2019年6月25日火曜日

 「日本の林学・公園の父本多静六博士と資本主義の父渋沢栄一翁の功績を訪ねて」


下流圏会員親睦楽習会実施報告

 
 今年度からの新企画、下流圏会員親睦学習会。その第一回は「日本の林学・公園の父本多静六博士と資本主義の父渋沢栄一翁の功績を訪ねて」と題し、6月15・16日の両日、9名の参加で実施しました。

初日は雨模様の中、9時に久喜駅に集合した参加者は車2台で出発。最初の目的地は、岩槻にある木力館(きりょくかん)」という木の博物館。さっそく大槻忠男館長から説明を受けました。
 
木力館で大槻館長の人生観あふれる話を聞く
 

大槻館長は昭和30年に材木屋に就職、体で覚えた仕事が好きになり、昭和41年に独立して()大忠を創業しました。
 
巨大な桑の根っこの前で
 

大槻館長は、人工乾燥は木を殺すので、木材は天然乾燥に限ること。海外では家は地元の大工が建てるのが当たり前。どんな住宅も一律に瑕疵担保10年はおかしいことなど、五感で体得してきた経験をもとに、利害関係の絡んだ業界の問題点も含めてわかりやすく語っていただきました。
 
 

その後、車で五分ほどの見学用の家に移動。囲炉裏の周りに腰を降ろし、木の温もりを感じながらのひと時を過ごしました。
新築日本家屋の囲炉裏を囲んで

木の香りの中でのお茶の時間
 続いて、元荒川、古利根川を渡って松伏町へ。松伏町は古利根川と江戸川に挟まれた地域で、間を中川が流れています。通ってきた川は流れが堤防の両端までかかり、水位も高く感じますが、町職員の小林さんによれば、この付近は水害に見舞われてきた歴史があり、いつも通りの流れとのことです。

昼食は、周辺の町からも客がくる人気の蕎麦屋「桂」。名物の鴨汁蕎麦は、濃厚なつけ汁と薄切りの鴨肉がよく合って美味しかったです。

県営緑の丘公園の脇を通り、農協の直売所で買い物をしてから、東北道・圏央道・関越道と高速を乗り継いで一路秩父へ。

夕方、秩父神社に到着すると、ようやく雨も小降りになり、拝殿前でお参りした後、神職さんより説明をいただきました。左甚五郎作と伝える彫刻の施された重文の御社殿は、今年の7月より5年計画で彫刻等の修理保存作業が始まるとのことす。
秩父神社で説明を受ける
その後は、今日宿泊する民宿「展望の宿 すぎな」へ。夕食後の交流会では、草野塾長が秩父神社前の酒屋で求めた秩父錦とフルボディのワインを美味しく頂戴しました。

二日目は、雨上がりの清々しい朝を迎えました。

8時半に宿を出発し、最初に萩原の諏訪神社にある茅葺きの歌舞伎舞台を見学。他に神社の本殿なども茅葺きで、屋根は少し傷んでいますが、田舎歌舞伎が奉納される10月は、大いに賑わうようです。
 
萩平の歌舞伎舞台
 続いて長瀞経由で道沿いの景色を楽しみながら渋沢栄一記念館のある深谷市へ。途中、「花植木街道」や「コスモス街道」を通り、トウモロコシ畑やネギ畑が見えたところが深谷市。利根川までほど近い血洗島に澁澤栄一記念館があります。
澁沢栄一記念館
 
 

平成29年に上皇上皇后両陛下が視察されていますが、明治の初めに宮中での御養蚕が復興される際に、政府中枢に養蚕のわかる人間がいないため、養蚕農家の生まれで、富岡製糸場開設に関わった澁澤が相談役をつとめたとのことです。記念館では解説員に説明をいただいて30分ほど見学。続いて車で直ぐの中家(なかんち)と呼ばれる澁澤の生家へも足を延ばしました。
 
澁澤栄一の生家
 
 

続いて、今度は麦畑が目立つ下道を通って久喜方面へ。昼食をとった後、最後の目的地、久喜市菖蒲支所庁舎5階の本多静六記念館へ。本多静六の生い立ちと、首掛けイチョウで有名な日比谷公園をはじめ日本全土に及ぶ業績が、わかりやすく展示されていました。
本多静六博士
 
 

庁舎前の広場で開催されていた観光協会のイベント「アヤメ・ラベンダーフェスティバル」も併せて見学し、内容盛りだくさんの楽習会となりました。
 
菖蒲支所前広場ではイベントが
 
企画に協力いただきました会友の小林哲也さんに心から感謝申し上げます。
 
                           (稲記)

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