここに!
萌芽(ほうが)→こうが
放線菌(ほうせんきん)→こうせんきん

わたしの発語「ほう」は「こう」に聞こえることが判明しました(笑)


 報告草野  写真は藤岡和子さんが提供してくれました。

2023年5月1日月曜日

野焼実施報告 -不発は本番。野焼講習会の火が良く燃えました-2023年4月29日~5月1日

 

 コロナ禍で2020,2021年と中止を余儀なくされ、2022年は参加者に毛羽立てをしてもらったにもかかわらず降雨で湿った茅場のススキの燃え具合はいまいちの野焼きでした。今年こそはと現地入りした429日は、晴れ間があり数日の天候も良く、ススキも乾いてよく燃えそうですが本番の30日は降雨の予報となっています。
 参加者は約50名、今回は大穴の消防団も特別に支援出動してくれました。

 昼食後山の口開けの準備をしました。タルチョも奉旗、今年の「タルチョ」は新しいバージョンで布が輪になっているのでその中を風が通り抜けありがたい経文が周囲に広がる仕組みになっています。

 

広場で風にはばたくタルチョ

 山の口開け神事では上ノ原の自然、安全と収穫の願いを謳った「祝詞」が詠まれ草原に厳かな時空が流れていました。

山の口開け神事


 はじまりの式では、新任の阿部賢一みなかみ町長が塾の担当課の原澤環境課長とともに来場され挨拶をいただきました。それに、上ノ原の茅を重要文化財の修復に使っていただいている町田工業の新社長と町田会長に「おいでいただき、新社長は一緒に作業をしていただきました。

始まりの式

阿部みなかみ町長

野焼箇所の説明

野焼きの場所はCブロック、昨年茅刈をしていてススキ以外の植物がかなりの勢いで増えていたことから、本来の予定地のBブロックを変更して実施することにしました。

ここでの本日の作業は、前日までに現地の自伐林業チームが刈払った防火帯の可燃物を熊手で燃やす側に掻き込む作業で、4つの班に分かれて実施しました。

可燃物掻き寄せ

この作業は2時間ほどで終わったので明日の天気を考えて野焼講習を少し多めに実施することにしてその区画を区分し、点火者の指名、ジェットシュータ隊を配置して、津田先生の火の中カメラと温度計の設置が整ったの見て点火。約800m2(0.08a)の予行練習。結果的にこれが2023年度の野焼面積となりました。

野焼き講習会





 今回の宿泊者、人数も多く、感染対策もあって吉野屋と樹林に分宿、車座講座と交流会は他の宿泊客への配慮もあって樹林の食堂をお借りして行いました。車座講座は笹岡顧問に「上ノ原の野焼き15年」のテーマで語ってもらいました。これまでの野焼きの結果やエピソードなどを、清水、北山、草野の補足を入れながら進行しました。以前の野焼きは雪の中が多く、近年は温暖化の影響か雨にたたられる日が多く、この時季ピンク色の濃い美しい花を見せてくれるオオヤマザクラも今年はすでに葉桜。笹岡顧問が写真で示された野焼風景と周囲の景色の違いが良くわかる講座でした。

 その後の交流会は、藤岡和子さんの司会で進められ、初参加者に話を振っていくと研究分野が同じなど参加者同士に意外なつながりがあること分かりました。

 夜中過ぎから雨が本降りになったようで2日目は予報通り雨の朝を迎えてしまいました。

 この状態では野焼は無理と分かっていても何とならんか、ダメな時は今日半日をどう過ごすかと朝から空を見上げたり思案したりした挙句、朝食の時、困ったときの津田・小幡両先生に相談、小幡先生が植物観察を、津田先生に火の中カメラや温度センサーの結果を交えてFire ecology(野焼の科学)について講座を開いていただくことになりひと安堵。津田先生をデータ整理のため宿に残して9時に着いた上ノ原はしとしと雨。ススキはずぶぬれ、これではいくら情熱があっても火は着かない。レインコートを着て小幡先生の「上ノ原らんまん」がはじまりました。この時季はオオヤマザクラが満開であるはずが今年は葉桜、それでも残った花で桜の種類によるは花や葉の違い、スミレ、イタヤカエデの花、クロモジの花などいつもの素晴らしい解説で参加者は大満足。2時間ほどで吉野屋に帰り、食堂で弁当を食べながらの講義が行われ、講義はパワーポイントで写真や動画を使いながら、野焼きをしたところとしないところの植生の違いがデータで示され、野焼の効果がよく理解できる内容でした。両先生誠に有難うございました。

小幡先生の上ノ原らんまん



津田先生の講義


 野焼本番は不発でしたが参加者全員が持ち味を発揮して情熱を燃やして過ごした2日間でした。

写真は清水さん、柳沼さん他のみなさが撮影されたものを拝借しました。

                             報告 草野